2005/08/26 Category : Art フィリップス・コレクション展 森美術館のフィリップス・コレクション展。実は行かないつもりだったのですが、友だちに薦められて行ってきました。会期ぎりぎりなのはそのせいです。なんで行かないつもりだったかって言うと、ミーハーっぽかったからwチラシがいきなりルノワールだなんて、ヒネリがないにもほどがある! つって。 ←天邪鬼でも行って良かったですー。私の得意分野ではありませんでしたが。。。 ←しつこい同美術館サイトの紹介によると↓ワシントンDCにある「フィリップス・コレクション」は、ダンカン・フィリップスが築いた世界有数の個人コレクションを基に設立されたアメリカ初の近代美術館として知られています。本展は、2,400点にものぼる同館の所蔵品から、ダンカンがコレクションの中核にすべく購入したルノワールの《舟遊びの昼食》を中心に、エル・グレコ、ゴッホ、セザンヌ、ピカソ、マティスなどの絵画56点と、ロダン、ジャコメッティらの彫刻4点を一挙公開する特別展です。美術に接することが少ない人でも、本や雑誌で観たことのある「あの絵」に出会えることでしょう。いやホント最後の一文の通りでね。知らない画家がほとんどなかった;まぁ、入っていきなりエル・グレコとゴヤですからね、この時点で「スミマセンッ!」って感じですよごめんホント、ナメてかかってました……。やっぱり見所はルノワール『舟遊びの昼食』ですかね。「笑いさざめく」という表現がぴったりだと勝手に思っているのですが。。。フワフワした筆のタッチが、平穏で和やかなふんいきを見事に描き留めていますよね。絵全体に散らされた朱色が効いてるんだな、また!毎度のことながら、溢れ出る幸せさにナミダ出ました(実話)。 ルドンが観れたのも良かったです。モロー観た後って、サロメつながりって言うか幻想つながりみたいなので、ルドン観たくなるんですよね。あと、油断してたのは生デュフィ。不意を衝かれましたよガッデム!好きなんですよねー、デュフィ。「観る音楽」。今回来てた『オペラ座』も、まーバラ色で歓びに満ちてて。再度感涙wあのサッと平面塗りしている上に、伸びやかなライン描きこむ手法がたまりません。あれはホント専売特許だよね。デュフィしかやっちゃいけない。ピカソも良かったねー。『横たわる人物』の前で、カップルと思しき二人連れが、「これがおっぱい、これがおしりでしょ?」「やだー」みたいな会話していましたが、「これはこういうノリで観るべき絵なんだろうな」と思いましたよ、ホントに。たぶんピカソ自身がそういうノリで描いた絵だもんwこの他いろいろ……。分類だけ並べても 17、19世紀のスペイン絵画 18世紀のフランス絵画 新古典主義とロマン主義 19世紀のイギリス絵画 バルビゾン派 写実主義 マネ 印象派 ルノワール 後期印象派 シャヴァンヌ ロダン 象徴主義 ナビ派 デュフィ 素朴派 表現主義とバウハウス キュビスム マティス ジャコメッティと、多岐に渡っています。この多様性がまたフィリップス・コレクションの売りなんだと思いますが、それにも拘らず、統一性のある作品群だったと思いませんか? >行かれた皆さんダンカン・フィリップスが調和を重視してコレクションしたからだ、みたいな説明もありましたが、私はそれだけではないと思うんです。ここに集められているのは皆、「幸福の絵画」なのではないでしょうか。父・兄を亡くしたダンカンが、人生を美しい絵画に囲まれて過ごすことに決めたのがフィリップス・コレクションの発端なのですから……ここにあるのは悲愴さのない、幸福な絵画のはずなのです。だからゴーギャン・ゴッホなんかも、彼らにしては色彩の穏やかな、「意外な」作風の絵が選ばれていたのだと思います。そして私が冒頭で「私の得意分野ではない」と申し上げたのも、この一点により……。幸福に満ちた絵画って、観てて幸せではあるんですけど、なんか一歩「退いちゃう」んです。何て言うか、敬遠しちゃうって言うか、「幸せすぎてこわい(場面違)」みたいな。いや、でも、純粋に名作揃いの、ハイレベルな展示でしたよ。今回の教訓。「食わず嫌いするべからず」。名画は観ておくべきですね、ホント。 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword