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紫式子日記

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ギュスターヴ・モロー展(前期)


やっと行ってこれました、Bunakamuraのギュスターヴ・モロー展

モローは、気づいたら好きになっていたって感じですね。。。

普段はそんなに意識していないんですが、語りだすとアツくなっている自分に気づきます・笑。



毎回印象に残るのは人物の肌の蒼白さ。

屍体みたいに塗るんだよね。

でもそれがかえって美しく際立つんだよなぁ。

変に生々しくないから、素直にきれいだと取れるのか……。

生命力に満ちた状態というのは、実は醜いのか……。

モローを見ると、そんな「死と美」の親しさについて考えてしまいます。

この絵なんかはモロ死人だけど。



あと、描かれる人物の中性性も再認識。

男とも女ともとれる、そしてどちらでもない無性性。

知ってる人は知ってると思うけど、村崎、こういうの大っ好きなんだよね(照)。

現実味を帯びていない故の美しさ……なのかなぁ……。

男/女、どちらかに限定すると、どうしても生々しさが出てしまうのか……。

モローの絵って、矢張りこういう非現実・ありえないものへの憧れを掻き立てます。

今回男女の判別がいちばんしにくかった絵。

恋人を喪った、モローの現実の悲しみを反映している絵であるにも拘らず、

描かれるものはなおも幻想的、というのが興味をそそります。





今回の展示は、分け方が面白かったですね。

テーマ別。

そうやって分けることによって、かえってテーマに関わらずモロー作品全体に共通するものが浮き彫りにされていたように思えます。

「神秘的なもの」を求めていた画家、という印象がありますね。

そして抱いた憧れを、神話なり聖書の説話なりに託して表現していた、っていう。

だからそれぞれの絵の題材は違っても、共通する観念みたいなのがあると思っていて。

どの画家もそうかもしれないけれど、モローは特にわかりやすいような……。

そしてそれは「女」の脅威なり、死の香りであったりすると考えているんですけどね、私は。



ただ、ちょっと食い足りない印象もありますが。

大型作品少ないし(モローは元々少ないけど)。

素描・習作がほとんどだし。

習作も面白いんですけどね、モローがどんな完成状態を構想していたのか窺えて。

 最初は、身体の前もヴェールで覆うつもりだったのかな? って。。。



ま、後期には好きな『神秘の花』が展示されるので、また行きますが



※画像は全て同美術館サイトより。

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