2006/04/27 Category : Books 『57577―Go city,go city,city!』枡野浩一 57577―Go city,go city,city!ビレバンで買いました。この人の作品で『ますの。』という短歌集があるのですが、それを4コマまんがにしたもの。メンツは元奥さんの南Q太・しりあがり寿・リリー=フランキー・辛酸なめこ・松尾スズキ……レビュー文を借りれば「ビレバン的に豪華」。というか、むしろ私はやまだないとのまんがを見るためだけに買ったようなものなんだけどね!やー、でも、買って良かったです。枡野作品を初めてまともに読む機会になったし……こういう自己嫌悪と自己肯定が入れ替わり立ち代わり出てくるの、好き……。でも、いちばんいいのはやっぱりやまだないとだと思った・笑。他の先生たちは割と短歌そのままに描いてるんですけど、ないと先生だけ独自のセリフを付けてるんですよね。それと、短歌との絡みがいい。コラボの意義をわかっているというか。全作品がまんが化されている訳ではなくて、白枠だけの歌も多いのですが……それがまた「余白の美」みたいなものを感じさせるとか、させないとか。あと、全歌英訳がついています。 つづきはこちら [0回]PR
2006/04/21 Category : Books 『男の涙 女の涙』石田衣良選 男の涙 女の涙―せつない小説アンソロジーなんかもう体力なくって、文庫版の短篇集しか読めません。教科書に載ってた『凧になったおかあさん』が収録されていてノスタルジー。あれー、これってこんなに重い小説だったか……。団鬼六を初めてまともに読んだ。『花と蛇』挫折したからさぁ……。『瘋癲の果て さくら昇天』って、官能小説みたいなタイトルだけどノーエロです。鬼六先生が、若い愛人の自殺に打ちのめされた経験談。2人の幸せだった生活の描写と、前触れのない自殺との落差がショッキングです。なぜ察することができなかったのか、そのやるせなさがせつない。あと、浅田次郎『スターダスト・レヴュー』。やっぱりこの人は面白いんだね。ナイスミドルの哀愁を描かせたら右に出るものはいないと思う。シメ方が本当に上手い。長編をちゃんと読みたいなぁ。江國香織『デューク』は、また涙出た……。ホント私この人に弱いわー。あと、石田衣良のあとがきが絶品。いい男すぎて悔しい。書くの何回目だ、このフレーズ。 [0回]
2006/04/11 Category : Books 『ロンパースルーム』安野モヨコ対談集 安野モヨコ対談集 ロンパースルーム及川光博が出てるから、ずっと気になっていた本ではあったんですけどね。安野モヨコもすっげぇじゃん!? ってわかってきたので、買ってみました。メンツがすごい。日暮愛葉、及川光博、ローリー、市川実和子、小日向しえ、大槻ケンヂ、よしもとばなな、寺田克也、庵野秀明、井上三太、奈良美智内容も濃い。特に熱いなーって思えたのは、寺田克也氏との対談です。絵を描く人間なら「そう、そうなんだよねっっ!!」って思える、自己研磨・自己鍛錬の話。これ以外にも、安野モヨコの目指すところ・振り返って思うこと等々、かなーり、内面バクロしちゃってます♪(笑)マークが多くて、「あぁ、楽しんで喋ってるなぁ」ってのも感じられる。そのフンイキだけでも読んでいて幸せになる。阿川佐和子『この人に会いたい』シリーズとは、また違った意味で面白い対談集。 [0回]
2006/04/07 Category : Books 『空は、今日も、青いか?』石田衣良 空は、今日も、青いか?なんだか石田衣良ばっかり読んでいる女だなぁと思われそうですが、決してそんなことはないんですよ。この間読んだ『娼年』が私の石田衣良初体験。まだまだ3冊目です、世の石田衣良ファンの皆さまにはとてもとても敵いません。石田衣良の初エッセイ集。R25での連載エッセイ『空は、今日も、青いか?』や、日経の夕刊での連載コラムなどを集めてあります。率直に言って、これは、良い。石田衣良のさらさらした文体は、そういえばエッセイ向きです。そして彼の持ち味である優しさが、ダイレクトに読者に向けられている。女性向け雑誌での掲載作品から成るパート?なんか、「本当にこの人、女性を愛してくれているんだなぁ」と痛み入ります。口説かれてる気分になります。まじで。他にも、独自の視点からの経済・政治に関する考察や、文化観もうかがい知れて興味深いところ。もちろん、私生活の片鱗なんかも見えたりして。これがあるからエッセイ読むのは楽しいのだ。ってか既婚・子持ちだったんですね! 所帯染みてないよなーこれは買いです、買い。ここまで人に薦めたくなる本は、久しぶりだ。 [0回]
2006/04/06 Category : Books 『ひなた』吉田修一 ひなたちゃんとひなたで体操座りして読みました。なんとなく、そうやって読むのが良い本だと思った。『パーク・ライフ』から『日曜日たち』を経て、どんっどん良くなってますね、吉田修一。文章からわざとらしさがなくなっていく。これまた家族モノ、各メンバーの一人称・バトン形式です。そういうところで、私の中でちょっと『空中庭園』とかぶった。実は何らの問題も解決されていないのに、ほのぼのが全体を覆っているところとか。読んだ後に残る、「和むんだけど、これで良かったのかなぁ」感がある。その、後引く感じが持ち味なんだろうな。 [0回]