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紫式子日記

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『誰も知らない』


誰も知らない
誰も知らない



映画復帰第1弾。

相変わらず早稲田松竹。



えっらい話題をかっさらった作品ですが、実は初見でした。

確かに、凄い映画だった。

「凄い」ってあれね、漢字ね。「スゴい」てカタカナじゃなくてね。

もう、壮絶。



明と京子、それぞれの母親への愛憎模様が苦しい。

明確に台詞にされず、小道具(マニキュア・クローゼット)で示される辺りが、余計に。



何より映像に圧倒される。

鮮やかな色彩で、嗅覚まで刺激されるよう。

水道が止まってからは、子どもたちの体臭までもが嗅ぎ取れる。

苦しい。息苦しい。



YOUのダメ母演技も凄かった。予想以上だった。

YOU自身、けい子みたいな女の葛藤をちゃんと知ってるんだな。

(本当に離婚しちゃったし。)



しかしなぜか入り込めはしなかった。

柳楽くんの演技が上手すぎたのだろう。。。

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『ピアノ・レッスン』


ピアノ・レッスン
ピアノ・レッスン



久しぶりのマトモな記事がこんな文学的エロ映画だなんて、紫式子としてすごく正しい感じで好もしいですね。



言葉少なな映画です。

主人公・エイダは言葉を喋らないし、タイトルから連想されるとおり、BGMが占める部分が大きい。

その分、音楽+映像を通しての心象描写が際立っているんですよね。

エイダの娘・フロラも虚言癖・分裂症的なところがあるように見えますが、話が展開していくうちに、エイダの戸惑う心を反映・代弁していることがわかってきます。

直接的にエイダの言葉で語られないからこそ、不倫の恋に心が傾いていく、その過程がより痛々しく、より鮮明

まぁ、上手い映画ですよ。

これだから女性監督モノって好きさ。



ストーリーを申し上げれば、ある女性が自らの意志と自由を獲得していく映画……。

19世紀英国社会というストイックな背景に、夫を喪った子連れやもめという、禁欲を強いられるエイダの立場。

彼女の欲望を発散するのはピアノだけでした。

(それもあってでしょう、エイダのピアノを演奏する手つきや手話は、やたら色っぽく演じられています)

ですが再婚のために渡ってきたニュージーランドの荒々しい大自然(この映像美もすばらしい)と、その化身のような粗野な男・ベインズとに、「女」としての自分を明らかにしていきます。

(以下、ややネタバレあり)


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『パイレーツ・オブ・カリビアン / デッドマンズ・チェスト』


パイレーツ・オブ・カリビアン / デッドマンズ・チェスト
パイレーツ・オブ・カリビアン / デッドマンズ・チェスト



ジョニー!!!

いやもう叫ぶしかないでしょう、ここは!

ああジョニー。

今回もカッコよかったよ!!

しかも前作では「あほカッコいい」だったのが、正統派「カッコいい」になってるよ!!

いいからみんな劇場行こうよ!!

あの壮大な映像と音楽は映画館で味わわなきゃだめだよ!!



ギャグも熾烈だったなー。

エリザベスの言葉を借りれば

「あんたたちそれでも大人なの!?」

存分に笑わせてもらえます。



その一方で、前作より情緒的・叙情的なシーンの存在感が濃かったよね。

大雑把に分けると、「前半:ギャグ、後半:シリアス」って感じです。

ハナシそのものがオトナになった感じ。



一点だけ注意。

次回作で完結する「連続モノ」のため、これ自体は「前半」です。

『呪われた〜』は単品完結だったんだけどね!

起承転結の「起承転」までなので……しかも「転」がホントに衝撃の展開なので……2007年GWまでヤキモキさせられることは、ご覚悟で。

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『カーズ』


カーズ
カーズ



ガラにもなくディズニーアニメなんか観てきちゃったぜぃ☆

PIXERの新作『カーズ』ですよ。

総評を先に述べさせていただくと、いい話でした。ハイ。



「青年の成長物語」なんですね、シンプルな。

キホンに忠実な筋立てだったし、主人公が人間的(クルマ的?)に成長していく過程のエピソードがきちんと作りこまれているので、安っぽくなかったのです。

特にラスト、主人公のな行動がカッコいい。



70年代ロードムービーを意識しすぎなのには閉口したけど。

ただでさえストーリーが「古き良き」時代のものを下敷きにしているので、パロディくささが鼻に付くというか。

テーマ曲が全部あの辺の曲調なんです。

それでターゲット層も不明確になってる。

子どもにはわからない70's小ネタが満載だし、「小さい子供がいる親」の世代もハズしているし。

中高年を取り込もうにも、そもそも中高年は観ないんじゃないかという。



と、いろいろ言いつつもいい話だったので、もうそれで良いかなと。

帰りがけ、観に来ていた子どもが親に

「楽しかったー」

って言ってました。

子どもがそう言える映画なら、もうそれだけで良いよね。

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『博士の愛した数式』


博士の愛した数式
博士の愛した数式



The号泣。

どうしてでしょう。

誰かが死ぬわけでも壮絶に愛の炎を燃やすわけでもないのに、何がこんなに胸を締め付けるのでしょう。

それはたぶんです。

愛はiです。

虚数です。

謙虚な数です。



元々「理系的なハナシ」は好きな人間なので、こういうお話はワクワクする。

博士の

「潔い数字だ」(24)

とか

「チャーミングな数字だ」(220)

っていうコメントも、いちいちほっこりするし。



道ならぬ恋をしていた義姉には「eのπi乗=−1」と書き送っていたのを、「eのπi乗+1=0」と書き換えるようになったのは、マイナスだった時間が「永遠である現在」として動き出したことを示している、みたいな解釈でいいのかしらね。



あぁ、だった……だなぁ。

ことばにしてしまうとそれだけなんですが、それをじっくり感じることができる映画でした。

大人になった√(吉岡秀隆)が数学教師として教壇に立ち、博士と数学の話をする……という映画独自の設定も見事だったと思います。

まとまりが出てた。

しかし、『半落ち』でも思ったけど、吉岡秀隆の芸能界でのポジションはオイシイよなぁ。。。

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