2005/11/19 Category : Art 早稲田大学の寺山修司展 早稲田大学の寺山修司展 〜青少年のための寺山修司入門〜久々に、アングラな感じで。つぅかもっと早く開催に気づけば良かった。今日最終日じゃん。。。天井桟敷の資料や、雑誌記事・書簡が展示されていました。横尾忠則のポスターとかね(笑)展示スペースはさして広くなく、展示品も「入門」とされている通り、それほどコアなものは無かった気はしますが。自筆書簡とか、天井桟敷の公開当時のパンフレットとかもあって、ファンの方ならじゅるりだったのではないかしらん。私なんかは『青女論』しか読んでない甘ちゃんだから、文字通り「入門」とするしかできなかったのですけれど。東由多加の名前とか、才能が才能を呼んで集結させていたような時代が偲ばれました。お得だったのが、同時開催企画で映画実験室・人力飛行機舎による、寺山修司監督の実験映画を無料で(!)観られたこと。上映作品は『二頭女―影の映画』『ローラ』『審判』の3作。 つづきはこちら [0回]PR
2005/11/10 Category : Art レオナルド・ダ・ヴィンチ展 レオナルド・ダ・ヴィンチ展行ってきました。メインはレスター手稿の展示で、「画家」レオナルドではなく、「万能の天才」レオナルドにフォーカスが当てられています。画家業がレオナルドの幅広い芸才の、ほんの一角に過ぎなかったことがよくわかる展示。天文学、流体力学、地球物理が主に扱われていて、どれかってーと「自然科学」、理系分野ですよね。しかし、500年前にあれほどの発想をしたっていうのに驚きです。まだまだキリスト教会が人々の生活と思想を取り仕切っていて、ろくな実験・観察器具もない時代に!やはり、天才。鏡面文字を書くその脳は、恐らく他の人々とは違う世界を観ていたのでしょう。惜しむらくは!!人多過ぎで何も観れやしなかったこと。泣く泣くカタログ買って帰ってきました。家でゆっくりレオナルドと対話するさ。 [0回]
2005/11/09 Category : Art ドイツ写真の現在 竹橋に来る用事(って言ったらバレバレなんだろうか)があったので、ついでに東京国立近代美術館の「ドイツ写真の現在」展を観てきました。観て「怖いっ!」って思う写真に久しぶりに会いました……のっけから足元ぐらつかされたのは、ベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻の作品。(ペンシルヴェニア州ベツレヘム 1986年 ©the artist )給水塔、炭鉱の採掘塔、鉄鋼所の溶鉱炉みたいな産業建築物を淡々と撮っているのですが、これがなかなかどうして、気味悪い。同じ形のクレーンや煙突が並んでいる風景が、この人たちのファインダーを通すとすごく不気味でグロテスクに見えるんです。あと、給水タンクとかガスタンクが画面全体にバン! と来た写真とかには、無生物なのに威圧感・圧迫感を覚えました。でも、ずっと見てるとそのタンクが、支柱で地面に縛り付けられているようにも見えてくるんですよね。工業化社会の不穏さ・恐ろしさと悲哀を同時に撮りこんでいるように感じました。アンドレアス・グルスキーはベッヒャー氏の教え子。「同じ形が並んでいる風景」の奇怪さを鮮やかに撮っているところが共通していますが、グルスキーの方が色彩・構図が幾何学的・無生物的。(グリーリー 2003年 ©Andreas Gursky)そのよそよそしさがまた、人間疎外窮まった現代社会! って感じで、ゾワゾワさせてくれました。トーマス・デマンドの手法も面白かったな。 つづきはこちら [0回]
2005/10/23 Category : Art デ・キリコ展 巨匠デ・キリコ展@大丸ミュージアムやっと行ってこれましたよー。キリコも、実はよく知らなかった画家『沈黙のミューズ』と『不安を与えるミューズたち』は知ってるよ〜? くらいな感じ。知ろうとしなかったっていうかね。母親の葬式でもかおひとつ変えなかったマグリットが、キリコの絵を見て涙を流した……っていうエピソードで、きちんと知っておかなきゃとは思ってたけど、いかーんせーん、色彩とタッチが私好みじゃなくって。延ばし延ばしでここまで来たんですが。「まぁ、こういう人だったのね!」って思わせてくれる展示でした。展示の中心になっているのは、彼が80歳代に描いた、新・形而上絵画。ですから所謂「キリコ」と言われて思い浮かぶ作品群ですし、90歳で没したことを考えると、晩年に至った境地を拝見することになる訳です。ただ、私が興味を持ったのはむしろもうちょっと若い頃の、古典絵画の模写・デッサンです。上手いんじゃんなんて畏れ多いにも程があることを思ってみたりもして。。。あれらの、不安・切迫感がダイレクトに描かれた一連の作品を観て、初めて形而上絵画に漂う特異な雰囲気の正体がわかるのかな、と……。一見のどかな日常に潜む、ちょっとバランスを崩せばたちどころに現れそうな、不安。そして、それらを取り囲むように配された、三角定規や幾何学的な立体図形、何よりそれがキャンバス上の「寓意」であるというギリギリの安心感。だけど、『ヘクトルとアンドロマケ』に見えるこの親密さは本物の気がするぞ?……そんなことを、感じつつ……だからちょっと居心地の悪い、だけれど何周もしてずっと観ていたいような、そんな展示でした。そうそう、この人やっぱり大学で理系だったんだね。道理で。って感じだったよ。 つづきはこちら [0回]
2005/10/21 Category : Art ギュスターヴ・モロー展(後期) (前期)も行ったけど、また行ってきたよ。Bunkamuraのギュスターヴ・モロー展。会期も終わりだからか、平日の昼間なのに盛況。Bunkamuraの客はしかし所得階層も年齢階層も高そうである。(!)やはり本につけ映画につけ展覧会につけ、同じものを複数回鑑賞するというのは新たな発見を生むらしい。前期は全然気にならなかった「一角獣」に、今回はトキメキに似たものを覚えましたよ。なんかこの絵だけやったらエロ色っぽく見えてさ。なんでだろー、って思ったら、この絵、モローにしては暖色系なのね。他の絵は人物の影に青とか緑とか使ってあって、具合悪そう〜〜〜な感じだけど、これだけ健康的っていうか。健康美っていうか。あと、「出現」はやっぱり何度観ても凄い。凄みを感じる。しっかり塗りこまれたヨハネとサロメが、他の作品に比べて圧倒的な存在感を醸してるんだな。目線の対立が「凄み」かな。本当に「気」みたいのを帯びてる感じがするもんね。分厚く卵色の絵の具が塗られた、光の表現にもゾクゾクする。そして今日思ったこと。実はモロー、小品向きの画家だったんじゃないか。だって、なんであんなに素描とか習作とか念入りに準備するのに、出来かけの作品ばっかなの。いざ描いてみたら思ってたのとズレてたんだろーなー、うーん。「神秘の花」は、油彩ではなく水彩の習作でしたでも、油彩の怖〜い無表情と全然違う、明らかに「マリア」なやさしい微笑みで、びっくりした。 つづきはこちら [0回]