2006/04/06 Category : Books 『ひなた』吉田修一 ひなたちゃんとひなたで体操座りして読みました。なんとなく、そうやって読むのが良い本だと思った。『パーク・ライフ』から『日曜日たち』を経て、どんっどん良くなってますね、吉田修一。文章からわざとらしさがなくなっていく。これまた家族モノ、各メンバーの一人称・バトン形式です。そういうところで、私の中でちょっと『空中庭園』とかぶった。実は何らの問題も解決されていないのに、ほのぼのが全体を覆っているところとか。読んだ後に残る、「和むんだけど、これで良かったのかなぁ」感がある。その、後引く感じが持ち味なんだろうな。 [0回]PR
2006/04/04 Category : Books 『空中庭園』角田光代 空中庭園映画が公開されたあたりで一回手に取ったんだけど、何だか読みづらく感じて、今やっと読みました。そいや映画も観ずじまいだ。。。『キッドナップ・ツアー』と言い、この作品と言い……すっごいな、この人。痛いところ切り裂きまくり。みーんな必死で、みーんな精一杯生きているのに、通じない・すれ違う・ずれあっている……。そんな痛々しさをまっすぐ描くんです。なのにコミカルで、ほのぼのしている。というか、ほのぼのしているからこそ余計怖い。おまけに上手いんです。職人芸かと思わせるくらい。これは短篇集なのですが、登場人物は共通しているんです。ひとつの家族で、家族の各メンバーが各6話の語り部になっているんです。角田光代にしてみれば1人6役なのですが、これが上手い。価値観も主義も違う6人のことを、よくこんなにわかっているなー と。これは偏見かもしれませんが、、、男性作家が女性一人称で書くものより、女性作家が男性一人称で書くものの方がリアリティがあるかもしらん。男性による女性一人称で見事だと思うのはスガシカオ『サナギ』くらいかな今のところ作家じゃないけど [0回]
2006/04/03 Category : Movies ナルニア国物語 予告編に気圧されて、観てきました。ただ、『ロード・オブ・ザ・リング』をTVで観たばかりなので、どうしても比べてしまう。戦闘シーンが冗長。ミュート・スローモーションが多くて。でも、登場人物・キャラクターのかわいさなら、こちら。そこはそれ、ディズニーだからな。子どもに見せたいのはこっち。子役が秀逸。ルーシーの利発さは言わずもがなだけれど、いちばん萌えたのはエドマンドだろう!ああいう生意気ガオ好きだー。公式サイト見たけど、いちばんオーディションが難航したのが、このエドマンド役らしい。そりゃそうだ、従順さと反抗的な表情、ひとつの役で出すって難儀だよ。ところで3人以上の兄弟の場合、下から2番目がハブになる って法則は、洋の東西を問わないのでしょうか。。あと、タムナスさんがすてき。ねぇ、裸にマフラーってえろいよね。 ←またそういう話を、、、あと、『指輪』の方にも種族ごとのカオってのがあったけど(ホビットは正方形気味、エルフは面長)この世界にも「フォーン顔」「ケンタウロス顔」があるのね。前者はタムナスさんに代表されるような甘い顔で、後者は精悍な顔つきです。そんな、細かーいところに笑ってました。……キャラ萌えする映画ってことですか、つまり!? [0回]
2006/04/03 Category : Books 『スローグッドバイ』石田衣良 スローグッドバイ『娼年』に引き続き、読んでみました石田衣良。一発で変換できないから、辞書登録しちゃったよ石田衣良。こちら、恋愛モノばかりの短篇集。批評家ウケするのは『娼年』の方かもしれないけれど、一般の感覚として好まれるのはこっちかも。「ちょっと甘口でもいいから、読み終わったあとで心地よい酔いを残すようなラブストーリーにしたいな。」という本人のあとがきどおりの甘ぁ〜い仕上がりです。石田衣良の作品って、やっぱちょっと照れくさいんだよな。『娼年』もこれも、お酒片手にほろ酔い状態で読みました。素面だと痒くって。。ジェントルすぎるっつーか。いちばん弱いところをくすぐられる感じ。……モテるんだろうなー……。痒い痒いと言いつつ、いちばん好きなのは? って訊かれると困る。全作品とも、良い。うーん、敢えて3つ上げるなら『泣かない』『フリフリ』『ローマンホリデイ』かな。映画や仕草など、小道具の使い方が後引くタイプの作品ですね。あと、女性一人称で書かれた『ハートレス』『線のよろこび』は、大塚英郎『ガール』とちょっとかぶった。他人の生活にすごく想像力をめぐらせるっていう点で、創作姿勢が似てるんですよね、この2人。でもやっぱり石田衣良は男性一人称が好きだなぁ。感情の機微の描写が瑞々しくって。「モテるんだろうなー……」って感じするし・笑。 [0回]
2006/04/02 Category : Books 『ぼっけえ恋愛道―志麻子の男ころがし』岩井志麻子 ぼっけえ恋愛道―志麻子の男ころがし「ほっとくと式子はこの人みたいになっちゃう」1年前、この本を見せられながら男友達に言われた台詞です。1年のブランクを置いて自分でこの本を読み、なるほどと思いました。なるほど、自分の文章を読んでいるように共感できるよ。シモネタの度合いも似てるよね。ココナッツジュースって先生。あるいはマッコリね。「日韓併合よりショック」とか、電車の中だったけど笑っちゃった。いやもう出版物としての存在意義より、これだけ私に近い人間がこの世のなかに存在するっていうのに、嬉しくなっちゃった。私の適職は《岩井志麻子》なのかもしれません。出版物として存在することもすごいけどな。太田出版にしかできない仕事、っていう。 [0回]