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紫式子日記

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『憂国』(関連資料とその内容について)


さて、『憂国』を鑑賞してきた訳だが。

そもそも私は、三島由紀夫について真剣に研究した経験はない。

ただ、私が好きな人たちの思想を探っていくと、三島由紀夫にたどりつく。



先日、山本タカト大展覧会で購入した『夜想』にも「三島由紀夫/死の美学」という小特集が組まれていた。



美輪明宏『愛の話 幸福の話』には、「わたしが愛した人々」と題する章に、三島由紀夫も名を連ねている。


愛の話 幸福の話
愛の話 幸福の話


森村泰昌『芸術家Mのできるまで』にも、「三島由紀夫あるいは、駒場のマリリン」というコラムが寄せられている。



芸術家Mのできるまで
芸術家Mのできるまで


それぞれの概要をここで紹介しておく。



◆ 『夜想』小特集「三島由紀夫/死の美学」



・ 『憂国』の演出を手掛けた堂本正樹のインタビュー「三島由紀夫と『切腹ごっこ』」

・ 写真家、矢頭保が撮影した「三島由紀夫切腹演戯」のグラビア

・ 詩人、高橋睦郎のインタビュー「三島由紀夫の切腹写真を撮った男、矢頭保の肖像」

・ 矢頭保の紹介ページ「OTOKOの物憂げな闇――写真家・矢頭保の世界」



以上の4企画から成る。



堂本正樹は三島について、


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『憂国』(映画そのものについて)


憂國
憂國




夫人の死後、三島邸の茶箱からフィルムが発見されたと大騒ぎになった「幻の映画」、『憂国』。

DVDが発売されると共に、現在キネカ大森で行なわれている「三島由紀夫映画祭2006」でも上映されています。
そちらを観てまいりました。



キネカ大森は大森のSEIYU5階という意外な立地にある映画館。

でもサイト観てみたらテアトル系の映画館だった。

妙に納得。

テアトル池袋で上映される『LOVEHOTELS』を観たいと思っていたんだ、ちょうど。



さほど広くない劇場内は、7割満席といった感じ。

平均年齢は高めかしらん。

1人で来ている30〜40代男性が比較的目に付いた印象。



一緒に行った友人と持ち寄った三島由紀夫関連資料を読みつつ待っていたら、照明が落とされる。
物憂げな『トリスタンとイゾルデ』が流れ出し、スクリーンに映った白手袋が巻物を広げはじめた。


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ロダンとカリエール展


国立西洋美術館といえば前庭の『地獄の門』! 『考える人』! といった具合に「ロダンの美術館」というイメージがありますが。

そこが満を持して開催した、ロダンと親友の画家・カリエールの「2人展」。



とかく、「アタマでアートする」ってことを欠いてきた私ですが、2人が象徴主義に属するということにも、この日やっと気付きました。

だって象徴主義って言ったら、「ベルギー象徴派展」で観たようなギリシャ神話とかサロメの物語とかを題材にしたオタクな流派をイメージしていたんですもの。

そもそも象徴主義とは何ぞや。

Wikipediaによると「人間の内面や夢、神秘性などを象徴的に表現しようとするもの」

あ、別に神話をベースにしてなきゃいけないわけじゃないのね。

結果的に題材に好まれるだけで……。



「人間の内面」

確かにロダンとカリエールは、生涯に渡りこのテーマに取り組みつづけた芸術家だったと言えるのでしょう。


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『空中庭園』


空中庭園 通常版
空中庭園 通常版


こちらも早稲田松竹にて。

原作は読んであったのですが、ほとんど別の作品! ってくらい、監督独自の解釈が加えられていました。

それがまた上手いんだ。

原作も良かったけれど、こっちもこっちで好き。好き好き。



カメラワークで、まず掴まれた。

ぐらんぐらん、ブランコのように左右に揺れる撮り方が最初から最後まで絶妙の使われ方をする。

酔いそうなんだけれど、それが「不安定な家族」をテーマにしたストーリーにぴったり合っている。



そして、原作にはない「空中庭園」のモチーフが増やされ、作品全体の統一感が出されている。

絵里子がマンションのベランダで育てる植物は、原作で描写されているよりずっと豪華で、まさに「空中庭園」。

食卓のランプシェードもバビロンの空中庭園を描いたものだし(あんなんどこで調達したんだろう)、娘のマナとホテルに同行する男の腹にはバベルの塔の刺青が入っている。



「繰り返し、やり直し……」

というおばあちゃん・サッちゃんのセリフから始まる「再生」も、映画オリジナルのテーマ。

これに「バベル男」の

「人間は血まみれで産まれてくるんだよ。泣きながら」

とが重なって、絵里子の生まれなおし、ひいては家族のやり直し……とつながっていくんですけれどね。

いゃー、上手かったです。

映画ってこういう風に作るんだね。



とはいえ、通底するコメディタッチ不気味さ・居心地の悪さは原作の通り。

「これ、学芸祭なんだー……」

などの名ゼリフも、そのまま活かされています。



おしなべて小説が原作の映画は、原作を上回れないものですが、これが私にとって最初の「例外」になりました。

監督クスリやっちゃったんだって? もったいないねー


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