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紫式子日記

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清水真理・人形展「片足のマリア〜Strange Angels Garden〜」@parabolica-bis



自分も異変なんだと思います。……(中略)……
わたしはやっぱり作家仲間が多いから、話してて思うんですよね、
「わたしもあなたもナチス・ドイツの時代に生まれてたら
 ガス室で死んでたかもね」(笑)。
(『夜想#モンスター&フリークス』P52より抜粋、以下断り無ければ同出典)


フリークス(畸形)をテーマにした
清水真理さんの新作人形個展、行ってまいりました。
浅草橋★「パラボリカ・ビス」にて。



清水さんの作られたお人形はとても多いので、
一概には言えないのですが、私の中ではなんとなく
「捉えどころのない表情」
「虚空を見つめるような表情」
のお人形が多い印象なのですよね、たぶん
『アリスが落ちた穴の中』で使われていた
アリス人形のイメージが強いのですが。

と、そんな思い込み?を抱いていたところに
今回の作品を見て真っ先に思ったことは、
「かわいい……!!!」



表情がどことなくあどけなくないですか?
脚の数が4本だったり、膝の関節が後ろ前逆に付いていたり、
ふたごの身体がくっついていたりと、
グロテスク(grotesque、異形)ではありますが。



やさしさ。愛情。

清水さんは、雑誌『夜想』のモンスター&フリークス特集号で
インタビューに対し、フリークスへの親近感を語っています。
ナチスドイツで畸形の人々や精神薄弱と判断された人々が
大量殺戮されたことを受けている冒頭の引用は、以下のように続きます。
そう思うと、私にとっては畸形は隣人みたいなものなんです。
すごく同じだという感覚があって他人じゃない、
たぶん心のどこかでお友達。
(P52)


自分が畸形であったなら、このような人形を作る側にはなれないだろうという
断りをした上で、以下のようにもおっしゃっています。

ただ、作家である人とか作家の人たちが抱えているメンタリティって
絶対マイノリティだと思うんですよ。
社会は大多数とか強いものにどんどん動いていってしまうので、
やっぱりマイノリティであるものの存在を消したくない、っていうのが
わたしの中にあります。
もうそれだけですよ、そういう人形を作りたいという理由は。
(P53)


このインタビューを読んだとき、代弁してもらったような気持ちになりました。
私も、人生を通じてマジョリティであったことがないから(笑)。
「オリジナル」であることは誇りであると同時に不安です。
「均質さ」(もっと具体的に言うと、均質な労働力ね)を求める
現代社会に適合できていない、とも言えるから。



戦友、なんだと思います。
清水さんの中では、フリークスが。
違う場所で同じ戦いをする戦友。
直接ことばは交わさないけれど、いつも気に掛けて見守っている友人。



四肢が揃っていても、そういう心情を抱えている人はきっと一定数存在するし、
こういった耽美的なもの、異形のものを愛好する人たちは特にその傾向が強いと思います。
私もまた。

この人形たちには、清水さんの愛のまなざしがこもっています。
そのまなざしはそのまま、精神的フリークスである私たちをも、
見つめて、優しく抱き寄せてくれています。

私が「オリジナル」であることの不安を
こうやって吐露したのって、初めてじゃないかな。
そうすることの勇気をくれる人形展でしたってことが伝われば。

清水さん、すてきな作品をありがとうございました。
今日はいちファンとして(笑)、一筆啓上させていただきました。

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