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紫式子日記

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『空中庭園』


空中庭園 通常版
空中庭園 通常版


こちらも早稲田松竹にて。

原作は読んであったのですが、ほとんど別の作品! ってくらい、監督独自の解釈が加えられていました。

それがまた上手いんだ。

原作も良かったけれど、こっちもこっちで好き。好き好き。



カメラワークで、まず掴まれた。

ぐらんぐらん、ブランコのように左右に揺れる撮り方が最初から最後まで絶妙の使われ方をする。

酔いそうなんだけれど、それが「不安定な家族」をテーマにしたストーリーにぴったり合っている。



そして、原作にはない「空中庭園」のモチーフが増やされ、作品全体の統一感が出されている。

絵里子がマンションのベランダで育てる植物は、原作で描写されているよりずっと豪華で、まさに「空中庭園」。

食卓のランプシェードもバビロンの空中庭園を描いたものだし(あんなんどこで調達したんだろう)、娘のマナとホテルに同行する男の腹にはバベルの塔の刺青が入っている。



「繰り返し、やり直し……」

というおばあちゃん・サッちゃんのセリフから始まる「再生」も、映画オリジナルのテーマ。

これに「バベル男」の

「人間は血まみれで産まれてくるんだよ。泣きながら」

とが重なって、絵里子の生まれなおし、ひいては家族のやり直し……とつながっていくんですけれどね。

いゃー、上手かったです。

映画ってこういう風に作るんだね。



とはいえ、通底するコメディタッチ不気味さ・居心地の悪さは原作の通り。

「これ、学芸祭なんだー……」

などの名ゼリフも、そのまま活かされています。



おしなべて小説が原作の映画は、原作を上回れないものですが、これが私にとって最初の「例外」になりました。

監督クスリやっちゃったんだって? もったいないねー


空中庭園 特別初回限定版
空中庭園 特別初回限定版




空中庭園
空中庭園

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