忍者ブログ

紫式子日記

Home > ブログ > Books

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

夏石鈴子『バイブを買いに』


バイブを買いに
バイブを買いに




短篇集です。

アタマ軽そうなタイトル&表紙ですし、

じっさい前半の4作品は「エロカワイイ」

済ませても大丈夫そうな内容。

セックスを通して、痛切なまでの「好き好き」を確認する、

みたいな物語が並びます。

文体も平易ですし。



でもそれにダマされちゃいけない。



5作目『ママ』で、母親に

「あんたなんか産まなければよかった」

と聞かされつづけて育ったエピソードが描かれてから、

内容が一気に壮絶さを帯びます。



後半『虫の女』から始まる3作品は連作で、

恋人との子供を中絶したエピソードと、

その後再び妊娠し、今度は産むと決心するところまで。



この、中絶の場面がね。

淡々とした文体で、病室の様子とか綿密に描写されてね。

女性が読んだら、

たぶん具合が悪くなる。




敢えて読むことはないと思いますが、

何かのめぐりあわせで「出会って」しまったら、

読まざるをえない本
かな、と思いました。

拍手[0回]

PR

『13歳からの論理ノート』


13歳からの論理ノート
13歳からの論理ノート


「○○は昼寝がしたかった。だから、昼寝をしなかった。」

といった「違和感のある」例文から始まり、

帰納/演繹、三段論法、有効な理由付け、

そして「論理的な文章の書き方」まで。

「論理的な間違いを指摘する」ってやつが、

有用だと感じました。



国語の授業で、

ネタとして使ったらいい本かもな、

とも思います。



本文に書いてあるのですが、

日本には非論理的な文章が多いため、

日本人はそれらを頭の中で補って、

論理的に解釈してしまいがち。

そして、自分も非論理的な文章を

書いてしまいがち。


それを防ぐ努力ができるようになります。

いやぁ、身につまされますね・笑。



この他にも、

「自分が結論に賛成している場合、

 非論理的でも気づかない」


とか、はっとさせられる部分が2、3箇所。



なんていうか、みんながこれを読めば、

感情で突っ走るあたまのわるいけんか

しなくて済むようになる気がする。

    ↑

 非論理的な文章。

 いや、「非論理的な反論」の例として

 「個人攻撃」「感情が根拠」ってのが

 挙げられてるんですよ。

 それって、ケンカの原因じゃん? て。




ティーン向けだけあって、

内容はコンパクト、レイアウトも読みやすいので、

すぐに読めます。

コピーは「30分で読めて一生あなたの役に立つ。」

私は30分は無理でしたが、1時間ほどで読めました。

あたまわるい発言をしたくない方、オススメ。

拍手[0回]

『こうばしい日々』江國香織


こうばしい日々
こうばしい日々




なんでこんな大事件も大どんでんがえしもなく

ただ淡々と日々が続いていくだけなのに、

こんなに面白いのかちら。

江國香織ってやっぱすごいなー。



日常の些細な感覚を、見落とすことなく拾って、

つとめて正確に描写するっていうのは、

考えてみたら幸田文に通じるかもなぁ。



ところで。

2ch発?でバカすぎて微笑ましい奴を

「こうばしい」って形容したりするけれど、

これが語源? ひょっとして。

てか、うちのサークルだけか? 言うの。

拍手[0回]

『竹取物語』星新一


竹取物語
竹取物語




星新一って実は読んだことなかったのですけれど、

アタマいい人ですねー。

本文の調子いい現代語訳もさることながら、

「さて、ここで一息」と作者が出てきて、

講じてくれる「豆知識」がタメになります。



実はここ半月、中学校に教育実習に行っていて、

その学級文庫にあって読み進めてた。

私の担当教官になった先生は、

教科書で原典「竹取物語」を扱うとき、

これを副教材にしているらすぃです。

拍手[0回]

『火車』宮部みゆき


火車
火車




ミステリーって一度読んだらそれっきりなんで、

あんま読まないのですけれど、

これはたまたま読んだら面白かったのでメモ。



ミステリー的要素である、トリック?とか

推理の過程ももちろん面白いんですけど、

人間の感情(特に「負」の)の描写が壮絶ですね。

胃の辺りが重くなりました、久しぶりに。



あと、カード使うのが恐くなった。

拍手[0回]

PAGE TOP