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紫式子日記

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アール・デコ展

東京都美術館アール・デコ展」にも行ってきました。

今まで「アール・ヌーヴォーの後釜」くらいにしか思っていなかったんですが、コレは結構タメになりましたよ。
そもそもアール・デコの何たるかから教えてもらえるエキシビジョンです。

タマラ・ド・レンピッカだけを目当てに行ったのですが、思わぬ収穫でした。



恐らくね、如何に合理性と装飾性を両立させるか? っていう問に基づく試行錯誤の決着点が、アール・デコだったんですよ。

だから画面からはみ出し、どこまでも伸びやかにたゆたうアール・ヌーヴォーとは異なり、限られた枠(それは原材料であり技術であり)の中で出来る限りのことを試している、という印象があります。

公式ページにもありますが、それこそが今日に至るまで工業デザインのテーゼなのだろうな、という感じ。



さらにこの展覧会では、アール・デコの「装飾」の方に影響を与えた古今東西の美術品も集められています。

エジプトとかアフリカとか、日本とか中国とか。

デュフィがプリミティヴ・アートを基にデザインした布地とかもありますよ。

こうやって観ると、油彩だけがデュフィちゃんの魅力じゃないねぇ、と再発見。



と同時に、作品のほとんどに50年代〜70年代の日本の匂いを感じてしまったワタシ。

アール・デコが登場したのが20〜30年代ですから、なるほど、大戦で文化の潮流が止められて、戦後日本にはその「大戦前」が輸入されて、一気に消化吸収されて(あるいは未消化で)今に至るのね、と。

なんだか「美」を感じる前に「現代日本史」に思いをはせてしまった次第です。



さりとて、タメになる展示会でした。

やっぱ実際に観るって大事ね。

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