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紫式子日記

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「アートで候 会田誠・山口晃 展」


「アートで候 会田誠・山口晃 展」@上野の森美術館



もっとも注目される現代/日本/芸術家の双頭、

会田誠×山口晃展に行ってきましたよ。



「和」テイストを多様すること、

精緻な技術、

あとイケメンなところ等、

共通項も多い2人ですが、

会田誠はグロ!

山口晃はコミカル!

というのが、大きく違う点だと思っておりました。



ただ、この展示では

「会田誠のコミカルなところ」

「山口晃の毒っ気のあるところ」

も見れて、

「ひとつぶで4度くらいおいしい」

内容になっています。





印象深かった作品……




○会田誠「大山椒魚」

代表作なのですが、実物めっさ大きいんですね。

墨色の感じとか、「きれい」だと思いました。

でも、山椒魚の背中の筋はエロいよね。



○会田誠「風景の光学的記録におけるイコン化の確率に関する研究」

なんか、ビデオ片手に新幹線に載って、

コマ送りにしたものを現像して、

その中に「日本の風景」を写した静止画として

レベルが高いものは何%あるか
、みたいなのを、

夏休みの自由研究風にやっているんです。

「目的」「方法」「考察」「まとめ」とちゃんと分かれて

模造紙に書かれていて、子供ができたら

自由研究のお手本にしたい感じ。

あと、大事なのは「考察」で、会田誠が

自らの美意識や、受けてきた美術教育への

憎悪を吐露しているところが興味深い。



○山口晃「四天王立像」

四天王がね、女性として描かれているんですよ。

非常に美しいんですけれども。

顔の造詣も、ペインティングとしてもね。

ただ、やはり興味をそそられたのは、

そのジェンダー規範。

山口晃は、会田誠みたいに

自ら女装したりはしないけれども

(会田が女装したセルフポートレイトも展示されている)

やはり美=女性性、っていうアタマが、

われわれには染み付いているのかなぁ、なんて。

あるいは、男性像として描写されがちな仏像を

女性的に描写することによる、

中性性(とそのエロティックさ)への志向か。

現代×古(いにしえ)、和×洋を見事にミックスする

山愚痴晃氏ですから、そっちのが「ぽい」な。



○山口晃「澱エンナーレ」

「トリエンナーレ」をもじって、

12人の新鋭作家(でも全員「山口晃」)

実験的な作品を展示しています。

面白かったのは、学生と協働で

黒い紙の上に敷いた白い紙に、

水をふくませた筆で絵を描いたビデオ。

すると下の黒が透けて、

薄墨で絵を描いたみたいになりますよね。

でも、水だから、時間が経つと乾いて消えちゃうんです。

なんか

「アートは消え物」

「今は代表的だけれども、いずれはうたかた」


みたいなメッセージを感じてしまったのですが、

勘ぐりすぎですかね。

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