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紫式子日記

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『みんなの手帳』


みんなの手帳―選ぶ・使う・極める!
みんなの手帳―選ぶ・使う・極める!



手帳に関するムックです。

まぁ、2006年の手帳を探し回った際に、手帳の奥深さを垣間見たワタクシがいる訳で……。

すっかりにわか手帳ファン。

そんな私の目が確かなら、このムックはかなり好感が持てます。

「○○の手帳術」みたいに手帳の使い方をああしろ・こうしろって押し付けてくる訳じゃなくて、「こう使ってる人もいますよ〜」「こんな使い方もありますよ〜」「あ、これ良いですね〜、真似されたら如何ですか〜?」みたいな、ほのぼの〜、した、腰の低ぅぅ〜〜い感じがするんです。



内容は、阿川佐和子(ラヴ)の巻頭インタビューに始まり、「気になるあの人の手帳と時間の管理法」「手帳開発者に訊いた最新手帳の使い方」「選ぶ、使う、極める とっておきの手帳術」等々、

 1.楽しく読めて

 2.役に立ち

 3.しかも、口うるさくない
(大事)

絶妙〜なさじ加減の企画ばかりです。

図版の多さ・カラーページの多さも魅力的◎



読んでいる最中はずっと、「へぇ〜、こんな手帳あるんだ〜」とか、「あぁ、こういうこともできるのか!」みたいな、小さいけれど、大事にしたい発見の連続です。

「不確定な予定はポストイットに書いて貼るだけにしておく」とか、「『やりたいこと』『叶えたい夢』を手帳に書いておけば実現する理由&実例」とか。



さりとて気になったのは、このムック、女性がターゲットだってこと。

取材されているのもほとんど女性だし、手帳の使い手も女性であることを前提にして具体例を挙げたりしてるんですね。

ん〜、こういう生活のディテールにこだわるのは女性だってこと?;

それとも女性は新たな手帳市場として開拓されつつあるのか?


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『キッドナップ・ツアー』角田光代


キッドナップ・ツアー
キッドナップ・ツアー




友だちが褒めていたので、ブックオフにあったやつ買って読んでみました、角田光代。

実現可能性は未知数なんですが、また別の友だちと『空中庭園』観に行こっかー、みたいな話にもなってる。角田光代。



小学生のハルの元に、別居中の父親が突然現れ、「これからお前を誘拐する」と宣言する。

最初はいつもの冗談だろうと思って着いていったハルだが、父親が本気なのがわかり、「逃亡」の旅に同行することになる。

最初は家に帰りたがっていたハルだったが、旅を続ける中で父親への愛着を深めていき、最後には「解放されなくても良いな」とまで思うようになる。



ハルが抱くのは、恐らくあくまでも「愛着」。

「尊敬」の念ではない、少なくとも。

父親のダメなところ・ダメさ加減もきちんと受け入れて、受け入れられたからこそ、父親を素直に愛するようになる。

そんな「きれいごと」じゃないリアルさが、却って心地良かったですね。



しかし角田光代。

『空中庭園』読んだ友だちとも話したんですが、サラッと痛いところ突くよね!

目を背けたい弱さを、サクッと表現してしまう。

だけれど、それだけに付けられる傷は治りが早くて、何より、目を背けてはいけないそれらの部分を直視する勇気をくれる。

好感の持てる作家が増えました。



ハルの一人称で物語が語られていくのに合わせ、語彙が簡単・漢字も少なめ。

ちょっと長めの児童文学って感じ。

たまに出てくる文学的比喩表現が、周囲から浮いてて興醒めだけど、そこはご愛嬌かしらん。

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『ダ・ヴィンチ』11月号


ダ・ヴィンチ 11月号 [雑誌]
ダ・ヴィンチ 11月号 [雑誌]



特集「それでも、出版社で働きますか?」。

モロ・就活生狙い! モロ・『働きマン』にかぶれた就活生狙い!!

狙い通り!! 買わせていただいたッス、ウス!!!(あほや)



特集は、期待以上のものでした。

少なくとも、「噂どおり、ツラい」ということはわかります。

大手〜中堅、様々な出版社の、様々な部門で働く方々の声が載せられています。

出版業界志望者向けのブックレビューも嬉しい限り。



しかし、『ダ・ヴィンチ』買うの久しぶりだなぁ。

ラスト30ページが鬼門なんだよね、何冊もほしくなる・笑。

立ち読みだけは欠かさずしてるけど(『舞姫』読みたいから)(『オーイ?メメント・モリ』も)。



Webダ・ヴィンチ

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『自由恋愛』岩井志麻子


自由恋愛
自由恋愛




舞台は大正時代。

美しく、周囲に愛されて贅沢に育った明子と、抑圧的な父母の下で女としての魅力を用いることなく生きてきた清子。

物語はそれぞれの一人称で語られていきます。

ストーリーとしては、明子の夫と清子が通じ、さらに妊娠したことで妻妾の関係が逆転する、しかし清子は子供を産んでしばらくしてから行方をくらまして……という、「いかにも」なメロドラマ的筋立て。



ですが、目を背けがたいまで「負の感情」を浮き彫りにする手法が、この物語を「読ませる」ものにしています。

物語の冒頭で生々しく描かれる、無邪気なお節介がひとを傷つけるという皮肉、そしてもう一方が舐める屈辱感、或いは、友人の亭主を「寝どる」清子の感じる小気味よさ、明子の感じる絶望など。

それら人物の感情の機微がさりげなく、それゆえこの上ない明確さを以て描写されています。



また、文庫版あとがきにより説かれる、「時代との対決」という切り口が、この物語をより正確に解釈させてくれます。

昭和末期〜大正時代という、「自由恋愛」「職業婦人」など、「先進的」な考え方が生じた時代における、「保守的」な考え方との対決。

明子と清子は、表面上は対立していましたが、2人とも共に夫・優一郎までも付き従う、姑、もっと言うと姑に代表される過去の考え方と闘っていたのではないか、という解釈です。

この物語は、姑の望むまま「跡継ぎ製造機」となることを拒んだ清子しかり、男の都合が良いままになることを許容せず自分の足で立った明子しかり、確かに「前時代との対決」そしてそこから導かれる「自立」という結果を描いているんですよね。

偉いなぁ、誰が書いてるんだ、と思ったら、やっぱり斎藤美奈子だった。



舞台こそ大正時代ですが、なかなかどうして、「今」にも投影できる仕掛けになっています。

だからこそ岩井志麻子も、これを物語として描いたんだろうけどね。

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『メガネ男子』


メガネ男子
メガネ男子




本日の立ち読み1冊目。

弐代目・青い日記帳様で紹介されていて、存在を知ったこの本。

本屋で実物を見たので、立ち読んできました。

相変わらずお金はありません。



そういえば当然の前提として特に申し上げてないけど、みんな村崎式子がメガネ好きだっていうの知ってる?

そう、好きなんだよメガネ男子。

初恋の君も初カレの君も、ついでに初体験の君(・・・)もメガネだよ!!

メガネかけてれば大抵の男の子は実物よりカッコよく見えるね!

「あ、好み」と思って目で追ったら、単にメガネなだけだったりとか・笑。



で、そんなメガネ好きを自負する私の感想……。

まぁ、まずはよくぞ刊行物にしたよな(笑)ってとこですよね。

中身は意外と充実。

「メガネ男子名鑑」とか、よく集めてきたな、って思います。

欲を言えばもうちょっと人数あっても良かったかなって思うけどね!

あと個人的にツボだったのは香山リカによる、メガネ嗜好の心理分析。



ただ、正直なところ、お金があったら買ったかっていうと〜……

たぶん買いませんね

イマイチ「深さ」「ディープさ」が足りなかった気がします。

もうちょっとドロドロしても良いんじゃない? って感じ。

ん〜、星は2つくらい



あとキミたち、メガネを語りたかったらここ・メガネラブを見てからにしなさい。


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