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紫式子日記

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『那天下雨了』蒋子丹


夏休みの宿題で、近現代中国の小説を(できたら原語で)読んで、書評を書くという課題が出ていた。

さっき=〆切り24時間前に、とりあえず終えた。目出度い。

ところで、読む作品をタイトル(と邦訳の有無)で適当に決めたので、うっかり文化大革命を舞台にした作品なんか選んでしまった。

政治色がスパイス程度にしか出ていない、メロメロメロドラマとか扱いたかったのに。うかつであった。



それがタイトルにした蒋子丹という作家の『那天下雨了』。

題名は「あの日は雨だった」という意味です。

一晩のうちに、革命に支障をきたす危険因子から、紅衛兵の憧れの的と扱いが変わり、おまけにその日の晩には反逆したという謂れを受け、結局逮捕されてしまう、青年革命家のお話です。

『ワイルド・スワン』で読んだんですが、そういうことは当時、ままあったらしいですね。

高級幹部が地位を転落させられたりとか。

しかしそれがあまりにオーバーで、現代の私たちには滑稽さすら感じさせます。

むしろ蒋子丹、それ狙ってるんだろうな。

アイロニーなんだろうな、これ。

文革自体は1966〜77年で、この小説が収録された単行本が刊行されたのは87年です、ちなみに。



しかし、『ワイルド・スワン』読んでも思ったことだけど、なんて異様な時代だったのだろうということ。

こんなの現実にあったんだー、て、戦前戦中の日本も似た雰囲気だったんだろうけど。

本当、「時代の空気」っていうか、「時代性」ってすごいな、ということ。

特に文革時代は、「この状況はおかしくない?」って思っても、ソッコー弾圧されたはずから、異様さがさらに増していたと思うけれど。



ワイルド・スワン〈上〉
ワイルド・スワン〈上〉



ワイルド・スワン〈下〉
ワイルド・スワン〈下〉

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