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紫式子日記

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イサムノグチ展




はい、とゆーアレで。

東京都現代美術館で開催中のイサム・ノグチ展行ってきました。



ぶっちゃけた話、今までサッパリ意識してこなかったアーティストなんですけどね。

彫刻家だからかな。

どうも私、自分が立体作品作れない人間だからか、同じアートでも彫刻家には疎い。



しかしなかなかに楽しめる展覧会でありました。

すごく空間的バランス感覚がある人なんですね、イサム・ノグチって。

いかにも近代彫刻! な、抽象的形状の作品を作るんですけれど、どれもどこかしら安定感があるんです。

観ていて安心するんですよね。

『母と子』なんか、形状・色もテーマも優しくて、ほっこりした。

『エナジー・ヴォイド』も人を護って、安心させるタイプの「ちから」を帯びていた気がします。

あとアレ、写真で見るよりでっかいのね。びっくりした。



人格が安定した人だったのか……あるいは、異邦人的不安定さがあったから、形状の安定を求めずにはいられなかったのか……。



あとはやはり遊具でしょうか。

秀逸ですね、あのデザイン。

近代アートとしても鑑賞に堪えるし、子どもも楽しく遊べる。

天才児の感性そのままに、技術を身に着けたタイプの天才かな、と思いました。

ピカソとはまた別系統の天才肌だよね。



そうそう、「こどものためのガイドブック」っていう解説パンフレットが秀逸でしたよ。

作品リストの隣に置いてあるから、これから行かれる方はお手に取ると良いと思う。



画像は中庭の「オクテトラ」。

曇天のビル工事との対比が面白くて、背景まで含めて撮ってみました。

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三井家伝来の能装束展




行っちゃった。行ってきちゃった

実は日本橋初上陸w ←おのぼりさんである



江戸末期〜明治初期、能楽のパトロンとなった三井北家の能装束コレクション展です。

歴史的には、能楽などの芸能を庇護するのが大名→財閥という変化の象徴として重要ですし、もちろん文化財産として非常に貴重。

つまりは単純に、観て楽しめるってことです。

ただのお着物とは違って、舞台衣装ですから当然ゴージャスですし、加えて明治時代への変わり目ならではの、モダンな意匠が見受けられます。



↓これとか。



金地の衣装とか、本当に艶やかね!

全面きっらんきっらんしてるの!

「カネかかってる〜」って感じです、本当に。

でも、その「カネ」を文化・芸術に注いだのが、三井家の功績なんですよね。



あと、天女の羽衣(舞衣か……)がいちばん「きれい」って思えたかな……。

透かし編みっていうの? シフォンみたいになってるんですよ。白くて。

舞台で観たら、どんな風になるんだろう〜……。



ちょっと、能とか着物の良し悪しとか観る目を蓄えていたら、もっと楽しめたかもしれないですね!

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「ジゼル」〜能とバレエによる〜


今、巷では文化庁芸術祭というものが行なわれていまして。

昨日はそのオープニング公演・「ジゼル」〜能とバレエによる〜を観に行っていたのです。



「ジゼル」自体は、皆さまご存知の通りバレエの定番プログラムなんですが、公演前半のパートは、「ジゼル」を能にアレンジした新作能でした。

きちんとお囃子とかいて。(笛の音キレイ。しびれた。)

半分現代語だったけど、詞章があって。(詩人の水原紫苑さんが脚本。)

能って初めて観たから偉そうなこと言えないんですが、西洋の舞台芸術をアレンジしているからかえって、能ならではのルールみたいなのが浮き彫りになっていて、面白かったです。

原作ではジゼルとアルブレヒトが一緒にダンスすることになっているんですが、日本にはそういう舞踊がないから、代わりに2人が同じ動きで舞を舞うようにしてあったり。

しかし……中世の時間速度は21世紀のそれとは合わなかったらしく……眠くなったね!; 失礼ながら。。。



後半は、正統派バレエの「ジゼル」。

時間の制約で、第2幕の墓参りのシーンだけだったんだけど、楽しめました。

プリマダンサーもさすがお上手だったけど、ウィリー役の方たちが、24人全員全く同じ動き(!)でずっと踊っているのには感嘆しました。

あと、この度初めていわゆる「正統派の」バレエを観たことになるのですが

(「正統派」じゃないのならある。)

音楽と動きの一致、っていうのは発明ですね!

チョット立ち止まる、何かを投げる、そういう動きのひとつひとつに合わせて、バレエ音楽は音をポン、と置いたりしているってのがわかりまして。

『白鳥の湖』とか『くるみ割り人形』とか、曲だけでは散々聴いてるけど、バレエの舞台を観たら、また聴こえ方変わるんだろうなぁ。

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李白


えー、昨日はブログほっぽってレポート書いてました。

しかも本業の社会学とかじゃない、中国文学の方。

で、李白の人生についてテキトー並べて3400字埋めたんですけどね、今日やっと。



それで思ったこと。

李白って、自ら進んで孤独に浸りに行っちゃうタイプの人だったんじゃないかしら。

ってこと。




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『踏みはずす美術史』


踏みはずす美術史―私がモナ・リザになったわけ
踏みはずす美術史―私がモナ・リザになったわけ




森村泰昌は好きですね。

だっていい男なんだもん(爆) アタマも良いし!

名画の登場人物や、歴史的女優に扮したセルフポートレートを発表している男性アーティストです。

その扮装ってのが、メイクから衣装からセットまで抜かりなく原画を再現していて、またエッロぉ〜い仕事っぷりなんです。

だから作品である写真を観ていても充分楽しいのですが、こんな美術評論(と呼んで語弊は無いと思う)も発表してるんですね。

大阪出身で上方仕込みのユーモアセンスしてるから、やることも洒落てるけど、文がまた面白いんだw

てな訳で、視神経だけでなく、言語中枢でもモリムラ美学を楽しんでみた次第です。



5章構成で、各章では「オトナ」「見る」「上手」「アメリカ」「オリジナリティ」という、"美術"を堅苦しくしているキーワードをモリムラ流に「踏みはずし」、森村氏なりの美術の楽しみ方、ひいては私たち読者それぞれの美術の楽しみ方を指南してくれています。

学校での「美術」の授業にうんざりしていたアナタにも、アート好きなアナタにもおすすめ。

「太陽の塔」「(ゴッホの)自画像」など、具体的な作品へのアプローチから論が進められてるんで、好きな作品のところだけ抜き読みするのもアリかもしれない。

ちなみに私のお気に入りは第2章の「モナ・リザ」。

モナ・リザへの扮装を試み、そして果たした森村氏ならではの斬新な、そして慈愛に満ちた「モナ・リザ論」が展開されています。

また、レオナルド・ダ・ヴィンチ×モナ・リザの関係を語ったのと似た手法で語られる、第4章のウォーホル×マリリン・モンローの関連も興味深かったです。



しかし、森村泰昌は好きですね。

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