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紫式子日記

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「MONET 大回顧展モネ」


公式サイト:「MONET 大回顧展モネ」於国立新美術館





私はひとつ、ここで声を大にして言いたい。

モネは眼鏡をはずして見ろ!!

(※裸眼・コンタクトの人は目を細めて対応のこと)



小学校の廊下の壁に、

モネの「睡蓮」が飾られてまして。

子供ごころに

「なんで絵の具そのまんま置いてるんだろう」

とか思っとったんですが、

わざとピントをぼかして見ると、

まともに睡蓮のかたちが見える。




で、このあいだモネ好きの友達の家に

複製画(読売新聞がくれるやつ)を持っていった折、

その話をしたら、

「確かにそうかもしれない!」

と盛り上がり、お互いめがねをはずして

離れた距離から複製画を見てみる。



ハンパなく3Dですよ、コレ。。。



「日傘の女性」なんかね、

手前の草が浮き上がって見えるの!

空の雲も、写真よりリアルなの!

畏敬とか畏怖とかってより、

 び び り ました。





そんなこともあって、今回の展示は

めがねをかけたりはずしたりして

見てきました。

そういう奇行に走ってる

若い女性を見ていたとしたら、

たぶんそれは私です。


国立新美術館はたいがい

展示コンセプトがいけすかないのですけど、

この展覧会は優秀だったと思います。

さすが「構想5年」ですね。





めがねをはずして見るモネは、

やっぱり浮き出てました・笑。



特に風景画、中でもスゴいのはの絵。

雪って、白いし反射するから

風景の中で飛び出て見えるじゃないですか。

あの感覚、そのまんまなんですね・笑。



このことに関してはちょっと面白い評論があって、

『脳の中の美術館』というのですけれど、

「モネは脳で処理される前の、

 『目』が受け止めた光の情報を

 そのまま絵に描いていたのでは?」


みたいなハナシが書いてあります。



●Amazonのページへ 新編 脳の中の美術館
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あと個人的に感銘を受けたのは、

「セクション4 連作」の中の「リズム」の項。



これって、森村泰昌が言ってた

「モダニズムの美学」に通じるんですよね。



「モダニズムの美学」ってゆーのは、

余計な肉をそぎ落として、

骨格の美しさを追求した美学・美術様式。

モンドリアンなんか、ホネだけですよね。

ピート・モンドリアン―1872-1944

で、「骨格」だけなので、モダニズムにおいては、

モチーフ・構図のリズム・アクセントが

より大事になってきます。



モネは「肉」の付いている絵画を

描いた人ですけれど、

「セクション4 連作 リズム」では、

このリズムですとかアクセントを

重視していたことがわかるようになってるんですね。



この展示は

「モネ=近代絵画の元祖」

みたいなコンセプトらしいんですけど、

そーいう点では「モダニズムの走り」と

呼んでもいーんじゃないかな、と

ひとり、ワクワクしておりました。





「モダニズムの美学」の講義は、こちら↓に。

美術の解剖学講義
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