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紫式子日記

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虫プロダクション『アニメラマ3部作』@ポレポレ東中野




30年ぶりの劇場公開だそうです、虫プロダクション制作「大人のためのアニメ」『アニメラマ3部作』

キャッチコピーは「親子で見れない手塚アニメ」、ポレポレ東中野にて。

ファミポートで前売三回券を買えば、3600円=1本1200円で観れます。

私はソレ買って昨日観てきました、イッキに3本



13:00〜「哀しみのベラドンナ」から始まるコースで観たのですが……。

コレ最後にまわせばよかったorz



あの、ライトな話からさせてもらえば、えぇ、すばらしいんですよ。

技術うんぬん、動画うんぬんじゃなくて、作り手が芸術性に気合入れてるってのがよくわかる。

メッセージ性も強い。



『千夜一夜物語』


「富も名誉もむなしい」

っていう古今東西語られてきた

(だけどいまの日本じゃハナで笑われそうな)

テーゼを、あくまでポジティブに! あくまでハッピーに伝えなおしてくれます。

ギャグのタイミングとか配分も、手塚先生のマンガみたい。

あの明るさってのは何なんだろうと思うと、

やっぱり主人公のアルディンが

「死んだら何にもならねーさっ」

ってスタンスで、しぶとく生きてるところなんでしょうね。

とちゅうの「土壁をホネを杭替わりによじのぼる」ところなんか、『火の鳥 黎明篇』のラスト、タケルが穴を出るシーンとかぶってより強烈な印象。



『クレオパトラ』はSFと大河とオチャラケが混ざっていて、100%マジメに観てはいけない。

と思う。

でもラストの

「ローマ人はエジプトから出てけー!」

って叫びは、SF舞台で異星人を侵略しようとしてる地球人の内部告発になってて、油断ができない。」あとキャラクターデザインはあの小島功先生なので、女性キャラの横顔が『ヒゲとボイン』です。

わかんない人は黄桜カッパ想像してね。



んで、『哀しみのベラドンナ』ですが……。


いえね、『千夜一夜物語』も『クレオパトラ』も、濡れ場はあるの。

どうもこの『アニメラマ3部作』ってのは、3つとおして

「アニメーションによる濡れ場の描写は、どれほどのバリエーションを持ちうるか?」

ってのを試みてるようなフシがあるんだけど、

「暗エロ」なんですよ、『哀しみのベラドンナ』は。

私も「暗エロ」好きなんですけど、その私が重いと思うほど、暗い。



開始5分? くらいでイキナリ強姦シーンです。

しかも輪姦です。

んでその後も、実はストーリーの進行にかかわる部分はわずかで、

濡れ場の描写にすっごいジカン割いてます。

そして(手塚マンガの濡れ場描写を想像していただきたいのですけれど)、

「得体のしれない物体」と交合しているような描き方なのですよね。

生身の男よりよっぽどグロい物体が、美しい主人公の肉体をさいなむのですよ。

特に冒頭の輪姦シーンは、「物体」の脈打ち方がヤバい、ヤバい生々しい。

男根にしか見えない「悪魔」の造形もアレだし、おまけにストーリーは救いがないし、

んで主人公のジャンヌってのがまた宇野亜喜良が描いたみたいな薄幸そう〜なイジメたくなるタイプの美女で、

タレ目とかふしだらなくちびるとかいちいちいちいちえっちで、

ものごっそやぁらかそうでエロぉ〜いカラダしてるんだ。



おまけに男からも社会からも虐げられた結果が、このジャンヌに破滅の選択をさせたってンで、

オチが

「フランス革命で先頭に立ったのは女たちであった」

わぁうっそ、そーいうことだったの!? そこまで言うの!??



あと忘れちゃいけないんだけど、映像はあくまでキレイ。

「怒り・憎しみ・恨みが醜いものだと誰が決めた?」

っていう悪魔のセリフがあるんですけど、ひょっとしたらコレが裏テーマなんじゃないかってくらい、そんなに不幸なシーンでもキレイ。

絵の作り方も他の2作とはちがって、水彩画を静止させたものがメインなんですよ。

だから「オトナの紙芝居」みたいなおもむきもある。



コレをいちばん最初に観たばっかりに、せっかく楽しい『千夜一夜物語』も『クレオパトラ』も心から楽しめなかったってゆー……。



まぁだから、いちばん見ごたえあったのも『ベラドンナ』なんですけどね、実は。

14日に志麻子ちゃんがトークショーやるっていうからまた観に行こうかなぁ

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