2005/08/08 Category : Books 『日曜日たち』吉田修一 日曜日たち今年の誕生日プレゼントに、友人の一人がくれまして。余談ですが「誕生日プレゼントが本」って良いよね。しかも実用書でも写真集でもなく、小説ってのが良いよね。かなりときめいた、実はwいゃプレゼントにしたくなったのも納得、の良い本でした。短篇集なんですけどね。主人公たちは年齢も性別もばらばらなんですけど、全部日曜日が舞台になっていて、そして過去の回想が物語の大部分を占めるんです。それゆえのノスタルジーというか、ほろ苦さ、甘酸っぱさがあるような。決してハッピーではないんだけれど、薄暗くもない、読んでいて気分の良い本でしたね。あと、各ストーリーに共通して登場する家出兄弟がいて、最後の「日曜日たち」で彼らの結末が描かれるのが心憎かったです私も友だちにプレゼントしたくなる(あるいはプレゼントできる)ような本を読もう…… と思いました [0回]PR
2005/08/04 Category : Books 『ドグラ・マグラ』夢野久作 ドグラ・マグラ (上)ドグラ・マグラ (下)私これ、上巻だけは1年の時に読んであったんですよね。でもそこで挫折して、2年ぶりにめくってみたら上巻の内容も忘れてて、しょうがないから上巻から読み直しました。んで、やっとさっき下巻読み終わりましたよ。あー、アタマ疲れた……。この小説は気持悪いね!いや、描写がグロいとかじゃなくて(そういうところもあるけど)。いちおう推理小説なんですよ。だけど、ひとつの真実を浮き彫りにしていくんじゃなくて、その時・その場面で最有力な説っていうのが、二転三転していく。非常に気分が悪い。落ち着かない。そしてあのオチ!! 残酷!いゃー……日本最高峰の奇書。ガンガンに振り回していただきました。文学の力、みたいなのを久しぶりに感じましたね。 [0回]
2005/07/23 Category : Books 『東京タワー』リリー・フランキー 東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜私が師匠と呼ぶ人間は3人いる。1人は毎度お馴染みのバイト先の先輩で、もう1人はサークルの先輩。そしてもう1人がリリー・フランキーだ。この本はリリー・フランキー初の長編であり、かつ自伝である。「ボク」の最古の記憶から、最愛の母=リリー・ママンキーの死を経、現在に至るまでが切々と綴られている。「野球部のシゴキ」「白タキシード」など、リリーファンにはお馴染みの諸エピソードが、線と線で結ばれる。ただし、『誰も知らない名言集』で扱われていたときのようなギャグ性は、今回は姿を見せていない。未だかつてこんなに切なさに溢れた「リリー・フランキー」もなかったろう。しかしそれを「シケている」と切り捨てるのは、少なくとも私には無理だ。私はここに、「師匠」も「かまってほしがり」も超えた、1人の「人物」としてのリリー・フランキーの愛やら情やらといったものを見てしまった。最後の10ページ、私は涙ぐんでいた。最早「師匠」でなく、1人の「人間」としてのリリー・フランキーに情を抱き、親しみを感じるようになっていた。半生を綴っているだけにボリュームはあるが、そこは流石の言語センスで読みやすくしてくれてある。周囲にレポート執筆中の同学たちがいるファミレスにて、3時間で読破。 つづきはこちら [0回]
2005/07/13 Category : Books 『ノルウェイの森』 ノルウェイの森〈上〉ノルウェイの森〈下〉「なんで今更『ノルウェイの森』なんか読んでるんですかぁ?」by某日吉キャンパス生。 つづきはこちら [0回]