2007/10/11 Category : Comics 『サプリ 5』『サプリ 6』おかざき真里 珍しくブックオフに出物があって、フィルムも掛かってなかったから立ち読み。そもそも『働きマン』もあまり好きではないが(私はちゃんと土日休める生活がしたい)、『サプリ』はもっと好きじゃない。と、いうのは、主人公のミナミが何をも肯定していないというか、何も主張していないと言うべきか。『働きマン』の松方は「仕事したなーって思って死にたい」とちゃんと言葉に出している。でもミナミはそういう訳じゃない。特にこの巻では「女の子の中にいるのが合わないから」「男の中に混じって 仕事するほうが楽だから」といった台詞でそのことが明確にされていた。ミナミと両想いになっているカメラマン・サハラもミナミと自分との共通点を「常に溺れていて、 しがみつけるものに しがみついてしまう」と表現する。もともとこのまんがでは「水」に関する描写が多い。雨による心象表現、川による内面描写、バスルームでのセックスシーンなんてのもあった。「水」は「流されるもの」の象徴。製作者側が意図的にそれを使っているとして、だとしたら何を肯定し、何を表現したいのか。『働きマン』は仕事まんがだが、『サプリ』は恋愛まんがだとカテゴライズした方がいい。確かに仕事をしているシーンもあるし、ミナミがそれにやりがいを持っていることも描写されている。現実の壁にぶちあたるところも。しかしどうしても紙幅をとっているのは恋愛にまつわるシーンなり描写で、その恋愛に関してすらミナミは「流されて」いる。芯のないヒロイン。この作品の、何かがよくて読んでいる訳ではない。つい読み進めてしまうのは、自己嫌悪という形の共感からだ。いつか『働きマン』も『サプリ』も素直に読めるようになったら、私も丸くなったということだろうか。 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword