2005/08/05 Category : Comics 『西荻夫婦』やまだないと 西荻夫婦やまだないとは、ブレたような線がずっと好きになれなかったのだけれど、KIMONO姫に連載?されているまんが「メロリヒメ」に好感が持てて、試しに立ち読みして良い感じだったこの作品を購入。西荻窪に住む漫画家のナイトーくんと、会社勤めのミーちゃん夫婦(おそらくやまだないと夫妻がモデルと思われる)。そして古き良き「ご近所どうしの交流」が残る町で過ぎていく日常。ただしミーちゃんはたまに世界の終わりを想像して泣くのが趣味。常に"終わり"の感覚を抱え、何気ない日常生活にも透明な不穏さが影を落とします。でも、それは決して汚らしいものではなく、風景の色彩がより鮮明になるフィルター。そんな風にして過ぎていく、夫婦生活が静かに、静かに描かれていきます。私、西荻窪に住むはずだったんですよ。知り合いの家があって、下宿する予定だったんですね。結局その話は流れてしまったのですが、受験期はそのお宅にお世話になったため、私には数週間西荻で生活した経験があるんです。このまんがに西荻の風景写真がところどころ使われていて、「あぁ、此処此処」って気分になってました。そして何より内容のリアルな哀しさ、静けさ。「一人になると二人を感じる よかった まだ わたしたちは他人だ…」「明日が来なくても まあ もう充分ってカンジかなー 恋愛じゃないからね」「わたしの中に"終わり"の感覚がある わたしたちはよりそって歩いている だけど明日は会えないことを知っている そんな場所を歩いてる……気分に襲われる」 今、(いちおう)好きな人がいる。都合さえ合えば、かなり長い時間一緒に過ごしている。だけれど特に約束も期待もしていない。"終わり"があることを意識している。そんな時だからこそ、手に取ってしまったのかもしれない一冊。KIMONO姫―アンティーク&チープに (4)ちなみに、メロリヒメことメロリちゃんのお友達も「ナイトーくん」。 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword