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紫式子日記

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『731(+1095)』スガシカオ


731(+1095)
731(+1095)




スガシカオはずるい。

というのを、最近友人と顔を合わせるたびに言っております。

「あれだけイケメンな上に、あのハスキーボイスずるい。」



つまり我々はスガシカオのことが大・大・大っ好きだというのが結論です。

そんなスガシカオのデビュー5周年記念本です。

彼は今年デビュー10周年を迎えるので、5年前の本なのですが。

表紙がいい男すぎて正視できません



リリックス集です。

なので、コンテンツのメインはデビュー〜2002年に作られた楽曲の歌詞です。

リリックスは年代ごとに分けて並べられ、それぞれの年、スガシカオがどういう状況にあったのか解説が付けられています。

これが結構タメになります。

「あー、これ作ったときやっぱりツラかったんだー……」

とか、そういう背景をうかがい知る上で。



それ以外には、オフィス・オーガスタ代表 森川氏による「スガシカオとの出会い」「遅れてきた青年」、インタビューwithスガシカオ、スガシカオ本人による「あとがき」。

「出会い」では奇跡としか言いようのないデビューまでの経緯を知ることができます。

「あとがき」で、

「やっぱこの人散文も上手いよなー」

とかうなってみたり。

あと文体がなんだか可愛いんですよ。不思議。



スガシカオ好き必携の1冊! とまでは言いませんが、知っておくとより「奥行き」を感じることができる内容ばかりです。

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藤田嗣治展






なっ……何百年ぶりの美術館だよ!

ってくらいゴブサタでしたね、美術展。

やっと行ってこられましたよ。

ブックレビューも良いけれど、やっぱり紫式子日記にはアートだよね。



藤田嗣治展@MOMATです。

もう、メトロでポスターが貼りだされた年明けからずっと楽しみにしてたんだけど!

すっごく嬉しい。



ちょうど正午くらいに行ったのですが、人は多かったです。

期間中ずっとこんな感じかなー……。



フジタは比較的好きな画家のひとりだったのですが、絵を時代順にまとめて観る、という経験は初めてでした。

当時海外でも活躍していた唯一の日本人画家、ということでそのユニークさばかりが注目されがちですが、他の画家との関わりも着目すべきポイントですね。

特に初期のモディリアーニに影響された画風なんか。

壁画はリベラの作品に感銘を受けて、とか。



フジタというとどうしても「乳白色の肌」のイメージばかりが先行しますが、他の画家同様、様々な技法を試しに試してそこに至った(戻った)のだな、と。

女性画・宗教画なんかは、初期と後期とで一見似ていますが、後期の方が重厚で対象への愛を感じます。

子どもとか描くようになるしね。

初期のものも好きですが、極細の線への偏執的こだわりというか、技巧的な部分が目立ってしまって、比べると後期に軍配を挙げざるをえないかな、と。



5月21日まで。

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『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹


ダンス・ダンス・ダンス〈上〉



ハルキの創作は、高校生のときにあらかた読んだんですよ。

この『ダンス・ダンス・ダンス』を除いて。

なんでかって、うちの高校の図書館に文庫本がなかったからってだけのハナシなんですけどね。



という訳で、初期〜中期ハルキとは実に4年ぶりの再会です。

『スプートニク』『カフカ』『アフターダーク』も一応読んだけど。

やっぱり、

「これでこそハルキ!」

って気がしてしまう。



「ハルキの中では『ダンス・ダンス・ダンス』がいちばん好き」

って方を3人ほど知っているのですが、なるほど納得です。

ハルキ作品の中でも珍しく物事に一応の「けり」が着いているし、それなりにハッピーエンドだし。

キャラクターが多くて、かつ魅力的ですしね。

飲食のシーンが多くて濡れ場が少ないっていうのも好感度の理由かも。



ただ『ねじまき鳥』読後ほどのハッピー感はなかったです、私にとっては。

でもハルキ作品読み返したくなりました。

ちょっと時間足りないけどな。



あと、発見。

スガシカオをBGMにしてこの頃のハルキ作品を読むと、すごく合うよ。

すごく、合う。
オススメ。



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『花田編集長! 質問です。』花田紀凱


花田編集長!質問です。―出版という仕事で生きる
花田編集長!質問です。―出版という仕事で生きる




2日連続で出版社の選考を受け、ふらふらしていたところ。

つい、手に取ってしまいました。



『週刊文春』などを経、現在『編集会議』の編集長をしている花田氏が、読者からの質問に答えるというQ&A形式。

辛口の『白石さん』出版社バージョン、といった趣です。



現役の編集者・ライターからの質問もあり、ちょっと生々しい。

返品率・広告費・モデル代など、一般人は知る機会がない数字の話も出ており、興味深かったです。

出版社志望・編集者志望の就活生は、読むとモチベーションになるかも。



そして生和寛さんといいこの方といい、やっぱり編集者の書く文章はカッコいい

あとがきに痺れました。

文章が簡明・簡潔で、無駄がないんです。

ほんとカッコいい。

内容は編集者という職業の楽しさについて。

これまた必読。

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『ないものねだり』中谷美紀


ないものねだり
ないものねだり




中谷美紀、初エッセイ集。

an・anでの連載『男子禁制!?』を単行本化したものです。



内容は多岐にわたり、グルメ・習い事といった同世代の女性にも共有されるものから、女優業に関して思うことまで、様々。

ことばの端々に、現状を見極めつつ、進歩・成長していこうという意欲がのぞきます。

そしてそれらが、中谷氏のイメージそのままの、透明感のある、けれどキュートな文体でつづられています。



てゆーかまじで文才ありますねー。才女、才女!

毎回半ページ、1200字の原稿なのですが、きちんと序破急が付いていて、慌しい感じも尻切れトンボな印象もない。

漂わせる知性はフェイクじゃないですね。

これからも芸能界で特異な存在感を放っていくのでしょう。

少なくとも、これを読むと、そんな気がしてきます。



ちなみに、タイトル「ないものねだり」は、巻末に収録されたエッセイから。

本来何にも縛られないのが好きであるにもかかわらず、安定をほしがっている自分もいる。
そんな「ないものねだり」について書かれています。

ちょっと共感を覚える一作だったので、特記しておきます。

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