2005/08/25 Category : Art ギュスターヴ・モロー展(前期) やっと行ってこれました、Bunakamuraのギュスターヴ・モロー展。モローは、気づいたら好きになっていたって感じですね。。。普段はそんなに意識していないんですが、語りだすとアツくなっている自分に気づきます・笑。毎回印象に残るのは人物の肌の蒼白さ。屍体みたいに塗るんだよね。でもそれがかえって美しく際立つんだよなぁ。変に生々しくないから、素直にきれいだと取れるのか……。生命力に満ちた状態というのは、実は醜いのか……。モローを見ると、そんな「死と美」の親しさについて考えてしまいます。この絵なんかはモロ死人だけど。あと、描かれる人物の中性性も再認識。男とも女ともとれる、そしてどちらでもない無性性。知ってる人は知ってると思うけど、村崎、こういうの大っ好きなんだよね(照)。現実味を帯びていない故の美しさ……なのかなぁ……。男/女、どちらかに限定すると、どうしても生々しさが出てしまうのか……。モローの絵って、矢張りこういう非現実・ありえないものへの憧れを掻き立てます。今回男女の判別がいちばんしにくかった絵。恋人を喪った、モローの現実の悲しみを反映している絵であるにも拘らず、描かれるものはなおも幻想的、というのが興味をそそります。 今回の展示は、分け方が面白かったですね。テーマ別。そうやって分けることによって、かえってテーマに関わらずモロー作品全体に共通するものが浮き彫りにされていたように思えます。「神秘的なもの」を求めていた画家、という印象がありますね。そして抱いた憧れを、神話なり聖書の説話なりに託して表現していた、っていう。だからそれぞれの絵の題材は違っても、共通する観念みたいなのがあると思っていて。どの画家もそうかもしれないけれど、モローは特にわかりやすいような……。そしてそれは「女」の脅威なり、死の香りであったりすると考えているんですけどね、私は。ただ、ちょっと食い足りない印象もありますが。大型作品少ないし(モローは元々少ないけど)。素描・習作がほとんどだし。習作も面白いんですけどね、モローがどんな完成状態を構想していたのか窺えて。 最初は、身体の前もヴェールで覆うつもりだったのかな? って。。。ま、後期には好きな『神秘の花』が展示されるので、また行きますが※画像は全て同美術館サイトより。 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword