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紫式子日記

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『パリジャンたちの日記』



なんとなくムシャクシャしていて
なんとなく買ってしまった。
たぶん癒しを求めていたんだと思う。
いま「求めて痛んだ」って
変換されたんだけど、
あながち間違いじゃないと思う。

で、実際に癒されたので
それはそれで良かったし、
ページデザインも秀逸だし
(かわいくて読みやすい)
いいっちゃいいのだが、

やっぱぴこーいう
オサレ系の本って
手元に置いとく価値を
感じないというか、
パリで理想的な職業に就いて
キラキラ輝いてるイケメンを
見ていたところで
お腹はイパーイにならないというか、

本棚にあと1冊分しか
余裕がなかったとして、
コレを残すか
澁澤の『快楽主義の哲学』
残すか!? って
シチュエーションになったら、
明らかに後者をとるでしょう
とか、そういう程度の本。

各イケメンのページ毎に
まとまっている
オススメスポットの
アドレス
は便利そう。

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『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ

薔薇の名前〈上〉 薔薇の名前〈下〉


★Wikipedia「薔薇の名前」
★映画版の感想はこちら
 (ゴシックとかについてもよく書いてある、当時の自分。。。)
★『ゴシックとは何か』初読再読

あの、ものっそあたまわるそうな
記事書いてよかとでつか

(´・ω:;.:...

松岡正剛先生の「千夜千冊」
「おおざっぱな物語はショーン・コネリー主演による
 ジャン・ジャック・アノーのよく練れた映画にもなったので、
 それで充分だろう。」

って書いてあったんだけど
本当に「おおざっぱな物語」を追うだけ
みたいな読み方してしまった(つд⊂)エーン

どうやらダンテ『神曲』を知らないと
ちゃんとはわからないみたいです(つд∩) ウエーン

( ゚д゚)ハッ!
でもこの「文書が文書を呼ぶ」ってなんか
作中に出てきた「迷宮文書館」に通じるものがある?

エーコが古い修道士の手記を発見し、
それを現代イタリア語に訳したという設定。
(ここでもう「物語」「物語ること」の間接性が提示される。)
それは、手記を書いたアドソが
師・ウィリアムと共に
修道院で起きた血なまぐさい殺人事件と
その奥に隠された謎とを解いていく
7日間の物語だった。

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『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

暇だったり勢いづいてたりして、
なんとなくハルキを読み返すキャンペーン。

読後感がいい作品ほど記憶に残りにくいのは
一般的なのか、ハルキ作品の特徴なのか。
あんまり本読まないんで比較の仕様がない。

読み返して思ったのは、
この設定、ハルキの文章じゃなきゃ
読めなかったよね
ってこと。

だって!
なんかどっかアンリアルな「ハードボイルド」と、
完全ファンタジーな「世界の終り」て!!
まるで同人ラノベのようじゃありませんか!!!

教訓1:素人はうかつに手を出してはいけない
教訓2:やはり村上春樹の文章力はすごかった


結末もね。
やっぱり前向きな決意に溢れているというか。
少なくとも悲観的ではないじゃない。
そこにいる決意、のようなもの。

ワケのわからない世界だけれど、生きていく。
ハルキ的厭世観のハッピーな帰結かもしれないし、
ハルキ的世界観の持ち主たちへのエールに
なりえるかもしれない。

アンリアルすぎていささか世界に入り込みにくいんだが、な。

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『テロリストのパラソル』藤原伊織


『シュガルン』→土屋アンナとせっかくカワユス系で来ていたのに、
ここでまたハードボイルドにサスペンスな感じに戻りまふ。嗚呼

サスペンスとゆーと理想的でカコヨスなイケメソが
ゴーヂャスな謎の美女と知り合いになりつつ
厄介な事件に巻き込まれ、解決していくうち
なぜか美女とねんごろにゃんごろになる・・・
というパターンが王道だと思うのですが、

この作品のいいところは、
主人公がカッコよくない。
40代、アル中、新宿のバーテンダーで
友達はホームレスの青年だけ、
70年代学生運動で敗走した過去を持ち、
さらに親友の作った爆弾での事故に巻き込まれ
お尋ね者になっている、とかそういう。

ある晴れた日、習慣通り新宿の中央公園で
芝生に寝転びウィスキーを飲んでいたら
目の前で爆弾を用いてのテロが起こる。
やりすごそうとその場は立ち去るが、
遺留品や証人となる人物を残してしまう。
しかも、彼を追いかけ始めたのは
どうやら警察のみではないらしい・・・。

トリックが特に手が込んでいるとかではなくて、
主人公が限られた情報・人脈を使って
「誰が、何のために」テロを起こしたか、を
導き出していく推理の過程がキモ。

また、そこに学生運動にかかわった
主人公や旧友の思いも交錯し、
物語を重層的にしていきます。

「奇妙なやくざ」浅井など、
キャラクターも魅力的。
会話がウィットに富んでいて、
読み飽きない。

サスペンスって1度読んだら終わりだから
あんま好きではないんですけど、
これは読み返したくなる秀作でしたねぃ。

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『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹

ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫) ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)

ハルキ作品はあらかた読んだんだけど、
いちばん「いい話だったなぁ」と思えたのもこれ。
いちばん印象薄かったのもこれ。

で、読み返してみました。
たぶん印象薄かったのは、エンディングが
けっこうズルズルしてることだと思う。
もちろん不要なパートはないんだけど、
もーちょっとキリッと締まるんじゃ?
という感じ。

そしてこんなに「生き続ける」という
意思表明に満ちたものがたりだったけ?
で、ハルキ長編作品の年表を見てみる。
風の歌を聴け (1979年『群像』6月号)
1973年のピンボール (1980年『群像』3月号)
羊をめぐる冒険 (1982年『群像』8月号)
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド (1985年6月 新潮社・純文学書き下ろし特別作品)
ノルウェイの森 (1987年9月 講談社より書き下ろし)
ダンス・ダンス・ダンス (1988年10月 講談社より書き下ろし)
国境の南、太陽の西 (1992年10月 講談社より書き下ろし)
ねじまき鳥クロニクル (『新潮』1992年10月号~1993年8月号、1994年4月・1995年8月 新潮社より書き下ろし)
スプートニクの恋人 (1999年4月 講談社より書き下ろし)
海辺のカフカ (2002年9月 新潮社より書き下ろし)
アフターダーク (2004年9月 講談社より書き下ろし)
(Wikipedia「村上春樹」より)

こうやって見ると、明確に
『ノルウェイ』以前→喪失
『ノルウェイ』以後→再生(恋愛の成就)
って分かれてるんだなぁ。

『ノルウェイ』を書いた後で、よけいに
生の側に留まるって意思を強く表明せずには
いられなかったのかもしんまい。
でも、『ねじまき鳥』で使い果たしちゃった感はあるよね。

あと村上春樹は読者・外部とのコミットを
心掛けるようになってから傾いてった気がする

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