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紫式子日記

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おかざき真里先生の『阿・吽』を読んで・雑感

おかざき真里 監修・協力/阿吽社
「阿・吽」 | ビッグコミックBROS.NET

最初に断っておくと、私はおかざき真里先生の作品は『サプリ』を何年も前(連載当時)に途中まで読んだっきりで、『阿・吽』もまだ途中までしか読んでないので、ちゃんとした感想とか分析とかでは全然なくて、本当に雑感なのですけれども、どこかに書きつけておきたくて、ここに書きます。
(実を言うと、これを書く場所がほしくて、このブログを再開したというのもあります)

『サプリ』と同じ時期、安野モヨコ先生の『働きマン』という漫画も雑誌連載されていました。
どちらも「ハードな(広義の)マスコミ業界で働く女性の漫画」ということで、並列して扱われることが多かったように思いますが、両者のアプローチはかなり違ったものでした。
『サプリ』はタイトル通り働く女性のサプリメント、『働きマン』はカンフル剤、のような対比的な比喩も目にした記憶がありますし、表紙イラストひとつ取ってもその方向性の違いは一目瞭然かと。

ストイックなまでに「ハードさの正体」「働くことの業」をきっちり言語化してた『働きマン』に対し、『サプリ』は見開きページをぶち抜いての心象風景、情景描写が多用されていました。
(この違いは、『働きマン』は青年誌(モーニング)掲載、『サプリ』は女性誌(フィールヤング)掲載だったという、連載媒体の性質の差にもよるものだったのだと思いますが)
『サプリ』では主人公(広告プランナー)がアイディアを形にしていく様子なども視覚的に描かれていて、失礼な言い方ですが、私は自分の中でおかざき先生を「雰囲気漫画の人」としてカテゴライズしていました。

そしてやっと『阿・吽』の話になるのですけれども……(長かったね前置き)
仏教の宗派、天台宗と真言宗をそれぞれ開いた最澄・空海、2人の物語です。
テーマが仏教なので「文字情報」や「概念」が主要なモチーフとして登場するのですけど、それらが、私が「雰囲気漫画」だと見なしていた、ビジュアル化の手法で表現されているんです。
頭の中や心の中で繰り広げられるものなので、視覚化と相性が良いのですよね。
おかざき先生はこの方向のアプローチを突き詰めていって、そこにフィールドを切り拓いたんだな……と自分の浅見を恥じた次第です。

ここからは余談ですが
私、詳しくはないのですが真言密教が好きでw、高野山の自然のエネルギーがみなぎるような雰囲気も好きでして、にうつ様が空海に高野山を託すシーンにはうるっと来ました。
萌え的な意味でも空海とにうつ様が好きです。セフレ関係であってほしい(俗物)。

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