2007/06/04 Category : Movies 映画『ノートルダムのせむし男』 ノートルダムのせむし男前、別バージョンは観たのだけど、どうやらこれがいちばん代表的な作品らすぃ。ウィリアム・ディターレ監督、トーマス・ミッチェル, セドリック・ハードウィック出演の、1939年制作版。もう、他の2バージョンは何だったの!?ってくらい面白かった。BGMよし、カメラワークよし、編集よし。原作のディテールを損ねず、しかし冗長になっていない。おまけに、当時の発明品である「印刷機」がたびたび登場し、「印刷物の広まりによる民衆の啓蒙」が輻輳的テーマとして描かれます。1923年版でも「民衆の蜂起」みたいな描かれ方はしていたけど、「武力ではなく、思想を以ての革命」みたいなのが強調されてますね、こちらは。ノートル・ダムをはじめとするゴシック大聖堂は、聖書を読めない民衆に、神の世界の素晴らしさを見せる、当時の情報メディアでした。それが、印刷機の登場によって、メディアとしての役割を失った。そういった歴史的背景までもが、巧みに描きこまれています。(その辺のことも『ゴシックとは何か』に詳しい。)あとアレね、ネズミー版カジモドの意匠は、たぶんこの1939年版を基にしているのね。 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword