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紫式子日記

メインが耽美系アート・映画・絵画から、文房具・ライフハックに移行しています。だいぶ世俗化しました……。
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リメイクは「邪道」か


ここに公開しようか否か悩んだが、敢えて書く。



私は80年代生まれにしては手塚治虫に詳しい方だから、身の回りにも自ずと手塚ファンが多い。

で、そのうちの1人に

「浦沢直樹の『PLUTO』ってさぁ……」

と話しかけたら、

「あんなん邪道だろ!」

と、すっげぇ恐い貌をされた経験がある。



PLUTO (1)
PLUTO (1)



お読みになっている方も少なくないだろうが、『PLUTO』ははっきり言って面白い。

浦沢直樹は今最も脂がのっているまんが家と言って差し支えないと思うのだが、『PLUTO』は彼の作品の中でもひょっとしたらいちばん位に面白いんではないだろうか。ってな位、面白い。

だけれど、前述の彼は、「邪道だから」というだけの理由で、この名作を当分読まず仕舞なんだろうなぁ、と思うのである。



そんな経験があって、先だって書いた『BLACK JACK NEO』のレビューにも邪道と呼ばれるんであろうことを含めておいたのだが、見事に「邪道」説寄りの方からのコメントをいただいた。





どうして彼らはこんなにも、手塚治虫作品がリメイク/アレンジされることを嫌うのか。


拍手[0回]

手塚治虫の「神性」が侵されることを嫌うから、

なんて抽象的な言い方をしても良いけれど、察するに



「アレンジ作品が面白かったら、手塚治虫の原作がつまらないということになってしまう」



という心理があるんではなかろうか。

私だってこんなこと、根拠無く言っている訳ではない。

私にもそういうところが無いではないので、何となくわかるのだ。





しかし勿論そんなのはナンセンスであり、アレンジ作品が面白くったって手塚作品がつまらないということにはならない

と共に、手塚作品が面白いのは決してアレンジ作品をおとしめる理由にはならないはずなのだ。





田中圭一というまんが家がいる。

『神罰』というのが出世作だ。


神罰―田中圭一最低漫画全集
神罰―田中圭一最低漫画全集



ひと頃話題になったので、ご存知の方も多いかもしれない。

このまんが家、画風模写がものすごく上手く、まことバチ当たりなことに手塚治虫そっくり! のタッチで、酷すぎるシモネタを描くのだ。

いゃ酷いなんて言葉じゃ足りないくらい、ホントに酷いんだけどね。まぁ読めよお前ら。私は好きだよ。あぁ、大好きさ!!(・・・)



しかしそんなバチ当たりな田中圭一も、あとがきにこんな言葉を寄せている。

「厚かましいようですが、盗人猛々しいかもしれませんが、根底に『情熱』と『リスペクト』がなければ『ものまね』はできません。

 『おちょくってやろう』などという安易な気持ちでは、ここまでたどり着けなかったと思うのです。」


この言葉こそ、手塚作品に限らず、名作とされているものをリメイクする芸術家たちの心理を的確に言いえていると思う。




田口雅之の単行本とはまた別に、『ブラック・ジャック スペシャル 23人のBJイッキ読み!!』という、ヤングチャンピオンの増刊がある。

題名の通り、23人のまんが家が、『ブラック・ジャック』のアレンジ/リメイク作品を寄せているのだが、どれも手塚治虫への敬愛、B.J.への愛着、そんなものを感じさせてくれる。

それは折を見て描きこまれるヒョウタンツギに、不意を突いて登場するランプやハムエッグといった名脇役たちに、溢れんばかりに込められている。





「邪道」という言葉を使う彼らは、あるいは手塚治虫を商業作戦として用いる出版社のやり方に反発を抱いているのかもしれない。

そういう側面も確かにあろう。

だが、そのオファーを受けるまんが家たちには、そのオファーを受けるだけの手塚治虫への「愛」があることも、認めてほしいと思うのだ。





手塚治虫の原作が面白いからそういうリメイク/アレンジ作品も作られるわけであって、その事態こそが手塚作品を尊んでいると、私などは考えるのだが。



自分の敬愛する手塚先生の名作をリメイクなりアレンジなりする訳だから、作家にもそれ相応の覚悟なり自信なりがあるはずであるし。

それを見落として頭ごなしに「冒涜」と言い放つのは、彼らに対する不敬なのではないかと。

(ちなみに、冒涜もそれはそれで対象の神性を認めたうえで為されるのだから、神性への強い肯定だと考えることも出来る。)



もちろんリメイク/アレンジ作品には、つまらないものも多い。

だがそのことは手塚作品をリメイク/アレンジすることの是非の根拠とはならないであろう。



是が非でも、とまでは言わないが、しかし機会があったら上述したような作品をご覧になり、現代の作家たちが「神性」に挑む様を、そして死後も広がり続ける手塚ワールドをお認め頂きたい。

とりあえず田口版B.J.はイケメンだ。



BLACK JACK NEO 1 (1)
BLACK JACK NEO 1 (1)

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なんか王道はずれてるのが好き。
テーマにまとまり無くてすみません。
残念ながらこれが私です。

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