2005/10/23 Category : Art デ・キリコ展 巨匠デ・キリコ展@大丸ミュージアムやっと行ってこれましたよー。キリコも、実はよく知らなかった画家『沈黙のミューズ』と『不安を与えるミューズたち』は知ってるよ〜? くらいな感じ。知ろうとしなかったっていうかね。母親の葬式でもかおひとつ変えなかったマグリットが、キリコの絵を見て涙を流した……っていうエピソードで、きちんと知っておかなきゃとは思ってたけど、いかーんせーん、色彩とタッチが私好みじゃなくって。延ばし延ばしでここまで来たんですが。「まぁ、こういう人だったのね!」って思わせてくれる展示でした。展示の中心になっているのは、彼が80歳代に描いた、新・形而上絵画。ですから所謂「キリコ」と言われて思い浮かぶ作品群ですし、90歳で没したことを考えると、晩年に至った境地を拝見することになる訳です。ただ、私が興味を持ったのはむしろもうちょっと若い頃の、古典絵画の模写・デッサンです。上手いんじゃんなんて畏れ多いにも程があることを思ってみたりもして。。。あれらの、不安・切迫感がダイレクトに描かれた一連の作品を観て、初めて形而上絵画に漂う特異な雰囲気の正体がわかるのかな、と……。一見のどかな日常に潜む、ちょっとバランスを崩せばたちどころに現れそうな、不安。そして、それらを取り囲むように配された、三角定規や幾何学的な立体図形、何よりそれがキャンバス上の「寓意」であるというギリギリの安心感。だけど、『ヘクトルとアンドロマケ』に見えるこの親密さは本物の気がするぞ?……そんなことを、感じつつ……だからちょっと居心地の悪い、だけれど何周もしてずっと観ていたいような、そんな展示でした。そうそう、この人やっぱり大学で理系だったんだね。道理で。って感じだったよ。 画像は、大丸ミュージアムおよび松坂屋のサイトより。 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword