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紫式子日記

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『パーク・ライフ』吉田修一


パーク・ライフ
パーク・ライフ




表題作と『flowers』の二作を収録。

『日曜日たち』を読んだときに得た感覚が、再び。



吉田修一の作品って、「日常に潜む非日常」というか、「無害なんだけど奇妙な感覚」のレポートみたいなところがあると思っていて。

『パーク・ライフ』で一気に風景を目に流し込んで「くらくらする」とかね。

スタバの女性客の話とか。

けれど、村上春樹みたいに異世界には行ってしまわない。

あくまでも日常の中で、それらの感覚は泡みたいに水面に顔を出す。

そして吉田修一は、それらの感覚を提示して、どうすることもない。

それゆえの居心地の悪さ、放っとかれている感があったりします。

嫌いじゃないけどね、そういうの。



あと、偶然起こる複数の出来事が、互いに結び付けられる。

「いやいや、それはさすがに出来すぎだろ〜」

とツッコみたくもなる。

けれど、その結び付きから粋なエンディングが出てくるから、

「まぁいいか」

ともなる・笑。



『flowers』は、ちょっと毛色が違いましたね。

居心地悪さが、あくまでも日常に取り込まれていってうやむやにされてしまう感じ。

実際そういうシーンもあるんだけれど。



焼き魚自体は美味しかったんだけど、のどに1本小骨が刺さってる みたいな読後感。

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