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紫式子日記

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『みんなの手帳』


みんなの手帳―選ぶ・使う・極める!
みんなの手帳―選ぶ・使う・極める!



手帳に関するムックです。

まぁ、2006年の手帳を探し回った際に、手帳の奥深さを垣間見たワタクシがいる訳で……。

すっかりにわか手帳ファン。

そんな私の目が確かなら、このムックはかなり好感が持てます。

「○○の手帳術」みたいに手帳の使い方をああしろ・こうしろって押し付けてくる訳じゃなくて、「こう使ってる人もいますよ〜」「こんな使い方もありますよ〜」「あ、これ良いですね〜、真似されたら如何ですか〜?」みたいな、ほのぼの〜、した、腰の低ぅぅ〜〜い感じがするんです。



内容は、阿川佐和子(ラヴ)の巻頭インタビューに始まり、「気になるあの人の手帳と時間の管理法」「手帳開発者に訊いた最新手帳の使い方」「選ぶ、使う、極める とっておきの手帳術」等々、

 1.楽しく読めて

 2.役に立ち

 3.しかも、口うるさくない
(大事)

絶妙〜なさじ加減の企画ばかりです。

図版の多さ・カラーページの多さも魅力的◎



読んでいる最中はずっと、「へぇ〜、こんな手帳あるんだ〜」とか、「あぁ、こういうこともできるのか!」みたいな、小さいけれど、大事にしたい発見の連続です。

「不確定な予定はポストイットに書いて貼るだけにしておく」とか、「『やりたいこと』『叶えたい夢』を手帳に書いておけば実現する理由&実例」とか。



さりとて気になったのは、このムック、女性がターゲットだってこと。

取材されているのもほとんど女性だし、手帳の使い手も女性であることを前提にして具体例を挙げたりしてるんですね。

ん〜、こういう生活のディテールにこだわるのは女性だってこと?;

それとも女性は新たな手帳市場として開拓されつつあるのか?


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デ・キリコ展




巨匠デ・キリコ展
大丸ミュージアム



やっと行ってこれましたよー。



キリコも、実はよく知らなかった画家

『沈黙のミューズ』と『不安を与えるミューズたち』は知ってるよ〜? くらいな感じ。

知ろうとしなかったっていうかね。

母親の葬式でもかおひとつ変えなかったマグリットが、キリコの絵を見て涙を流した……っていうエピソードで、きちんと知っておかなきゃとは思ってたけど、いかーんせーん、色彩とタッチが私好みじゃなくって。

延ばし延ばしでここまで来たんですが。

「まぁ、こういう人だったのね!

って思わせてくれる展示でした。



展示の中心になっているのは、彼が80歳代に描いた、新・形而上絵画。

ですから所謂「キリコ」と言われて思い浮かぶ作品群ですし、90歳で没したことを考えると、晩年に至った境地を拝見することになる訳です。

ただ、私が興味を持ったのはむしろもうちょっと若い頃の、古典絵画の模写・デッサンです。



上手いんじゃん


なんて畏れ多いにも程があることを思ってみたりもして。。。

あれらの、不安・切迫感がダイレクトに描かれた一連の作品を観て、初めて形而上絵画に漂う特異な雰囲気の正体がわかるのかな、と……。



一見のどかな日常に潜む、ちょっとバランスを崩せばたちどころに現れそうな、不安。

そして、それらを取り囲むように配された、三角定規や幾何学的な立体図形、何よりそれがキャンバス上の「寓意」であるというギリギリの安心感。

だけど、『ヘクトルとアンドロマケ』に見えるこの親密さは本物の気がするぞ?



……そんなことを、感じつつ……だからちょっと居心地の悪い、だけれど何周もしてずっと観ていたいような、そんな展示でした。



そうそう、この人やっぱり大学で理系だったんだね。

道理で。って感じだったよ。

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ギュスターヴ・モロー展(後期)


(前期)も行ったけど、また行ってきたよ。

Bunkamuraのギュスターヴ・モロー展

会期も終わりだからか、平日の昼間なのに盛況。

Bunkamuraの客はしかし所得階層も年齢階層も高そうである。(!)



やはり本につけ映画につけ展覧会につけ、同じものを複数回鑑賞するというのは新たな発見を生むらしい。

前期は全然気にならなかった「一角獣」に、今回はトキメキに似たものを覚えましたよ。



なんかこの絵だけやったらエロ色っぽく見えてさ。

なんでだろー、って思ったら、この絵、モローにしては暖色系なのね。

他の絵は人物の影に青とか緑とか使ってあって、具合悪そう〜〜〜な感じだけど、これだけ健康的っていうか。健康美っていうか。



あと、「出現」はやっぱり何度観ても凄い。

凄みを感じる。



しっかり塗りこまれたヨハネとサロメが、他の作品に比べて圧倒的な存在感を醸してるんだな。

目線の対立が「凄み」かな。

本当に「気」みたいのを帯びてる感じがするもんね。

分厚く卵色の絵の具が塗られた、光の表現にもゾクゾクする。



そして今日思ったこと。

実はモロー、小品向きの画家だったんじゃないか。

だって、なんであんなに素描とか習作とか念入りに準備するのに、

出来かけの作品ばっかなの。



いざ描いてみたら思ってたのとズレてたんだろーなー、うーん。



「神秘の花」は、油彩ではなく水彩の習作でした

でも、油彩の怖〜い無表情と全然違う、明らかに「マリア」なやさしい微笑みで、びっくりした。

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『キッドナップ・ツアー』角田光代


キッドナップ・ツアー
キッドナップ・ツアー




友だちが褒めていたので、ブックオフにあったやつ買って読んでみました、角田光代。

実現可能性は未知数なんですが、また別の友だちと『空中庭園』観に行こっかー、みたいな話にもなってる。角田光代。



小学生のハルの元に、別居中の父親が突然現れ、「これからお前を誘拐する」と宣言する。

最初はいつもの冗談だろうと思って着いていったハルだが、父親が本気なのがわかり、「逃亡」の旅に同行することになる。

最初は家に帰りたがっていたハルだったが、旅を続ける中で父親への愛着を深めていき、最後には「解放されなくても良いな」とまで思うようになる。



ハルが抱くのは、恐らくあくまでも「愛着」。

「尊敬」の念ではない、少なくとも。

父親のダメなところ・ダメさ加減もきちんと受け入れて、受け入れられたからこそ、父親を素直に愛するようになる。

そんな「きれいごと」じゃないリアルさが、却って心地良かったですね。



しかし角田光代。

『空中庭園』読んだ友だちとも話したんですが、サラッと痛いところ突くよね!

目を背けたい弱さを、サクッと表現してしまう。

だけれど、それだけに付けられる傷は治りが早くて、何より、目を背けてはいけないそれらの部分を直視する勇気をくれる。

好感の持てる作家が増えました。



ハルの一人称で物語が語られていくのに合わせ、語彙が簡単・漢字も少なめ。

ちょっと長めの児童文学って感じ。

たまに出てくる文学的比喩表現が、周囲から浮いてて興醒めだけど、そこはご愛嬌かしらん。

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イサムノグチ展




はい、とゆーアレで。

東京都現代美術館で開催中のイサム・ノグチ展行ってきました。



ぶっちゃけた話、今までサッパリ意識してこなかったアーティストなんですけどね。

彫刻家だからかな。

どうも私、自分が立体作品作れない人間だからか、同じアートでも彫刻家には疎い。



しかしなかなかに楽しめる展覧会でありました。

すごく空間的バランス感覚がある人なんですね、イサム・ノグチって。

いかにも近代彫刻! な、抽象的形状の作品を作るんですけれど、どれもどこかしら安定感があるんです。

観ていて安心するんですよね。

『母と子』なんか、形状・色もテーマも優しくて、ほっこりした。

『エナジー・ヴォイド』も人を護って、安心させるタイプの「ちから」を帯びていた気がします。

あとアレ、写真で見るよりでっかいのね。びっくりした。



人格が安定した人だったのか……あるいは、異邦人的不安定さがあったから、形状の安定を求めずにはいられなかったのか……。



あとはやはり遊具でしょうか。

秀逸ですね、あのデザイン。

近代アートとしても鑑賞に堪えるし、子どもも楽しく遊べる。

天才児の感性そのままに、技術を身に着けたタイプの天才かな、と思いました。

ピカソとはまた別系統の天才肌だよね。



そうそう、「こどものためのガイドブック」っていう解説パンフレットが秀逸でしたよ。

作品リストの隣に置いてあるから、これから行かれる方はお手に取ると良いと思う。



画像は中庭の「オクテトラ」。

曇天のビル工事との対比が面白くて、背景まで含めて撮ってみました。

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