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紫式子日記

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『多毛留』


多毛留
多毛留




この絵本との出会いは、私の記憶が確かなら小学4年のときだった。

廊下に仮設された、「おすすめ図書」コーナーに並んでいた。

当時既にビアズリーを知っていた(キモい)小学生の私は、まずビアズリーっぽい絵だな、と思い、哀しい色遣いだな、と次に思った。



ストーリーはいたってシンプルで、残酷。

こんなんでいいのか、と衝撃を受けもしたが、こんなんでもいいのだろう、という、空虚な読後感が残った。

米倉斉加年の、行き場のない切なさに溢れた絵も、その読後感に拍車を駆けたのだろう。



10年後の先週金曜、私はバーで初対面の男性と相席する。

興が乗って、私が好きな画家の話になった。

そこで私は初めて、恐らく人生で初めて、他人にこの絵本について説明した。

当時は何とも思っていなかったこの絵本の要素――父と息子、朝鮮人、血といった要素――が次々と私の口をついて出て、それに伴って私がこの10年、他の場所で培ってきた知識の体系にするすると絡みついていった。

また読みたい、と思った。

今の私だからこそ、読むべきなのだろう、と思った。




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最近のブックオフ生活


また荒っぽく消費してますよ。



RE CHERRY COKE
RE CHERRY COKE




おおたうには前々から1冊ほしいなって思ってたんだけど、出物があったんで。

あと、彼女のだと『見た目診断』が本命。

見た目診断
見た目診断





森羅万象
森羅万象




姫神は『神々の詩』以外のも聴いてみたいなぁって思っていたんだけど、出物があったんで。

でも『神々の詩』がいちばん良いのね;



LIFE
クライズラー&カンパニー
B00005G4GJ
曲名リスト
1. アルルの女
2. ベイジン・サンライズ
3. モルダウ
4. アクアダンス
5. グリーンスリーヴス
6. 白鳥の湖
7. メリー・ウェザー
8. 上海クライマー
9. ストリーム
10. 春は曙

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『白鳥の湖』以外のも聴いてみたいなぁって思っていたんだけど、出物が(ry

デジタル慣れしきってる私には快適です。


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山田詠美『姫君』


姫君
姫君




やっば。

やばいわ。

やばい、やば好み。



こー、このサドマゾボルテージ上がってるときに読んじゃった私の負け! なんでしょうね。

他のも勿論いいけど、表題作です表題作。

支配と被支配の、瞬時で密やかだけれど確実な逆転の描き方がすごい。

私が精神の第一次成長期から追っていた、犯すことと犯されること、従わせることと従わされることの同一性が、ここまで具現化されてるなんて、エイミー様様です。



恥ずかしながら、不肖村崎、泣きました。

エンディングが哀しかったからじゃないぞ、たぶん。

「侵犯してしまったゆえの快感」の代償としての痛みが、もう、痛すぎて。

なんだかんだで結局は、彼ら2人だけのコミュニティで起こったことだっていうのが、また切ないですよね。




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『もてない男』


もてない男―恋愛論を超えて
もてない男―恋愛論を超えて




タイトルが秀逸すぎなこの本。

男友達に借りたってーのが、私の、なんてぇかトランスセクシュアルな感じが出てるエピソードでアレなんですが。

目次でまずビビらされる。

内容は、こー……もてない男性人文学者が、もてないという現象をいじいじ考察してる……みたいな感じ。

いや考察自体はちゃんと「なって」るんですが、如何せん私怨が前面に出すぎていて(意図的らしいけど)、アカデミズム! って感動はあんまなかったっす。

他人の不幸を覗き見てニヤニヤするのがお好きな方はこっそりどうぞ、って感じ。

某日吉キャンパス生は、「ホントこの男うじうじしてて嫌ぁい」って言ってましたが。笑



ぶっちゃけた話、本文より各巻末の参考図書一覧がタメになるんだよな。

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