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紫式子日記

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『嫌われ松子の一生』






まず、キャストがすごい。

主演:中谷美紀 ってだけで食いついたけど、片っ端からスゴかった!

やっぱり谷原章介の育ちの良さそうな雰囲気は好きだなぁ とか、

クドカン、自身も演技上手いなぁ とか、

悔しいけれどやっぱり伊勢谷勇介はかっこいいなぁ とか。

あとツボだったのは黒沢あすか!!

あの「ペロペロッは真似したい・笑。



エンターテインメント映画としての価値も高い。

特に前半は、コミカルな演出に終始。

ミュージカルが違和感ないのも、その演出の妙です。

挿入歌もイイ!

BONNIE PINKの『LOVE IS BUBBLE』とAIの『What is Life』。

買いそうになっちゃった。


とはいえ、後半……松子が転落していくにつれて、映画も陰鬱ムードに……。

緩急利いた、飽きない・疲れない編集・演出でしたね。

一本とられました。ハイ。

ちゃーんと、泣かせドコロもありますしね……!



男の子は理解不能かもしれないけれど、 女の子なら多かれ少なかれ共感できるはず。

そこんとこ『アメリ』に似てるかも。

主人公も夢みがちだし、映像も極彩色だし。

アンハッピー版アメリ。

ただ、「(うざがられるほど)愛する」ということができて、(むしろそれが天分の才能で、)かつ、それを成し遂げて生きられた人生が不幸せだったとは、にわかには言いがたい。

「名作」にはなりにくいけれど、 「人生」「幸せ」を考えようとしたとき、 思い出されそうな映画でした。



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『憂国』(映画そのものについて)


憂國
憂國




夫人の死後、三島邸の茶箱からフィルムが発見されたと大騒ぎになった「幻の映画」、『憂国』。

DVDが発売されると共に、現在キネカ大森で行なわれている「三島由紀夫映画祭2006」でも上映されています。
そちらを観てまいりました。



キネカ大森は大森のSEIYU5階という意外な立地にある映画館。

でもサイト観てみたらテアトル系の映画館だった。

妙に納得。

テアトル池袋で上映される『LOVEHOTELS』を観たいと思っていたんだ、ちょうど。



さほど広くない劇場内は、7割満席といった感じ。

平均年齢は高めかしらん。

1人で来ている30〜40代男性が比較的目に付いた印象。



一緒に行った友人と持ち寄った三島由紀夫関連資料を読みつつ待っていたら、照明が落とされる。
物憂げな『トリスタンとイゾルデ』が流れ出し、スクリーンに映った白手袋が巻物を広げはじめた。


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『空中庭園』


空中庭園 通常版
空中庭園 通常版


こちらも早稲田松竹にて。

原作は読んであったのですが、ほとんど別の作品! ってくらい、監督独自の解釈が加えられていました。

それがまた上手いんだ。

原作も良かったけれど、こっちもこっちで好き。好き好き。



カメラワークで、まず掴まれた。

ぐらんぐらん、ブランコのように左右に揺れる撮り方が最初から最後まで絶妙の使われ方をする。

酔いそうなんだけれど、それが「不安定な家族」をテーマにしたストーリーにぴったり合っている。



そして、原作にはない「空中庭園」のモチーフが増やされ、作品全体の統一感が出されている。

絵里子がマンションのベランダで育てる植物は、原作で描写されているよりずっと豪華で、まさに「空中庭園」。

食卓のランプシェードもバビロンの空中庭園を描いたものだし(あんなんどこで調達したんだろう)、娘のマナとホテルに同行する男の腹にはバベルの塔の刺青が入っている。



「繰り返し、やり直し……」

というおばあちゃん・サッちゃんのセリフから始まる「再生」も、映画オリジナルのテーマ。

これに「バベル男」の

「人間は血まみれで産まれてくるんだよ。泣きながら」

とが重なって、絵里子の生まれなおし、ひいては家族のやり直し……とつながっていくんですけれどね。

いゃー、上手かったです。

映画ってこういう風に作るんだね。



とはいえ、通底するコメディタッチ不気味さ・居心地の悪さは原作の通り。

「これ、学芸祭なんだー……」

などの名ゼリフも、そのまま活かされています。



おしなべて小説が原作の映画は、原作を上回れないものですが、これが私にとって最初の「例外」になりました。

監督クスリやっちゃったんだって? もったいないねー


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『そして、ひと粒のひかり』


そして、ひと粒のひかり
そして、ひと粒のひかり


『そして、ひと粒のひかり』

『クレールの刺繍』と同じく早稲田松竹にて。



コピーが「運命は、私が決めるのを待っている。」っていうのだったんですけど、観終わってみてからナルホドと。

こちらも「できちゃった」少女の話。

ただし、舞台はコロンビア。

貧しい生活の中で、主人公・マリアは麻薬の運び屋に手を染めます。

ですが、降り立ったニューヨークで目にするリアルな死、そして郷愁・家族の絆……。

途中はかなり退廃的・自暴自棄なムードが漂いますが、結末はすごく勇気付けられる

「母は強し!」

な作品。



はやくちなスペイン語とラテン音楽も、耳に心地よいです。



裏テーマとして、経済格差ってのもあります。

1回麻薬を運べば家族に家が買える、とか、コロンビアで子供は育てられない、とか……。

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