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紫式子日記

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『少女地獄』夢野久作



『ドグラ・マグラ』は短編小説的な各部が折り重なってひとつの物語を作り上げていて、
その物語どうしの絡まりあいみたいなので巻き込まれるように引き込まれるという作品だったんですよ。

というのを、これと読みくらべて、思った。



「少女地獄」の、手紙の文面という設定の文章は結構好き。

夢野久作がドグラマグラ的手法を使うと面白いのは、
たぶんこの人が描こうとしている「イッちゃった」人間の心理が、
いろんな人のいろんな見方・考え方≒「ことば」で構成されてるからなんでしょう。

↑これって今でこそ言い古された、流布した考え方だけど、
夢野久作が生きてたのって100年前の日本なんだぜ? 凄くね??



あと何だか『少女地獄』に収録されていた作品は
「童貞的」な女性観をものすごく感じるよね。

「童貞」ってアレね、カラダがってだけじゃなくて、
精神的・形而上的な意味合いにおいてね。
そのものずばりなタイトルの作品も収録されてたけど(笑)。

すごくプロトタイプの女性像を感じた。
女性像っていうかファム・ファタル像だな。
かたや、無邪気・無意識的に残酷で無慈悲な「処女(少女)」。
かたや、意識的に「女」の魅力で男を破滅に導く「妖婦」。

そういう夢野久作自身の「視線」みたいなものも想像すると、
ちょろっと面白く感じられる。

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『モーニング2 Vol.11 2008年8月2日号』

まだ★G-Toolsで出てないので商品リンクなし。

『モーニング2』講談社Official Web



やはり山下和美『不思議な少年』のクオリティの高さはヤバいな。
さいしょ「本当は怖いグリム童話」みたいな始まりで
「あーあ」
って感じだったんですけど、盛り上げ方・巻き込み方がスゴかった。
でも前号のメリーさんといい、「題材」の取り方が「ありがち」になりつつあるかな……と心配になります。

男性は「お父さ~ん」だったんですね、言われるまで気付きませんでした。

不思議な少年 6 (6) (モーニングKC) 本当は恐ろしいグリム童話 (WANIBUNKO) 対訳 サザエさん〈9〉【講談社英語文庫】




『聖★おにいさん』も安定したクオリティ。
7月23日第2巻発売ですね、おめでとうございます。
がしがし稼いでほしいです。

聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)




オノ・ナツメ『COPPERS』、油断してたらすごくいい話だった。
デフォルメタッチで重い話描くなんて、卑怯(褒め言葉)だよな……。

オノ・ナツメ短編集TESORO~テゾーロ (IKKI COMICS) (IKKI COMICS) (IKKI COMICS) Danza (モーニングKC)




やまだないと先生の『BEATITUDE』は、隔月連載にしてあげてください!!

西荻夫婦 (フィールコミックスGOLD) コーヒーアンドシガレット

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集英社文庫「ナツイチ」2008 限定描きおろしカバー



荒木飛呂彦が川端康成の『伊豆の踊子』をッ!
浅田弘幸が中原中也『汚れちまつた悲しみに……』をッ!!
小畑健が芥川龍之介『地獄変』と夏目漱石の『こころ』をッッ!!

それぞれ描くゥーッッ!!




集英社文庫の「夏の一冊 ナツイチフェア2008」で名作のカバーを人気マンガ家が手がける特別企画が行われる。
6月下旬から全国の書店でフェアが開催される。

カバーは『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズで知られる荒木飛呂彦さんが川端康成の『伊豆の踊子』を、『テガミバチ』の浅田弘幸さんが中原中也の詩集『汚れちまつた悲しみに……』を、『デスノート』の小畑健さんが芥川龍之介の『地獄変』と夏目漱石の『こころ』の表紙を描く。
これらのカバーは1年間限定発売となる。
また、7月19日発売のウルトラジャンプ8月号には、特別付録に荒木さんの『伊豆の踊子』特大ポスターが付く。

2006年には同フェアで『ハチミツとクローバー』の羽海野チカさんが『ふしぎの国のアリス』のカバーを描いている。
また、2007年には小畑健さんが太宰治の『人間失格』のカバーを描き下ろした新装版が発売され、『デスノート』風のイラストが中高生を中心に話題を呼んだ。
部数も1か月半で75000部と、昭和の文学作品としては異例の販売数を記録した。
例年行われていたマンガ家と文学作品のコラボレーションが今回、4作品に増加したのは昨年の商業的な結果があってのことだろう。

今回、人気マンガ家たちが描く4作は『人間失格』同様、中高生向けとしては定番の作品ばかりである。
例年、出版各社は夏に向けて読書感想文に向けたフェアを多数展開している。
同じ文学作品がいくつかの出版社から発売される際、こうした馴染み深いイラストは他社との差別化となり、購買意欲を促すことになるだろう。
さらに、熱心な読者を多く抱える作家たちであるため、コレクターアイテムとしての売れ行きも見逃せない分量がある。

集英社文庫 夏の一冊ナツイチフェア(2008年6月26日オープン)

ウルトラジャンプ

(★「アニメ!アニメ!」2008年6月23日記事より)


まぁきっかけはどうあれ、重い文学を読んで悩むのは
若い日に必要だと思うよ、うん(´・ω・)



『汚れつちまつた……』は買おうかなぁ。
浅田センセだしなぁ。

浅田弘幸は元々中原中也ファンなんですよ。
画集のタイトルも彼の詩から取ってるくらい。

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「誌上のユートピア」展@愛知県芸術文化センター


愛知芸術文化センター 公式Web

名古屋にビアズリーが!!!

というだけで観に行く価値はあると思います。
イャまじで。興奮して叫びだしそうになった。

『サロメ』の原画ぜんぶ来てたよ。
っていうか、あれ★うらわ美術館の所蔵なんだな。
さいたま県侮れねぇや。



今回の展示、テーマは美術雑誌
ビアズリーが携わった★『イエロー・ブック』だけじゃなくて、
ミュシャが関わった★『ココリコ』、クリムトが会長をしていた
ウィーン分離派の機関紙、★『ヴェル・サクルム』など
19世紀末の貴っ重~~~~な美術雑誌の
現物が拝めます!! 現物です! 現ナマです!!!

とはいえ、ヨーロッパ世紀末の美術雑誌コーナーは第1部のみ。
メインは、同時代にそれらの影響を受けながら発展し、
美術界の展開を伝えるだけでなく美術をリードした日本の美術雑誌です。



時代がジャストではないけれど、
全体としての印象は「大正モダン」

竹久夢二とかも来てたし、
そういうテイストが好きな人には
たまらんのではないかなぁ。

当時の装丁・書籍デザインって、シンプルなモチーフと
絶妙な色合いがスバラしいなぁって思いました。

最低限の形状と色彩でどうにかしてるのは、
印刷技術とかが制限されてるせいなんだけれど、
技術が独特の芸術手法を生むって矢印もまたアリなんだよね。

たとえばビアズリー、たとえばミュシャ。
彼らの線画は、印刷物にすることを
目的としていたから生まれたものでしょ。



あとはやっぱり「文化とは触発されること」っていうか……。

特にこの時代の日本美術ってそうだと思うんですよね。
展示されてる雑誌の表紙とか見ても、ミュシャのパクリだったり(笑)。

それでも日本的テイストを保持しようとしてるところに
「愛憎」のような……東洋的なものへの呆れと愛着、
西洋的なものへの憧れと警戒
、のようなものを感じて好きです。



そこ行くと青木繁ってスゲーな、と思った。
『海の幸』の印象が強いけど、あれって
あの人の作品の中では凡作なんじゃないかと思う……。

明らかにラファエル前派の影響受けてるけど、
日本神話に題材を取った『わだつみのいろこの宮』とか
見事な東西文化の融合だと思う。

東京国立近代美術館過去ログ
「青木繁と近代日本のロマンティシズム」展


今までこんなに青木繁に感心したためし無いんだけど、何でだろ。
ナマ絵を一気に観るの、初めてだったからかな。

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『 スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド』

観てまいりました@★イメージフォーラム・フェスティバルin名古屋。


↓UKアマゾンの商品ですが、ニホンゴ字幕あり。
リージョンフリーだからニホンでも観れるよ。
The Pervert's Guide To Cinema (REGION 0) (NTSC)
The Pervert's Guide To Cinema (REGION 0) (NTSC)

↓イントロダクションだけ見れます


スラヴォイ・ジジェクというラカン派精神分析家が、
深層心理等の切り口から映画を批評するドキュメンタリー。

主たるテーマは、映画に見られる「現実」と「幻想」の関わり
「幻想」は「欲望」とも言い換えられます。



冒頭で『マトリックス』が例に挙げられ、
「幻想を生み出す装置」であるマトリックスは、
すでに我々の社会に組み込まれている
と述べられます。
マトリックス

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