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紫式子日記

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『サプリ 5』『サプリ 6』おかざき真里

サプリ 5 (5) (Feelコミックス) サプリ 6 (6) (Feelコミックス)


珍しくブックオフに出物があって、
フィルムも掛かってなかったから
立ち読み。

そもそも『働きマン』も
あまり好きではないが
(私はちゃんと土日休める生活がしたい)、
『サプリ』はもっと好きじゃない。

と、いうのは、
主人公のミナミが
何をも肯定していないというか、
何も主張していないと言うべきか。

『働きマン』の松方は
「仕事したなーって思って死にたい」
とちゃんと言葉に出している。

でもミナミはそういう訳じゃない。
特にこの巻では
「女の子の中にいるのが合わないから」
「男の中に混じって
 仕事するほうが楽だから」
といった台詞で
そのことが明確にされていた。

ミナミと両想いになっている
カメラマン・サハラも
ミナミと自分との共通点を
「常に溺れていて、
 しがみつけるものに
 しがみついてしまう」
と表現する。

もともとこのまんがでは
「水」に関する描写が多い。
雨による心象表現、
川による内面描写、
バスルームでのセックスシーン
なんてのもあった。

「水」は「流されるもの」の象徴。
製作者側が意図的に
それを使っているとして、
だとしたら何を肯定し、
何を表現したいのか。

『働きマン』は仕事まんがだが、
『サプリ』は恋愛まんがだと
カテゴライズした方がいい。

確かに仕事をしている
シーンもあるし、
ミナミがそれに
やりがいを持っていることも
描写されている。
現実の壁にぶちあたるところも。

しかしどうしても紙幅を
とっているのは恋愛に
まつわるシーンなり描写で、
その恋愛に関してすら
ミナミは「流されて」いる。

芯のないヒロイン。
この作品の、何かがよくて
読んでいる訳ではない。
つい読み進めてしまうのは、
自己嫌悪という形の共感からだ。

いつか『働きマン』も『サプリ』も
素直に読めるようになったら、
私も丸くなったということだろうか。

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『レッド 1』山本直樹


元々
「70年代学生運動の敗退を見た世代の
 ニヒリズムを反映した作風を持つ漫画家」
としての
山本直樹に興味があったから、
いよいよ描いてくれたか、
という気分。

『デマコーヴァ(『ラフ&レディ』に収録)』での
「美少女カニバリズム」とか、
山本直樹は人を人とも思わない
描き方をするえろまんが家で、
本人もコマのすみっこやあとがきで
「しどい(ひどい)まんが」と
自己申告してたりするんですよね。

んで、たぶん
『エロマンガ・スタディーズ』
だったと思うんですけど、
学生運動失敗を見たゆえの虚脱感が
男も女も人格を無視される、
この作風に反映されてる
みたいな論評があったんですよ。


んで、この作品。

なんか●●●山荘事件の
犯人とかガチで出てきてて、さながら
ドキュメンタリーまんがの様相。

全国数箇所で同時多発的に起こる
学生運動(終息に向かっていた)を、
それぞれ追っていく形式。

私としてはこの時代のこういう動きは
「戦後日本のトラウマ」で、
なんとなく触れちゃいけないみたいに
扱われてきて、今やっと
描けるように、読めるように
なったと思っていたのですが、
どうなのでしょうか。


とりあえず山本直樹なので
読みにくいのは仕様なのですが、
読みにくい原因はたぶん
各回でキャラクターに付く
「このとき▲歳
 ●●●山荘で逮捕されるまで
 あと■■■■日」

っていうキャプション。
あと、死ぬ順番に
キャラクターに付された番号。

でも、このすべてを数字に還元する
「しどいまんが」っぷりこそが
山本直樹、なんだよなー。

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『21世紀少年 下』浦沢直樹


終わっちゃった……(´・ω:;.:...

浦沢直樹の作品ってみんなそう、
早く結末が知りたいし
なかなか終わらないんだけど、
イザ終わっちゃうと寂しい……(´・ω:;.:...

しかも第2の「ともだち」の正体……
『MONSTER』と同じくらい
オチ心地の悪いエンディングだ……(´・ω:;.:...

あるイミ期待通りですけどねヽ(´ー`)ノ


ハナシとしては「ともだち」による
最後の大仕掛けの後始末と、
細かなエピソード
(ジジババの店での万引きなど)の
フォローや片付け、といった印象。

オチ心地こそ悪いですが、
ケンヂとユキジの関係の顛末など、
心温まる結末に仕上がっていたと思います。

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『ヴィンランド・サガ』幸村誠


『プラネテス』の人によるヴァイキングまんが。
しっかしこの先生は根性の要る作品ばっか描くね……。
設定資料とか、哲学性とか、何につけても。

「神話」ではないヴァイキング……
といったところかちら。
「たっのしいたっのしい海賊ライフ♪」
ってんじゃなくて、
当時のヨーロッパ情勢を織り交ぜながら
厳しい環境で生きていかねばならない
ヴァイキングたちの苦痛・苦闘・苦悩を描いてます。

主人公からして、いきなり父親を殺した
海賊の長に復讐するため、
正々堂々とした「勝負」の機会を
与えてもらいに一緒に行動してる……
とかそういう。

幼少期の無邪気な表情と、
父親を殺されてからの冷たい表情の
描き分けが切ないです。

あと、故郷・グリーンランドに残されてる
母ちゃん・姉ちゃんのサイドストーリーが
また泣かせる。

世界史で抜け落ち(落とされ)がちな
パートですが、これで勉強できます。
キリスト教がちょっとずつ
浸透してる様子も再現されてます。

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