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紫式子日記

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『崩れ』幸田文


すごく薄い文庫なのに、えらく時間掛かった……。
幸田文ってわかりやすいけど歯が立たないんだよな。
フシギ。

晩年、地崩れ・地滑りに目覚めた幸田文が、
日本各地の「崩れ」跡を「見てある記」。

大自然の荒々しいエネルギーに呆然となる心境が、
毎度の精緻な文体でさくさくと描かれています。

対象がすでに崩れ、止まった「跡」だからか、
いつもより立ち止まって
物事を見ている印象。

自身の激動の人生を、
晩年に振り返る様とも
重なります。

そうそう、実は崩れそのものより、
文章のそこかしこに挟まれる
幸田文自身の「老い」を見つめる姿がイイ。

「山より先に、お母様が崩れてしまったのですね――」
と娘に言われて、素直に
「子は母のように、母は子のようになっていく」
なんて書ける辺り、
やっぱり人間が出来ていると思う。

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つぅか、芥川賞受賞者さん。


トークショー聞きに行った
「未映子さん」と同一人物だと
昨日気づいたYO!

★トークショー過去ログ

すごく美人で可愛くて、
来た人たちに丁寧にお辞儀する、
謙虚な方だったと記憶しております。

↓受賞作全文掲載の文春。
体力ないと取り組めなさそうな
文体だったので立ち読みどまりです。サーセン

文藝春秋 2008年 03月号 [雑誌]
文藝春秋 2008年 03月号 [雑誌]

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『しょこたんぶろぐ貪欲デイズ』中川翔子



実は発売日に買ってました・・・(;・ω・)

しょこたんいいですよね。
好きです。
暇なときは「しょこたんぶろぐ」
読みまくってます。

最近はめっきり
金づる扱いされてる気が
しなくもないですが、
やっぱり魅力あります。

時代に愛され、時代が求めた
アイドルだと思う。
ブログ移転されたヤプログは
ざまーみろm9(^д^)なのです。

オタクであることも親近感?
沸くのだけれど、お父様を
亡くしていることによる
独特の生き急ぐような死生観
が、なんか放っておけない
気分になる。

まぁ、で、書籍版。
面白かったです。

元のブログ記事だけでなく、
かなーりいろいろ書き(描き)足されていて、
リアルタイムで読んでいても
楽しめるようになっています。

案の定ライブでお父様の
歌を歌ったくだりは、
読み返して泣けた(´;ω;`)

あとやっぱ圧巻は、巻末の
マンガでしょうかね・笑。

なんで水木しげるとかカイジとか、
楳図かずおとかこんなにタッチ似せて
描けるんだ・・・。
アイドル版田中圭一になりたいのか?;

「脳みその中、全部つめこんだ!」
という言葉の通り、
しょこたんの価値観や世界観、
好きなもの日々の生活、
すべてが見られる1冊。

「しょこたんってどんな奴?」
っていうお父さんも、
パラパラ読みすれば
なんとなくわかるかも。
いや、もっとわからなくなるかwwww

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『いくつもの週末』江國香織



現存する女性作家の中で、
唯一評価できる作品を書く人

・・・なんて思っている。

その江國香織が、自身の結婚生活
つづったエッセイ集。

あんまりこの人にはそーいう
「私生活を切り売り」
みたいなことは
してほしくねーなぁ
なんて思っていたんだが、
けっきょく面白かった。

本当に、こういう人なんだな、というか。

彼女の作品に出てくるような、
物静かな生活をしていて、
だけれど激情的な女性たち。

男兄弟がいない家庭で育ち、
家の中に男性がいるゆえの
トラブルに対処しきれず。

旦那さんも江國香織と
結婚するだけのことはある人で、
表面的には静かに、
けれどすごく彼女に手を焼いて、
彼女を心配して気遣っている様子が
垣間見れます。

しかし、夫婦ってやっぱり
けったいなものだなぁ、と思う。
けったいだけど、どうして現代人は
その制度を放棄しないのかが、
少し納得いく気がするエッセイ集。

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『豊饒の海 四部作』三島由紀夫

春の雪 奔馬 (新潮文庫―豊饒の海) 暁の寺 天人五衰

あああ読んじゃいました。
お疲れ様です。

内容凹むのに文章読みやすいから
サラサラ読んで、んですぐ凹む。

三島由紀夫の作品て、たぶんどれも
その美意識やら文章の格調やらを
確認できると思うんだけど、
これは格別。

 

やっぱ遺作だよな。
本人も書くのしんどかったと思うし、
読者もそれなりの
覚悟をして挑まなきゃいかん。

「名作が読みやすい訳はない」
なんて知性ファシストの
言い分だと思ってたけど、
確かにそうなのかも。

ああいう自意識過剰な
死に方をした人だけに、
内容も相当そんな感じではあります。
「こういう人なら 死んじまうわな~」 って感じ。

「あまりにも文学的な中二病」
なんて言い方しましたが、
本読みの友達に同意してもらい、
自信を持ちました。

大正時代~戦後を描いた
大河ドラマともなっているので、
それぞれの時代に対して
三島が抱いていたイメージなんかも窺えます。

「うーん、やっぱり昭和と共に
 喪われて仕方ない感性だったんだな」
なんてことも思います。 美意識に関しても、思想・理想に関してもね。

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