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紫式子日記

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TBありがとうございました

初めまして。
トラックバック有難うございます。

フィラデルフィア美術館展、確かに「教科書的」でしたね。日本人受けする構成といった感じ。
でも名作ぞろいで、いい展覧会ですよね。

>heyselさん

コメントありがとうございます。

日本人て印象派好きですよね・笑。
この秋、「フェルメール」と並ぶ
目玉の展覧会かもしれませんね。

タニング

こんばんは。
「誕生日」何ともいえない雰囲気を有する作品でしたね。
エルンストの影響も大きいのでしょうか。
17世紀のオランダ絵画も少し混じっているようにも思えました。

>Takさん

「誕生日」は象徴主義的でもありますよね。
いろんなところからの影響が
見出せるんじゃないかと思います。
なんか逃げるみたいな言い方ですが。。。

「フィラデルフィア美術館展 印象派と20世紀の美術」


★公式サイト

久しぶりに来ましたねー、
上野も美術展も。

ほんとは日本橋三越でやってた
「印象派とエコール・ド・パリ展」にも
リハビリのつもりで行ってたんだけど、
レビュー書きたくなるほどの
インパクトは受けなかったのですよねぇ。


さて、「フィラデルフィア」

ハデに広告打ってるだけあって、
有名人ならぬ有名絵画の
オン・パレード
でした。

19世紀末に起こった、
理想化への反発としての
写実主義から始まり、
第二次大戦期までの絵画が
時系列順に並べられています。

第1章 写実主義と近代市民生活
パトロンや上流階級の
要望に応えるために描かれてきた
「理想化」された絵画を脱し、
新たに時代を担うことになった
「市民」の視点に基づく
「写実主義」「自然主義」の絵画。

それ以前の画家と比べてしまうと
「少々ドロ臭いかな?」
それ以後の画家と比べてしまうと
「少々ぎこちないかな??」
といった印象を受けてしまう
コローやクールベですが、
彼らこそこの時代の代表選手です。

市民社会を文化面で引っ張った功労者
といっても良いかもしれない。

中でも印象的だったのはマネの
「キアサージ号とアラバマ号の海戦」
マネってこんな大海原も
描いてたんだ! という衝撃と、
シーグリーンのあまりのリアルさに。

第2章 印象派とポスト印象派 -光から造形へ
この展覧会のハイライト。
数ヶ月前国立新美術館で逢ったモネや、
ゴッホ、セザンヌもいます。

中でも人だかりがすごかったのはやはり、
代表作「大きな浴女」を引っさげてきた
ルノワールおじいちゃん。

見るたび違う凄さが見えるんですよね。
そのことこそが凄い。

全体的にブレてさざめくように見えるけれど、
顔にだけは焦点が合っていて(特に目)、
それで「じーん」と来る感動を呼ぶんだな、
というのが今回の感想。
次回はどんなルノワールさんが見れるやら。

第3章 キュビスムとエコール・ド・パリ
ピカソやブラック、
レジェ、カンディンスキー、
ルオー、モディリアーニ。
私の居慣れたエリアです。

マティスは何回見ても感心できる。
『休息する二人のモデル』の、
デフォルメされていながら
的確なデッサン力はすごいよね。

『週刊美術館』で
この人の制作過程を追った
連写真を見たんですが、
けっこう試行錯誤、
やりなおし描きなおしの
くりかえしなんですよ。
納得行く形に落ち着くまで
追求してるんです。

完成作は、そんなこと
微塵も感じさせない
伸びやかさなのにね。

デュシャンで来ているのは
「セザンヌへの崇拝と親への愛情」が
表れているという、印象派風の
『画家の父の肖像』と
キュビズム風の
『チェス・プレイヤーの肖像』。

彼って人格レベルでは
やっぱり西洋絵画の系譜に属していて、
キホンとかちゃんと押さえてるんですよ。

ただ、いろんな技法が出尽くして
キュビズムまで至っちゃった、
その先まで見えてしまったゆえに
反逆児としての役割を自覚した。
そういう人だと思っています。

モディリアーニはしかし、エロいね。
形態はドライなのに、
塗りこめられた肌色と
その向こうに透けるバラ色が
なんともいえずエロっちぃ。

第4章 シュルレアリスムと夢 -不可視の風景
マグリットが来ててびっくり。
見慣れてるせいか、
この人の絵は見てて落ち着くね。
来月には横浜美術館の
「シュルレアリスム展」でも会えるよ。

「わからない」ことを旨とする
美術様式ゆえ、たいがい
「わかりにくい」とされる
この系統の作品ですが、
ミロ『月に吠える犬』を見ていた
女性のひとことをご紹介。
「これかわいいねー。」
よかばいよかばい、
そのくらい「当然の」
ものとしてあるのが
いちばんさ。

第5章 アメリカ美術 -大衆と個のイメージ
あんまり期待せずに足を踏み入れたのですが、
一歩踏み込んで目に入った
ホーマー『狩人と犬』に思わず
「カックイー!!!」
見事にやられました。

このセクションではなんたって
オキーフ『ピンクの地の上の2本のカラ・リリー』。
あまりの伸びやかさ、
謳うような色と形に
思わず泣きそうになってしまった。。。

意外だったのがタニング
『誕生日』が来ていたこと。
女流シュルレアリスムの人で、
ソッチの大家・エルンストと
結婚もしている人です。
この絵もなかなかに強くて
エロい感じの女性が描かれていて、
見ていた女性客が
「女の人が描く『女』だね」
みたいに話していました。確かに。

シメはワイエス
中学のときから好きだったけど、
あの精緻さ、静謐さ、やっぱスゴい。


全体として振り返ってみると、
どうしても「教科書的」というか。
予定調和の、手なずけられた
展覧会、という感じがしました。
欧→米の作家しか取り上げて
ないからでしょうかね。

とはいえ、
ひとつひとつの絵はスバラしいです。
このチケット代でこれなら、
十分モトはとっている感じ。

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TBありがとうございました

初めまして。
トラックバック有難うございます。

フィラデルフィア美術館展、確かに「教科書的」でしたね。日本人受けする構成といった感じ。
でも名作ぞろいで、いい展覧会ですよね。

>heyselさん

コメントありがとうございます。

日本人て印象派好きですよね・笑。
この秋、「フェルメール」と並ぶ
目玉の展覧会かもしれませんね。

タニング

こんばんは。
「誕生日」何ともいえない雰囲気を有する作品でしたね。
エルンストの影響も大きいのでしょうか。
17世紀のオランダ絵画も少し混じっているようにも思えました。

>Takさん

「誕生日」は象徴主義的でもありますよね。
いろんなところからの影響が
見出せるんじゃないかと思います。
なんか逃げるみたいな言い方ですが。。。

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