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紫式子日記

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『文学部唯野教授』

文学部唯野教授
文学部唯野教授




大型連休につき、ひとり読書週間です。

怠慢文学部生です、村崎式子です。

今更こういうの読んでます。


一応小説って考えて良いんだろうけど、メインはストーリーではなく、架空の文学部教授・唯野氏の「文芸批評論」講義録。

焦ってストーリーを読みたいがために先を急ぐと、講義のシーンで何言ってるんだかわからなくなる。

知的マゾヒストにお勧めしたい一作。

(いや、浅かれ深かれ学問に携わってる人間は、程度の差こそあれ、SM性があると信じているけど)

しかもこの唯野教授が、覆面作家もやっていて、作中で自分の作品が批評されてるとかそういう、メタ文学っていうかメタ創作っていうかメタ文学批評っていうか。

筒井氏ならではの学術的入れ子構造。



各批評理論の入門にするも良し、解説書にはー……しない方が良いかもだけど、蓄えた知識の確認のため、この本に書かれていることを批判するのを目的に読んでみるもアリかな。

「批評理論」って書いたけど、批評の下敷きになっている理論は人文科学全体に影響してくる理論(だとこの本でわかる)なので、文学部生なら必読の書。



教授会とか、大学の運営システム・昇進システムまでわかります。

実はこっちのが興味深かったりして。

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