2007/05/08 Category : Art 「MONET 大回顧展モネ」 公式サイト:「MONET 大回顧展モネ」於国立新美術館私はひとつ、ここで声を大にして言いたい。モネは眼鏡をはずして見ろ!!(※裸眼・コンタクトの人は目を細めて対応のこと)小学校の廊下の壁に、モネの「睡蓮」が飾られてまして。子供ごころに「なんで絵の具そのまんま置いてるんだろう」とか思っとったんですが、わざとピントをぼかして見ると、まともに睡蓮のかたちが見える。で、このあいだモネ好きの友達の家に複製画(読売新聞がくれるやつ)を持っていった折、その話をしたら、「確かにそうかもしれない!」と盛り上がり、お互いめがねをはずして離れた距離から複製画を見てみる。ハンパなく3Dですよ、コレ。。。「日傘の女性」なんかね、手前の草が浮き上がって見えるの!空の雲も、写真よりリアルなの!畏敬とか畏怖とかってより、 び び り ました。そんなこともあって、今回の展示はめがねをかけたりはずしたりして見てきました。そういう奇行に走ってる若い女性を見ていたとしたら、たぶんそれは私です。 国立新美術館はたいがい展示コンセプトがいけすかないのですけど、この展覧会は優秀だったと思います。さすが「構想5年」ですね。めがねをはずして見るモネは、やっぱり浮き出てました・笑。特に風景画、中でもスゴいのは雪の絵。雪って、白いし反射するから風景の中で飛び出て見えるじゃないですか。あの感覚、そのまんまなんですね・笑。このことに関してはちょっと面白い評論があって、『脳の中の美術館』というのですけれど、「モネは脳で処理される前の、 『目』が受け止めた光の情報を そのまま絵に描いていたのでは?」みたいなハナシが書いてあります。●Amazonのページへ 新編 脳の中の美術館あと個人的に感銘を受けたのは、「セクション4 連作」の中の「リズム」の項。これって、森村泰昌が言ってた「モダニズムの美学」に通じるんですよね。「モダニズムの美学」ってゆーのは、余計な肉をそぎ落として、骨格の美しさを追求した美学・美術様式。モンドリアンなんか、ホネだけですよね。で、「骨格」だけなので、モダニズムにおいては、モチーフ・構図のリズム・アクセントがより大事になってきます。モネは「肉」の付いている絵画を描いた人ですけれど、「セクション4 連作 リズム」では、このリズムですとかアクセントを重視していたことがわかるようになってるんですね。この展示は「モネ=近代絵画の元祖」みたいなコンセプトらしいんですけど、そーいう点では「モダニズムの走り」と呼んでもいーんじゃないかな、とひとり、ワクワクしておりました。「モダニズムの美学」の講義は、こちら↓に。美術の解剖学講義 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword