2007/06/07 Category : Art 「アートで候 会田誠・山口晃 展」 「アートで候 会田誠・山口晃 展」@上野の森美術館もっとも注目される現代/日本/芸術家の双頭、会田誠×山口晃展に行ってきましたよ。「和」テイストを多様すること、精緻な技術、あとイケメンなところ等、共通項も多い2人ですが、会田誠はグロ!山口晃はコミカル!というのが、大きく違う点だと思っておりました。ただ、この展示では「会田誠のコミカルなところ」「山口晃の毒っ気のあるところ」も見れて、「ひとつぶで4度くらいおいしい」内容になっています。印象深かった作品…… ○会田誠「大山椒魚」代表作なのですが、実物めっさ大きいんですね。墨色の感じとか、「きれい」だと思いました。でも、山椒魚の背中の筋はエロいよね。○会田誠「風景の光学的記録におけるイコン化の確率に関する研究」なんか、ビデオ片手に新幹線に載って、コマ送りにしたものを現像して、その中に「日本の風景」を写した静止画としてレベルが高いものは何%あるか、みたいなのを、夏休みの自由研究風にやっているんです。「目的」「方法」「考察」「まとめ」とちゃんと分かれて模造紙に書かれていて、子供ができたら自由研究のお手本にしたい感じ。あと、大事なのは「考察」で、会田誠が自らの美意識や、受けてきた美術教育への憎悪を吐露しているところが興味深い。○山口晃「四天王立像」四天王がね、女性として描かれているんですよ。非常に美しいんですけれども。顔の造詣も、ペインティングとしてもね。ただ、やはり興味をそそられたのは、そのジェンダー規範。山口晃は、会田誠みたいに自ら女装したりはしないけれども(会田が女装したセルフポートレイトも展示されている)やはり美=女性性、っていうアタマが、われわれには染み付いているのかなぁ、なんて。あるいは、男性像として描写されがちな仏像を女性的に描写することによる、中性性(とそのエロティックさ)への志向か。現代×古(いにしえ)、和×洋を見事にミックスする山愚痴晃氏ですから、そっちのが「ぽい」な。○山口晃「澱エンナーレ」「トリエンナーレ」をもじって、12人の新鋭作家(でも全員「山口晃」)が実験的な作品を展示しています。面白かったのは、学生と協働で黒い紙の上に敷いた白い紙に、水をふくませた筆で絵を描いたビデオ。すると下の黒が透けて、薄墨で絵を描いたみたいになりますよね。でも、水だから、時間が経つと乾いて消えちゃうんです。なんか「アートは消え物」「今は代表的だけれども、いずれはうたかた」みたいなメッセージを感じてしまったのですが、勘ぐりすぎですかね。 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword