2008/02/24 Category : Books 『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』本谷有希子 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫 も 48-1)表紙に山本直樹を起用するだけでもアレなのにこの次に出したやつが瀧波ユカリって、そらあんたえらいもんだぞと。ただものではないぞと。思いつつも、映画化されたよーな「メジャーな」本を読む私というのは私的にいけすかなくて、けっきょく今の今までビレバンでもスルーしてた本。人がふだん「ふた」をしているクサいものを容赦なく引きずり出す人なんだ……と思った。まぁそれやるのが作家の仕事なんだろうけど。田舎の人間の、「浮いた人」を見る目。自分をかっこいいと思い込んでいる「田舎じゃそこそこかっこいい部類」のお兄ちゃん。気を遣っていると口に出しながらぜんぜん気が利かないおばちゃん。あぁ、いるいる……あるある……。言いたかったことぜんぶ、本谷有希子が言ってくれてスッキリする。でもその「言いたかったこと」は つづきはこちら [0回]PR
2008/02/18 Category : Comics 『ブッダ』手塚治虫 ブッダ全12巻漫画文庫いまさら読んだ……。でも、今で良かったかもね。くりひろげられる残虐シーンに、人間の「業」を感じる。なぜ、手塚はタッタに最終的に修羅の道を選ばせたの?作品展開の緩急が不安定な気がする。やっぱり長編だから?晩年のgdgd感に、三島の『豊饒の海』が思い出されました。結論は真逆だけど、両方仏教がテーマだし、逆のベクトルって気がするな。 [0回]
2008/02/17 Category : Books 『崩れ』幸田文 崩れ (講談社文庫)すごく薄い文庫なのに、えらく時間掛かった……。幸田文ってわかりやすいけど歯が立たないんだよな。フシギ。晩年、地崩れ・地滑りに目覚めた幸田文が、日本各地の「崩れ」跡を「見てある記」。大自然の荒々しいエネルギーに呆然となる心境が、毎度の精緻な文体でさくさくと描かれています。対象がすでに崩れ、止まった「跡」だからか、いつもより立ち止まって物事を見ている印象。自身の激動の人生を、晩年に振り返る様とも重なります。そうそう、実は崩れそのものより、文章のそこかしこに挟まれる幸田文自身の「老い」を見つめる姿がイイ。「山より先に、お母様が崩れてしまったのですね――」と娘に言われて、素直に「子は母のように、母は子のようになっていく」なんて書ける辺り、やっぱり人間が出来ていると思う。 [0回]
2008/02/16 Category : Music 『Friday i´m in Love』Scala and Kolacny Brothers One Winged Angel最近出入りしている場所(あ、オンラインね)の関係で、合唱関係の情報がちょこちょこ入ってくる。そこで知った「Scala and Kolacny Brothers」という合唱ユニット。★公式サイト(※ニポンゴなし)ロックの人気曲を合唱でカヴァー、というのが中心のようで、ロック好き、クラシック好き、カヴァー好きの私としてもちゃんと聴いてみたいと思っているのだが、ちょっと、こいつを見てくれ。↓こいつをどう思う?「Scala and Kolacny Brothers - Friday i´m in Love」清らかな音楽にこの映像って、スゲー後ろめたいというか背徳感というか、むちゃくちゃエロいと思うんだが。。。アイドルユニットみたいにしたいんですかああそうですか(´・ω・`)視聴できます↓★Listen Japan [0回]
2008/02/15 Category : Music 『COLLECTION SIMPLE PLUS』ALI PROJECT COLLECTION SIMPLE PLUSベストアルバム『薔薇刑』も出ておるのですが、買った後輩から「ふつうのアルバムのがいいです」と言われ、タイトルに聞き覚えのある曲が多いアルバムをセレクトしてみた。13曲中、最初の6曲はいわゆる「白アリ」と呼ばれる楽曲で、歌詞もメロディも明るく、優しい色調。でも歯の抜けた感じというか、なんかこう、砂糖菓子ぽくてウソ臭さを感じる。やはり『コッペリアの棺』以降のダークな、短調の「黒アリ」が彼らの魅力を最大限に活かすテイストなのだな、と。後半の曲はどれも良いです。『未來のイヴ』って、四谷シモンの人形に澁澤が付けた名前だよね? つづきはこちら [0回]