忍者ブログ

紫式子日記

Home > ブログ > > [PR] Home > ブログ > Books > 『人質カノン』宮部みゆき

『人質カノン』宮部みゆき



題名から勝手に誘拐モノの
ミステリだと思っていたのだが、
短編集でありました。

この人のって『火車』しか
読んだことないのですが、

すごく……「業」というか、
人間のもろさ・弱さ、
怨念みたいなものを書くのが
上手いなー、という印象が。


この本は短編ということもあり、
『火車』みたいに物事が
オオゴトにはなっていかないのですが、
『火車』が起こった背景といいますか……。

どの話にも、都市生活者の孤独や
孤立
が核としてあります。

それが決して個人的な問題に留まらず、
地域のコミュニケーションがあれば
防げたかもしれない犯罪、なんてのも
題材になっています。

なぜ、宮部みゆきはミステリ作家に
なろうと思ったのか。

それが窺えるような短編集です。

これを「防犯のために
地域コミュニティを再生」なんて
スローガンに使われたら、
それはそれでシラけるのですが。

拍手[0回]

PR

Comment0 Comment

Comment Form

  • お名前name
  • タイトルtitle
  • メールアドレスmail address
  • URLurl
  • コメントcomment
  • パスワードpassword

PAGE TOP