2008/01/11 Category : Art 「荒ぶる神々の黄昏/なにものかへのレクイエム・其の弐」森村泰昌 ★シュウゴアーツWebサイト森村泰昌さんの新作展です。自分の作品を「愛だ」と言い続けてきた森村氏。今回「愛のまなざし」を注がれたのはチェ・ゲバラ、毛沢東、アインシュタインなど「20世紀に活躍したけれど、 なんらかの理由で浮かばれなかった人」。女優のように「美しいもの」として「観賞」されることはありませんが、彼らの顔もまた、何らかのレッテルを重ね貼りされながら「見られて」きました。その中に潜り込んで、彼らがいかに「見られて」きたかを追体験すること。恐らく、世間の風評は厳しかったと思います。その辛さを、彼らの身になって理解すること、それが森村氏が21世紀のためにやりたいと述べる「地鎮祭」なのではないか……というようなことを、先日再提出した卒論に書きました、ワタクシ(;._.)何度メール送っても教授が返事くれないのだが。怒らせたか?森村氏のスタンスとしてはそんな風に解釈しているのですけれど、展示に関しては、「ちょっと喋りすぎかな?」と思った。 今回、写真だけでなく動画作品が2つも(!)あります。『独裁者を笑え』と題された方は、(チャップリン演じる)ヒットラーに扮した森村氏が、演説を打つというもの。最初はなんとなくドイツ語ぽく聞こえるのですが、よくよく聞くと大阪弁のダジャレです。それだけなら諧謔的で小気味よかったのですが、後半は英語でのスピーチ。「ヒトラー亡き今、独裁者はどこだ? 現代ではひとつの国家、企業、流行が 独裁者になりうる」「私たちは独裁者だとは言えないだろうか? 空調の効いた部屋で、インターネットを 便利に利用している我々は?」といった内容で、どきりとさせられるのですが、いかんせん説教くさい。もちょっとスマートにならんかったんかな。あるいはこれだけストレートに言う暑苦しさが、「なにものかへのレクイエム」らしさなんかな。レーニンに扮した動画『夜のウラジーミル』は好きでした。最初にホームレスのおじさんの「日本橋でね、寝てるの。 いい暮らししてないんだよ、我々は」っていうセリフから入って、《労働者に向けての》演説に入っていったのがよかった。演説の内容もよかった。於シュウゴアーツ、2007年12月22日(土)~ 2008年2月16日(土)12:00-19:00 日・月曜日、祝日休廊 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword