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紫式子日記

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「Ashes and snow」


「Ashes and Snow」公式サイト



行きましたよ、ノマディック美術館@お台場。



コンテナの壁と、紙筒の列柱でできた仮設美術館。

デザインだけ見ると、なんだか神殿のようです。

今気づいたけど、荒野を旅していたときの

イスラエル人の「天幕」を思わせる。



内部は薄暗く、夜の寺院を連想させます。

瞑想にふさわしい空間というか。

エキゾチックで土着的な、

それゆえ心に強く響く、

映像作品のBGMが、館内全体に響きます。



お香はさすがに焚かれていませんでしたがw、

床に使われている木材の匂いに、

心が落ち着きます。



近未来的なお台場の風景に出現した、

人を安らがせる場。

ふと思うことは、偽善なのやら、風刺なのやら。



作品も、野生動物と人が共に写っているものばかり。

それらは、ヒトがケモノを支配する、

見下すという構図ではなく、

ヒトがケモノの一種になっているような。

ケモノがヒトより崇高な存在に見えるような。

ヒトもケモノも自然の一部だと、

当たり前のはずなのにずっと忘れていたことを、

そっとゆさぶって思い出させるような。



映像作品で、多く登場するのはダンス

揺れる木々、波打つ水面の動きを模したような、

ゆるやかにたゆたう官能的なダンス。

「僕は、ダンスそのものになりたい。」

映像作品の中の台詞。

それは「自然そのものになりたい」と

同値に聞こえることば。



また、瞑想している人物や、

眠っている人物が被写体に多い。

写真がセピアで単色なのとあいまって、

なんだか「弔い」「葬送」のように見えた。

ヒトもケモノも、死んで自然の循環に組み入れられる。

そこまで考えてしまったのですけれど、

どうでしょう。
入場したときは土砂降りで、

なんだかその雨音が

「水」の写真が多いこの展示に

ぴったりだなー、とか思ったのに、

終わって出たら快晴。

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