2006/01/10 Category : Music 『ニヒリズム』及川光博 ニヒリズム Greatestミッチー(当時・王子)が「綺麗になりたいのなら裸を見せてごらん」とか「美意識を高めなさい」とか耳元で囁いてくれます(「理想論'99」)。幸せですね。いえ大事なのはそんなことではなくって、ミッチーが本当に頭が良いのだということです。詩がね、文学です。椎名林檎といいとこ勝負。もどかしい、愛憎と言うほどではないにせよ、恋につきもののアンビバレントな感情をことばに表すのがとてもお上手。「別れる気なんてないくせに いつも不安だけ集めて いたずらに ぶつけあう ダメな恋人さ」(「フィアンセになりたい」)ですとか、「どうして 僕は最後まで君を 愛しきれずに 憎みきれずに いたのだろう」(「展望デッキ −夜間飛行−」)ですとか。あと、7年前のアルバムとは思えないほどメロディが瑞々しい。ディスコ調だったり、バラードだったりと、決して新ジャンルを確立した訳ではないけれど、耐久性のある楽曲とでも言いますか……古びないメロディをよくぞ選んでいるな、と脱帽です。《○○系》などのカテゴリで括られない、あくまで《ミッチー》であることの強さ、みたいなものも感じますね。 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword