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紫式子日記

メインが耽美系アート・映画・絵画から、文房具・ライフハックに移行しています。だいぶ世俗化しました……。
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「魔女の秘密展」~メディア革命が加速させた魔女狩り~



魔女の秘密展 Secret Witches Exhibition

久しぶりの展覧会レビューです。
実は展覧会はブログに書いてない間も
何回か行っているのですけれども……。
久しぶりにものすごぉぉぉぉく
刺激を受けた展覧会だったので、
思わずキーボードを叩いております。




展示の主軸は魔女狩りの歴史。

魔女狩りが行われるようになる前の
人々の魔女・魔術との関わり方、
魔女狩りが行われるようになった
社会的背景、魔女狩りに関する資料。

そして、おまけのような感じで、
魔女狩りが衰退した後~現在の
「魔女像」に関する展示があります。



私がギクッとなったのは、
人々を魔女狩りに駆り立てた一因として
「メディア革命」が挙げられていたこと。

「15世紀にグーテンベルクが活版印刷術を発明」
というのは、世界史の教科書で
誰もが目にしたことがあると思います。

そしてセットで「ルターが訳した
ドイツ語聖書が多くの人びとに行きわたり
宗教改革に発展した」というのも
教わったのではないでしょうか。

そのような形で活版印刷術がヨーロッパの
近代化の一助となったのも確かです。

ですが一方で、神学者・法律家たちが記した
「天候不良の原因は魔女の魔術」
「こんな女は魔女である」という誤った
「魔女論」の印刷物も同様に拡散していきました。

この時代、道路が整備され、印刷物の流通が
スムーズになったことも、情報の伝播・
拡散の加速に拍車をかけました。

「こんな女は魔女」という「情報」を
地方の人々も手にできるようになり、
「うちの村にも条件に当てはまる女
=魔女がいる」という通報が
全国各地でなされるようになります。
結果として、魔女狩りの被害者が増えました。

展示された活版印刷機と散らばるビラを前に、
Twitterで一瞬にしてデマが拡がることや、
放射能汚染に関する風評被害のことを
連想せざるをえませんでした。

時代が変わり、情報メディアが変わっても、
人間の「弱さ」「怯え方」は変わらない。
しかも現代は当時に比べて格段に
情報伝達の速度が上がっている。
さらに、特定の権威的存在だけでなく、
個人が情報を発信できるようになっている。

それは恩恵に違いないけど、同時に恐ろしい
道具を手にしていることでもあるのだ、と
うすら寒い気持ちになりました。



展示内容も全体として「生々しさ」を
感じさせることを重視していたように思えます。

展示内にディスプレイが設置され、
魔女と疑われて逮捕・拷問された女性や、
被告人を理不尽に追いつめる異端審問官が
こちらを見つめて語りかける映像が流されます。
(ちなみに、異端審問官の声は俳優の
佐々木蔵之介さんが担当してらっしゃいます。)

火あぶりの薪の積み方を再現した展示品は
赤とオレンジの照明で照らされ、火が燃える音が
流されています。その周りもディスプレイで囲まれ、
火あぶりにされる魔女を見物する民衆たちの
顔が映し出されています。

「きっとあなたも民衆の一人になった
感覚に陥るはずだ」というのは
リーフレットに書かれた一文。

歴史は繰り返す。この行為もまた。



18世紀末(思っていたより最近ですね)に
やっと魔女狩りは衰退していきます。
背景となったのはもちろん自然科学の進歩。

正しい知識が不当に傷つけられる人たちを減らす
……というのは、『知ろうとすること』を
読んだときも思ったことでした。



情報とメディアとの関わり方。
ロゴやメインビジュアル、グッズ等の
デザインが潔いくらい女子狙いの
企画展ですが、全ての人が見て
考えるべきことが詰まっていると思いました。

名古屋にも巡回予定のようなので、
またじっくり考えに行きたいと思います。

開催情報・チケット | 魔女の秘密展 Secret Witches Exhibition

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HN:
紫式子
HP:
性別:
女性
趣味:
ぱっと見文化的なこと
自己紹介:
なんか王道はずれてるのが好き。
テーマにまとまり無くてすみません。
残念ながらこれが私です。

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