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紫式子日記

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『性的人間』大江健三郎



みんな自意識過剰。
みんな中二病。


でも、何なのだろう、この
慣れ親しんだ負の感情は……。



3篇の中篇。

どれも、
プロットはいまいちな気がします。
なんだかぜんぶ頭の中。勝手に思いつめてる独白。
被害妄想とか、「共同生活」なんかそのものずばりだし。


ただ、なんだろう……。

大抵の人が程度の差こそあれ持っている、
「自分は特別だ」というような意識。

そこに特化して描いているから、
自分の醜いところを誇張して写す鏡を
押し付けられてるような気分になるんだと思う。


「性的人間」にちなんで喩えれば、
電車の中で違反行為してる人を
眉をひそめて見て、だけど別に
通報したりはしない……
みたいな。
そんな読後感。

それを後ろめたく感じるのと、
「ほんとムカつく奴だったな~」って
空しく憤るのとの比率は人それぞれだろうけど。


ところで「セヴンティーン」は
題材といい中二病具合といい
三島の「奔馬」に似ていて興味深いですね。
なんか比較したレポート、ありそう。

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