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紫式子日記

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『ライチ☆光クラブ』古屋兎丸


ライチ☆光クラブ
ライチ☆光クラブ



私も大人になったもので、とうとう古屋兎丸の新刊正規価格で買うようになりました。

古屋兎丸との出会いは「ダ・ヴィンチ」に連載されている1ページまんがでしょうかね。

当時は古屋兎丸=アングラダークな絵を描く人、という先入観があって(それもあながち間違いではないんだけれど)、どうしてもあのスタイリッシュなタッチと結びつかなかった……。

それが「エロティクスf」に連載されているこの作品を観て……まぁ主人公がキレたメガネくんだったってのが大きいですよね……単行本を買うまでになるとは

初めて「ダ・ヴィンチ」を立ち読みした高校生時代の私に言ってやりたいですよ。



閑話休題。

古屋兎丸ってだけで充分アングラなんでしょうが、この作品、元はアングラ演劇だったそうですね。

(参考:Wikipedia「東京グランギニョル」

やけにロケーションが閉鎖的だなぁと思ったら、そういうことだったのか。

そういうこともあり、古屋兎丸の作品の中でも、画面に占めるの割合が多めだと思う。

少なくとも『π(パイ)』の蛍光灯みたいな明るさはない。



ストーリーとしては、人間の情(感情・愛情)とは? というのを、残虐な少年たちと彼らによって造られたロボットとの対比も交えながら、逆説的に描くコミック・ノワール

ストーリーとしては呆気ないんですし、残虐なシーンも多いのですけれど、描かれているものは重くて暖かいです。


π 9 (9)
π 9 (9)

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