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紫式子日記

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『柔らかな頬』桐野夏生

柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)  柔らかな頬〈下〉 (文春文庫)


なんか最近なにを読んでも人間の
「業」を感じてしまうのですが
本のセレクトが悪いのでしょうか。
どなたか宜しくご指南願います(´・ω・)


と、いうワケでまた
「業」まみれなミステリです。

むしろミステリの良し悪しって
そこに如何に「業」
きちんと描かれてるかによる

みたいな気がしてきたぞ。

犯罪って人間の「業」の
極端な現れ方の一面ですもんね。

宮部みゆきはそこんとこ
すごく意識、というか、
人間の弱さ・脆さ
すごくちゃんと描き出すよね。


今回読んだ桐野夏生は、
人間のエゴイズム?
残酷さ、身勝手さ
これでもかって描いてた。

いろんな登場人物の視点を
交錯させる、なんて
手法まで使って。

事件を境に、他人の酷さ・
自分の酷さを自覚して、
それでもなお
生きていかなければいけない。


たぶん他の作品だとまた
別のテーマなんだろうけどね。


結末も救い無い。
これ、読んでるこっちもキツいけど、
作者自身がいちばん消耗してると思う。。。


そこんとこ行くと森博嗣って、
ミステリというよりも
純粋な知的娯楽を求めてる感じだね。

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『三島由紀夫レター教室』三島由紀夫



『不道徳教育講座』
なんてのも書いてるし、
あんまり「異例の」って
感じはしなかったナー。

いろいろ書いてみたかったんだと思う。
「官僚的」というか「権威的」
とされる自己イメージから
脱却
して、「三島的」って
イメージを創りたかったんだと思う。


登場人物5人の手紙のやり取りだけで、
物語が進行していく形式。

雑誌サークルの後輩が穴埋めコラムで
「メールの文面だけで進行する物語」
ってのをやってて、ひょっとしたら
これ知ってて真似てたのかな。


やっぱ、人間の醜悪さ……が
上手く描かれてるよなー、と思う……。
この作品だと、まだコメディタッチだけどね。

若者の浅ましいながらも
素直で快活な気質と、
それに対照されるような
中年男女のひねくれっぷり・気まぐれさ。

丸トラ一は、さいしょあほで
むかつきますが、後半では
かわいいと思えてきます。

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『潮騒』三島由紀夫



あまりののどかさに

最後の最後で大どんでんを

期待した私はしかし

決して間違ってないと思う。




友人と感想交換。

「やたらおっぱい小説だよね」
「『おおらかな性』だよね」
「まぁギリシャ古典だからな」
「『ダフニスとクロエ』な」
「おっぱい!おっぱい!C=(゜∀゜*)」


スミマセン某有名私立大
出ててもこんな感じです。。。



まぁ女体に限らず、やたら肉体讚美というか、
本人がボディビル始めた時期ってことで
「目標:腕立て1日300回」
みたいな風味があって個人的に興味深い。



あとはこの人、人間の醜悪さ描くの
やったら上手いよなぁ、と今更気付く。

特に自意識過剰なナルシスト醜男醜女
上手いというか、好きなんかな。描くの。



海辺、灯台ってモチーフは
「天人五衰」とカブるところ多くびつくりしました。
中身真逆なのにね。

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『チーム・バチスタの栄光』海堂 尊

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 599) チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 (600))


うん、面白かったw


奥田英郎の「伊良部シリーズ」に
本格ミステリを持ち込んだ感じ?

って思ってたら、案の定解説で
指摘されてたw


星新一といい森博嗣といい、
理系の人が筆を執ると
やっぱりスゲーなぁ、と思う。
トマス・ハリスも医師兼、だよね。


うーん、ただやっぱり
「読み返さない一過性の娯楽」
としてのミステリの枠は、
抜けきってない感じ。

白鳥の登場タイミングが遅すぎなのと、
「その後」が冗長すぎるのが玉にキズかな。


映画が超えられない原作……
だと思うのだが、どうなんだろう……。

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『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』菊地 敬一



わたくしの大好きな「遊べる本屋」
ヴィレッジ・ヴァンガードの社長の本。

店名を決めるところから、
周囲の反対、今も続く苦労話、
どういったスタンスで経営し
今に至るのか……。

など、客の視点ではわからない
ビレバンのお話エッセー集。

書籍流通の話ですとか、
「明るいお悩み相談室
 ~本屋の経営者編~」
など、業界裏話? もあります。


「ベストセラーは大型書店に任せて、
 俺たちは売りたい本だけを売ろう」



そういう目的で書かれた本じゃない
ってのはわかってるけど、元気が出ます。

「オンリーワンになろう」
って、安い言葉だけど
この本に限ってはアリ。

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