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紫式子日記

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『東西不思議物語』澁澤 龍彦



このひと、ほんとに物知りだな~ とか、

このひと、ほんとに「おもろいこと」好きなんだな~ なんて再認識。



あまりテーマを厳しく縛らず、タイトルどおり古今東西の
不可思議だったり「非科学的」だったりする事象・伝承

いくつかのケースを引き合いに出して、紹介してくれてます。



すげぇなと思うのは、東西で似たような伝承があったら
「興味深い」といって比較できる、その知識の幅。

なんていうかこの人って、ダークな趣味における
検索エンジンみたいな人だと思う。
それ自身では何でもないんだけれど、
いろんな情報の仲介人であり媒体であり、って感じ。
「ググれカス」ならぬ「シブれカス」みたいな。



あと、文体っていうのかな、語り口でワクワクしてるのが伝わる。
特にこの本ではそれを感じた。

エロとかグロとか悪魔崇拝とかを好んでても、
彼自身の精神は「病んで」いないのがすごく好感持てるよね。
ほんとうに「少年」的、明るいカラッとした好奇心
エロとかグロとか悪魔崇拝とかを研究・紹介してる(笑)。

稀有な人だったんだな、と思います。

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『鏡のなかの鏡』ミヒャエル・エンデ



『はてしない物語』『モモ』しか知られていない
ミヒャエル・エンデだけれども、こんなのも書いていたんですね。

なーんか、
ふつーのシュルレアリスム詩人になっちゃったんだなー、
ってかんじ。



『はてしない物語』『モモ』に欠けていた
「時代性」を意識した
……ってことらしくて、
たしかに20世紀的な虚無感、(絶望というより)無望感がある。

けれど、『はてしない物語』『モモ』は「時代性」を欠いていた、
というか、それに縛られていなかったから
あれだけ受け入れられたのだと思うし、
いつ誰が読んでも胸を打たれる物語になりえたんだと思うんだな。



単純にシュルレアリスム作品として見るなら、
過不足なく「教科書的な」作品なのだろうけれど、
べつにエンデじゃなくてもいいよなーってところ。
シュールは20世紀前半でやりつくされたじゃない!!

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『少女地獄』夢野久作



『ドグラ・マグラ』は短編小説的な各部が折り重なってひとつの物語を作り上げていて、
その物語どうしの絡まりあいみたいなので巻き込まれるように引き込まれるという作品だったんですよ。

というのを、これと読みくらべて、思った。



「少女地獄」の、手紙の文面という設定の文章は結構好き。

夢野久作がドグラマグラ的手法を使うと面白いのは、
たぶんこの人が描こうとしている「イッちゃった」人間の心理が、
いろんな人のいろんな見方・考え方≒「ことば」で構成されてるからなんでしょう。

↑これって今でこそ言い古された、流布した考え方だけど、
夢野久作が生きてたのって100年前の日本なんだぜ? 凄くね??



あと何だか『少女地獄』に収録されていた作品は
「童貞的」な女性観をものすごく感じるよね。

「童貞」ってアレね、カラダがってだけじゃなくて、
精神的・形而上的な意味合いにおいてね。
そのものずばりなタイトルの作品も収録されてたけど(笑)。

すごくプロトタイプの女性像を感じた。
女性像っていうかファム・ファタル像だな。
かたや、無邪気・無意識的に残酷で無慈悲な「処女(少女)」。
かたや、意識的に「女」の魅力で男を破滅に導く「妖婦」。

そういう夢野久作自身の「視線」みたいなものも想像すると、
ちょろっと面白く感じられる。

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『地球のはぐれ方―東京するめクラブ』村上春樹 吉本由美 都築響一



とりあえず帯コピーがすごいんだ。



「まずは魔都、名古屋!」


( Д)゚ ゚


あと、本文中に
「日本は世界の名古屋、
 地球は宇宙の名古屋」

とかいう名言もあったな


いやwwwwwwwwwwwwwww
確かに上手いしwwwwwwwwwwwwwww
間違ってはいないんだがwwwwwwwwwwwwww

そのコピーのまんま
名古屋地区で売るなよwwwwwwww


故意にやってるとしたら文春の営業GJなわけだが



するめのように「噛めば噛むほど味が出る」旅をしようという、
「東京するめクラブ」こと村上春樹・吉本由美・都築響一のトリオが
ニホンと世界の「珍スポット」を旅して周るエッセイ本。

さびしくさびれた熱海・清里の「活用案」をアツく語り、
ハワイ・江ノ島の強みであるマイペースさを発見する。
3人の、歯に衣着せぬながらも、のある言葉にはグッと来る。
とりあえず都築響一のアングラチズムへの造詣は異常。(※勿論褒めてます)



なにげにサハリンがいちばん面白いと思う。
ほんっとに想像もつかない土地だし、考えること自体
タブーみたいなところがあったから。少なくとも私は。



あとやっぱり、村上春樹は文章上手いね。
もう余生はエッセイだけ書いてればいいじゃない、と思った。

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