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紫式子日記

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『グラビアン魂』みうらじゅん×リリー・フランキー






グラビアは奥深い。

ということを、とくと教え諭される1冊。

この

「参りましたっ ごめんなさいっっ!!」

感は、『女子の生きざま』以来かも知れぬ……。



もちろん男子向けの出版物です。

が、今私の中で最も熱い男たち:二大巨頭のみうらじゅん&リリー・フランキーの両者が手掛けてるときたら、買うしかないわなコレ。



『SPA!』の連載企画「グラビアン魂」をまとめた臨時増刊です。

みうらじゅんとリリー・フランキーが、グラビアアイドルの既刊写真集を見ながら、

「この子はこうした方が良いよね」

「これはやらせちゃダメだよね」

と、理想のグラビアを構想。

その意見を反映したグラビアが撮られる……という、「男のロマン」な企画です。

この増刊はグラビアだけでなく、その構想を練る対談も袋とじで付いています。

むしろ対談のがメイン。



感銘を受けたのはこの会話。(L:リリーさん M:みうらさん

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『ガール』奥田英郎


ガール
ガール




帯コピーが秀逸。

30代。OL。文句ある?」

でも実は作品の要点を的確に表しているのは、裏の

「きっとみんな焦ってるし、人生の半分はブルーだよ。

 既婚でも、独身でも、子供がいてもいなくても。」


だったりする。



既婚・独身・バツイチ子持ち……いろんな立場だけど、「働く30代女性」という共通点を持った女性たちを描いた中編集。

作者が男性ってこともあり、「三十女のホンネ」というよりは、「三十女にはこんな風に前向きでいてほしい」という姿勢の方が強いかも。



扱われている言説もベタなものだし、どの話ものどかなハッピーエンドだし、作品としての目新しさは無いかな。

でも読後感が爽やかです。

文体の穏やかさもあり、読んでいて安心できる本でした。

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『マニマニ』宇仁多ゆみ


マニマニ
マニマニ




帯の「浅田弘幸大推薦!!の文字に、呼ばれた。



行き遅れ・シングルマザーなど、いわゆる「イレギュラーな」ライフスタイルを送る女性たちを描いた短篇集。

でも「女性は自立するべき」というようなアジテーションものではなくて、そんな生活の辛さ・楽しさ両方を、ストレートに描いている。

こういう絶妙のさじ加減は、流石FEEL youngですね。



絵も可愛い。

線がサラサラしていないところが、かえって親しみやすさを感じます。

主人公どうしが親戚だったりして、全部の作品がつながってるのも嬉しいですね。

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『こんなにも恋はせつない』唯川恵選


こんなにも恋はせつない
こんなにも恋はせつない




実はそんなに活字に耐性のある人間ではないので、短篇集の類は非常にありがたい。

特にアンソロジーは、1冊分の価格で何人もの作家の作品が読めるので、得した気分になる。



このアンソロジーはまず、執筆陣がすごい。

江國香織、田辺聖子、林 真理子、山田詠美、唯川 恵 等々、当代の女流ビッグネームが並ぶ。



加えて、内容がすごい。

いずれの作品も、壮絶なギリギリの恋愛感情を描いている。

少女が、相手の青年にとって「忘れられない子」になるためにとった行動を書き留めた、江國香織『焼却炉』

自分のためなら「何でも」する青年に、戸惑いつつも揺さぶられていく女性の心を緻密に追った、小池真理子『倒錯の庭』



全てが張り詰めたように危うく、狂おしい。

しかし、須らく恋愛感情にはこういう側面があるのではないか、とも思わされる。

思い詰める感情、という側面。

選者の唯川恵自身も、後書き(むしろエッセイ)『恋愛――この割に合わないこと』の中で

「まるで恋愛に柔らかく首を絞められるように、恍惚と恐怖に揺れる女性たちが登場するということで、心惹かれた作品ばかりを集めさせていただいた。」

と述べている。

「人魚姫」に端を発した、唯川氏独自の恋愛観も語られている。

この後書きだけでも必見である。



阿部定やサロメに共感してしまう女子の皆さまには、特にオススメ。

男子の皆さまは、怖いもの見たさでドウゾ。




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「木之下晃写真展 世界の音楽家」


一泊帰省中です。

今夜帰京します。



地元美術館行ってきました。





開催されていたのは、「木之下晃写真展 世界の音楽家」展。

木之下晃さんは、世界の一流音楽家たちの写真を撮る「音楽写真家」の方です。



その木之下晃さんがこのたび茅野市美術館に作品を寄贈してくださったということで。

その記念展でした。

寄贈作品は40年間の集大成で、その数なんと104点!

太っ腹です。

その中にはカラヤン、小澤征爾、マリア=カラス、朝比奈隆、ヨーヨー=マ……といった、私でも知っているビッグネームの写真も!

木之下さんは音楽家のプライベート・フォトも撮られるのですが、寄贈・展示された作品は演奏中の姿のものでした。



いゃー、カッコよかったです。

音楽家の表情を精緻に捉えている。

モノクロならではの業だと思います。

そして、音楽家ひとりひとりの人間性がよく表れている。

同じ「指揮している姿」でも、その表情・動き・醸す雰囲気は指揮者それぞれ。

その個性が見事に表されているんです。

写真家も被写体も一流……。

一流同士の合作とも言えるでしょう。

カッコよくない訳がない。



寒い高原の町ですが、アツいもん見させていただきました! ウス。




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