忍者ブログ

紫式子日記

Home > ブログ > Books

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『刺青・秘密』谷崎潤一郎



久々に純文学!! と見せかけてエロ!!

イャだって本当にエロ杉なんですもん谷崎センセ。
具体的な「まぐわい」シーンが描写されてるわけじゃないけど、
「言われてみると確かにエロい」。

精神のチラリズムっていうかさ。
そういう雰囲気、シチュエーションを掬い上げて、
編み上げるのが上手かったんだなぁ、と思います。



オトナの匂いのする自伝風小説『秘密』もいいんだけど、

やっぱり私はおこちゃまなので、少年のSM性への目覚めを描いた
『少年』が、読んでていちばんどきどきしました。

さいきん仏教が好きなので、『二人の稚児』も楽しめたです。

『母を恋うる記』は途中で読んでるのツラくなったけど、
オチまで読んだらすっこーん、て落ちた。腑に。

拍手[0回]

PR

今読んでる本



読み終わったらまたちゃんとレビュー書くけど、
ほんとダメな変態だなぁ、と思ったので書き留める。

しかし流麗な文体と明快な構成はスバラしいね。
短編集なのだけれど、あまりにサクサク読めて戸惑っている。

拍手[0回]

『幼年期の終わり』アーサー・C・クラーク



なんだか哀しくなっちゃった……(´・ω・`)


SFって「Science Fiction」なんだけど、
この物語は「Science Fantasy」ってかんじ。

今まで人間が「ファンタジー」「幻想的」と見なしていたものを瓦解させて、
もっと夢のある「仮説」を打ち立ててる。

でもその果てって……何なんだろう。


宇宙規模で繰り広げられる物語だからこそ
考えさせられる、「個としての喜び」「種としての喜び(?)」

登場するジャンという青年は、
最期に後者を味わえたんだと思うけれど……。

私はすごく哀しい。
なんか、生きる気がしなくなったorz


そういう諸々のことも考えさせられてこその
「名作」なんだと思う。

思うのよね、SFって

拍手[0回]

『17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義』松岡 正剛



あー、久しぶりにタメになる本読んだ気がします。


千夜千冊でおなじみ、松岡正剛センセイの入門書?
大学1年生向けの授業での講義録を
書籍化したものらしいのですけど、
タイトルのとおり高校生が読んでもいいですし、
私みたいに17歳からやり直したい元・高校生が読んでもいい。

「人間文化を学ぶ」ということを
1.世界と日本を歴史観をもって見ること
2.社会と文化はどのように成立しているのかをよく知ること

とし、あくまで「さわり」ですけど、広範囲に扱っています。


もくじだけ拾うと、こんな感じ。
第一講 人間と文化の大事な関係 : 情報と編集と文化と。
第二講 物語のしくみ・宗教のしくみ : どうやって成り立った?
第三講 キリスト教の神の謎 : 西洋文化について
第四講 日本について考えてみよう : 東洋文化について
第五講 ヨーロッパと日本をつなげる : 比較対照


ね、面白そうじゃありません?

物語も神話も宗教も、情報が「編集」された結果と考え、
東西の宗教がそれぞれ、どんな「編集」をほどこされて
現在捉えられている姿に至ったのか、ということが
わかりやすくイッキに説明されています。


いちばん「おぉ~」と思ったのは

拍手[0回]

『肉体の学校』三島由紀夫



パッと見、やっすいメロドラマ。
題名も上手いとは言いがたいしね。

三島由紀夫はたまにこういうのを書くし、
そしてそれはなんだかちくま文庫に多いんだが、
まぁたぶん編集者の手腕なんだろう。

そしてこういう作風もたまにやっちゃうZE★
ってのは官僚的空気の中で育った
三島なりの家庭≒自分への反抗なんだと
私は勝手に解釈している。

それでもどうしても抜けきらない文体の気品というか、
下衆な人間・下卑た場面を描いてはいても、
それを描写するその言葉が流麗で美しくて
「もう、やっぱりゆっきーなんだから♪」
って嬉しくなってしまう。


この作品は、話自体は熟女の失恋⇒成長譚なんだが、
読んでて三島自身が主人公たちに
なりたがってたんじゃないかと思えてきた。

主人公みたいに、知的で家柄が良く美しい熟女になりたい反面、
若さと見た目の美しさだけが取り柄で、
中身は自分が思ってるほど詰まっていなくて、
熟女にコテンパンにやっつけられる愚かな少年
にも
なりたかったんじゃないか……と思えてくる。

あるいは前者が三島の幼い頃から培ってきた素質で、
後者がボディビルを始めてから目指していた像かな。
だって、少年の描写が「肉体」時代の三島の肖像と
印象ダブるんですもの。

拍手[0回]

PAGE TOP