2006/12/10 Category : Comics 虫プロダクション『アニメラマ3部作』@ポレポレ東中野 30年ぶりの劇場公開だそうです、虫プロダクション制作「大人のためのアニメ」『アニメラマ3部作』。キャッチコピーは「親子で見れない手塚アニメ」、ポレポレ東中野にて。ファミポートで前売三回券を買えば、3600円=1本1200円で観れます。私はソレ買って昨日観てきました、イッキに3本。13:00〜「哀しみのベラドンナ」から始まるコースで観たのですが……。コレ最後にまわせばよかったorzあの、ライトな話からさせてもらえば、えぇ、すばらしいんですよ。技術うんぬん、動画うんぬんじゃなくて、作り手が芸術性に気合入れてるってのがよくわかる。メッセージ性も強い。『千夜一夜物語』は「富も名誉もむなしい」っていう古今東西語られてきた(だけどいまの日本じゃハナで笑われそうな)テーゼを、あくまでポジティブに! あくまでハッピーに伝えなおしてくれます。ギャグのタイミングとか配分も、手塚先生のマンガみたい。あの明るさってのは何なんだろうと思うと、やっぱり主人公のアルディンが「死んだら何にもならねーさっ」ってスタンスで、しぶとく生きてるところなんでしょうね。とちゅうの「土壁をホネを杭替わりによじのぼる」ところなんか、『火の鳥 黎明篇』のラスト、タケルが穴を出るシーンとかぶってより強烈な印象。『クレオパトラ』はSFと大河とオチャラケが混ざっていて、100%マジメに観てはいけない。と思う。でもラストの「ローマ人はエジプトから出てけー!」って叫びは、SF舞台で異星人を侵略しようとしてる地球人の内部告発になってて、油断ができない。」あとキャラクターデザインはあの小島功先生なので、女性キャラの横顔が『ヒゲとボイン』です。わかんない人は黄桜カッパ想像してね。んで、『哀しみのベラドンナ』ですが……。 つづきはこちら [0回]PR
2006/11/26 Category : Comics 『猫本(ねこもと)』 猫本(ねこもと)猫をテーマにしたコミック・アンソロジー。やまだないとも参加してるんだけど、単行本未収録作品だと気づいて慌てて買った。『江古田ちゃん』の瀧波ユカリとやまだないとが読めればいっかー とか思ってたけど、他の作品も高品質で焦った。編集部投票による北道正幸『プ〜ねこ』セレクションは面白いんだけど、上位の作品は締め切りモノ・言語センスモノに集中していて、ちょっと内輪ノリのにおい。萩尾望都はやっぱエロかった。瀧波ユカリは4コマなんだけど、最後のやつが泣ける。山下和美はちゃんとネコを見てる! ってのが伝わる。横を向いて寝てる柳沢教授の上に乗るところとか……そうそう、ナゼか細いところに座り込むんだよねって……。松田洋子の味わい深い方言の台詞と、昭和っぽい絵のタッチはクセになりそう。横山キムチのネコは、体のラインがエロい。おシリとか、ちくびとか。「ルンルン体操」に吹いた。諸星大二郎の「ニャン猫六先生」は上手い。パロディを、しかも猫でなんて!!でもやっぱいちばんの収穫は『ホワッツマイケル?』の小林まことのインタビューかな。でもやっぱり、やまだないとの作品に漂う哀愁とか切なさはいいなぁって思うのです。 [0回]
2006/09/27 Category : Comics 『Strawberry shortcakes』魚喃キリコ Strawberry shortcakesなななんきりこ(と、あえてひらがな表記したい)は、好きなまんがのジャンル上、なまえばかりは目にしていたのだけれど(でも耳にはしなかったから読み方を知ったのは最近なのだけれど)マトモに読んだことはありませんでちた。映画化されるらしい、しかも『ジョゼ虎』の池脇千鶴が出るらしい、つことでちゃんと拝読せねば!! と思い立ち、正座して読んでみました(誇張表現)。感想。痛。なんつーか、感情がナマなのだ。「ストロベリーショートケイクス」なだけに。特に「クる」のが、一途な片想いの相手・菊地とは先に進めないデリヘル嬢・秋代のエピソード。「ああかみさま 私あの人が好き あの人が好き」「菊地に会える 菊地に会える 菊地に会える 菊地に会える」なんてモノローグも痛切だし、菊地に会う口実として「実家から野菜が送られてきた」なんて言いつつ、行きがけに八百屋でトマトとキュウリを買っていく様も、けなげで切ない。痛い。痛い。才能ゆえに孤立し、食べては吐くを繰り返す塔子も、塔子や田舎への鬱屈した思いを払拭できないまま男に依存するちひろも、みんな痛い。痛い。そんな中、恋がしたいと言いつつ何も起こらない日常を過ごす里子のエピソードは、ほっとする箸休めになってるかも。しかし、誰のエピソードにしたってリアル。生々しい、痛々しい。なななんきりこ、すっげぇな。いいです。皆さんもお早めにお召し上がりください。画風、クセがありますが好きです。切り絵みたいなの。線が太くて、白黒がはっきり付いている。 [0回]
2006/09/15 Category : Comics 『もやしもん』石川雅之 もやしもん 1―TALES OF AGRICULTURE (1)学研の教育まんがが好きだったりしたわけですよ。『まんが ひみつシリーズ』とか。あさりよしとお先生の『まんがサイエンス』とか。その感覚を思い出させてくれるまんがです。舞台は東京にある某農業大学。菌がキャラクター化して見える種麹屋の息子・直保が、農学の権威・樹先生に発酵の素晴らしさ(主に酒とクサい食品)を生活を通してレクチャーしてもらうというまんがです。そのうち樹先生の重い過去とか、直保の人間的成長とかが描かれそうなケハイがしつつも、3巻にして未だ果たされず(笑)。それゆえ物語としての質は決して高くないと思うのですが、なんつったっておもしろい。知的好奇心が満たされていく、その様だけで何度もめくってしまう。またも講談社に「してやられた」感がします、ね……。個人的には「納豆が自作できる」ってハナシ、嬉しかったです。 ←離乳食は納豆ごはんだったおんなあと、直保の目に見える菌が可愛くって仕方ない。先日も「かもすぞー」とか言いながら、友達宅のホワイトボードにらくがきしてきました。 つづきはこちら [0回]
2006/07/14 Category : Comics 『甲賀忍法帖・改』浅田寅ヲ 甲賀忍法帖・改 (1)サイバー!!!Amazonレビューだかで誰かが書いてたんだけど、「表紙のまんまの中身」です。もう、果てしなくサイバー。人別帖がケータイなんですよ。SF忍法帖って言っても過言じゃない。これはアンチも出るよなぁ。アンチって言っても、びっくりしすぎなだけだと思うけど。ネタが何であろうと私は寅ヲシンパなので、好き好き大好きなのですけれどね。つぅか、カッコいいんで。単純に。「原作が一緒」ってことでたぶん『バジリスク』とは競合他社なんですが、もはやお互いに比較の対象ではないと思う。やろうとしてることが根底から違うんだもーんむしろ、このくらいブッ飛んでる方が、山田風太郎的でイイんじゃないかと思うのですが。まぁ、好きずきですな。でも『バジリスク』と読み比べた限り、忍術やキャラの設定は原作に忠実なんだよね。解釈が自由なだけで。そのさじ加減がステキな寅ヲ先生。展開も速くて、痛快です。最低3回は読み返さないと何が起こっているのかわからないのは、浅田寅ヲの持ち味だと言い張ります。いゃー そのくらい脳にシゲキを与えるまんがじゃないとさ、読んでてもつまらんじゃん?? つづきはこちら [0回]