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紫式子日記

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『ベルリン・天使の詩』


ベルリン・天使の詩
ベルリン・天使の詩


映画にしか出来ないワザを余すところ無く使ったような映画。

しかも、いいシブ味醸してます。



舞台は「壁の崩壊」前、1980年代半ばのベルリン。

永遠の時間を生きる、天使・ダミエルが主人公。

彼は人間の、「不完全さ」ゆえに生じる歓び・触覚などに憧れを抱いています。

やがて人間の女性・マリオンに恋もします。

それが云わば契機となり、「流れに身を置き」、自身も人間の肉体を手に入れるのです。

そして夜の街でマリオンを見付けだし、2人は結ばれます。



ストーリーとすればそれだけなんですけれど、映像とか、それを通して語られる哲学性が、すごい。



天使の目に見える世界はモノクローム、という設定なんですよ。

ですけれど、ダミエルがマリオンに出会った最初の瞬間だけ、画面がフルカラーになるのです。

そして、ダミエルが人間になった後は、ずっと。

ダミエルの仲間の天使・カシエルも地上を傍観しているのですが、彼の視界は変わらずモノクロームなのですね。

だから、その場面の「視線の主」、小説で言うところの「一人称」が誰なのかが、映像だけでわかるようになっているんです。

フルカラーになった画面の(ひいては世界の)美しさを引き立てる効果にもなっています。



脚本も上手かった!


台詞は必要最低限なんです。

ほとんど映像に語らせる。

(特に、ダミエルが人間になってしまった後のカシエルの表情は絶妙!)

ただ、ホメロスという「語りの天使」が登場するんです。

彼が、天使と人間とで異なる「時間」「歴史」といった概念についての難解な詩を詠じるんです。

それが映画の重厚さをグッと増しているんですね。



スペシャルゲスト・刑事コロンボも良かったぁ・笑。

ちゃんとピーター・フォーク本人が演じてるんですよ!!

彼も、人間として生きることを選んだ元・天使だ、という設定なのです。



しかし、コレ。

いちお、「人間讃歌」「人生讃歌」の物語ではあるけれど、有り体に言えば「堕天使」の話じゃんねぇ。

よかったんか、キリスト教圏で上映して。

ドイツだからか……?

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