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紫式子日記

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泉鏡花ー。

皆びとにおいては三箇日が最終日、一月三日、如何過ごしけん。

何らも気に留めず稼ぎける村崎式子なるかな。

本をば読める類の仕事なれば、『日本語はいかにつくられたか?』読み終えつ。

古文をば教うる際の話の種にせんとぞする魂胆露骨なり。

されどかようの目的なければかようなる本読まじ。
前置きの長くなりたるが、そが書の後書きに泉鏡花『勺薬の花』よりの引用ありき。

すさまじきまでに甘美なる文体にして、我が心うち震えき。

思い立ちたるが吉日と、帰途において某古書店に立ち寄り、角川の出したる『高野聖』買いき。

只今「義血侠血」読み果てつ。

あなや、恍惚と官能の文学なるを読むや!



以上、浪漫主義的文語体のパクリでした。

疲れたのでここからは言文一致体で行きます。

漱石先生ありがとう。



いゃー、すごいわ、泉鏡花。

濡れ場描いてるわけでもないのに文体がヘンになまめかしい。

文体が流麗で華やか。

でね、地の文は文語体なのに、人物の台詞は口語体なの。

その併用がまた、それぞれの良さを際立たせてて、良いんですよねぇ。

リズムの良さは古文譲りだろうな。

アマゾンのレビューにも似たようなこと書いてあったけど、「声に出して読みたい日本語」ですね。

講談聞いてる気分でガーッて一気に読み通しちゃいましたよ。

翻訳された戯曲に近い調子があるかも。

『サロメ』思い出した。



ストーリーは陳腐ですがね。

森鴎外の『舞姫』もストーリー自体はアレな感じだったしねぇ。

これが浪漫主義ってやつなのかしらん。

いやしかしそれを補って余りある文体の美しさ。

文章が(そこに描かれているものの力を借りることなく)それ自体で美しく在るっていう状態、久しぶりに拝んだ気がするわ。

やっぱ文豪? 大物? は違いますねぇ。

時の洗礼を受けて猶生き延びる「名作」の強さ。

感服です。

漱石や芥川も面倒がらずもうちょっと読もう。

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