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紫式子日記

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「荒ぶる神々の黄昏/なにものかへのレクイエム・其の弐」森村泰昌

シュウゴアーツWebサイト

森村泰昌さんの新作展です。


自分の作品を「愛だ」と言い続けてきた森村氏。
今回「愛のまなざし」を注がれたのは
チェ・ゲバラ、毛沢東、アインシュタインなど
「20世紀に活躍したけれど、
 なんらかの理由で浮かばれなかった人」。


女優のように「美しいもの」として
「観賞」されることはありませんが、
彼らの顔もまた、何らかのレッテルを
重ね貼りされながら「見られて」きました。
その中に潜り込んで、彼らがいかに
「見られて」きたかを追体験すること。

恐らく、世間の風評は厳しかったと思います。
その辛さを、彼らの身になって理解すること、
それが森村氏が21世紀のためにやりたいと
述べる「地鎮祭」なのではないか……


というようなことを、先日再提出した
卒論に書きました、ワタクシ(;._.)
何度メール送っても教授が返事
くれないのだが。怒らせたか?



森村氏のスタンスとしてはそんな風に
解釈しているのですけれど、
展示に関しては、
「ちょっと喋りすぎかな?」
と思った。

今回、写真だけでなく
動画作品が2つも(!)あります。

『独裁者を笑え』と題された方は、
(チャップリン演じる)ヒットラーに
扮した森村氏が、演説を打つというもの。

最初はなんとなくドイツ語ぽく
聞こえるのですが、よくよく聞くと
大阪弁のダジャレです。

それだけなら諧謔的で
小気味よかったのですが、
後半は英語でのスピーチ。

「ヒトラー亡き今、独裁者はどこだ?
 現代ではひとつの国家、企業、流行が
 独裁者になりうる」
「私たちは独裁者だとは言えないだろうか?
 空調の効いた部屋で、インターネットを
 便利に利用している我々は?」


といった内容で、どきりとさせられるのですが、
いかんせん説教くさい。
もちょっとスマートにならんかったんかな。
あるいはこれだけストレートに言う暑苦しさが、
「なにものかへのレクイエム」らしさなんかな。


レーニンに扮した動画
『夜のウラジーミル』は好きでした。
最初にホームレスのおじさんの
「日本橋でね、寝てるの。
 いい暮らししてないんだよ、我々は」

っていうセリフから入って、
《労働者に向けての》演説に
入っていったのがよかった。
演説の内容もよかった。

於シュウゴアーツ、
2007年12月22日(土)~ 2008年2月16日(土)
12:00-19:00 日・月曜日、祝日休廊

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